見出し画像

自社が提供しているものを理解しているか?

いきなりですが、あなたは、次の会社をご存知でしょうか?

・コスモス・ベリーズ
・ノジマ

コスモス・ベリーズ社は、本社を愛知県名古屋市におく、家電量販のチェーン展開を行っている会社です。

ヤマダ電機の出資を受けており、加盟チェーン店は、どのような店もヤマダ電機とほぼ同じ価格で仕入ができ、ヤマダ電機の店舗をショールーム代わりや、倉庫代わりにも使うことができる。

お客さんもヤマダ電機のポイントは付かないが、ヤマダ電機のチラシよりも安く買うこともできます。

そのような「大手家電量販店と街の電気屋さんの共生」を実現させた会社です。


一方、ノジマ電気社は、神奈川県横浜市に本社を置く、家電量販店の企業です。

地域に合わせた店づくりと、お客さまが欲しい商品を一緒に探してくれる独自の接客術で「本当に欲しい商品が見つかる!」とお客さまからの絶大な信頼を集めている会社です。


今では、家電は、どこで買っても値段に大差はなく、家電量販店は熾烈な価格競争に陥っていますが、この2社はいずれも、独自路線を確立して、好業績を維持することができています。


なぜか?


色々な解釈はあるでしょうが、一つの解釈は「この2社は家電を売っていないから」と言えます。

では、コスモス・ベリーズが売っているものは何か?

コスモス・ベリーズのポリシーは「地域の企業を全力で応援する」
このポリシーを実現するために、「地域のお困り事を解決する」ネットワークを作りました。

コスモス・ベリーズの加盟店が、住宅メーカーや人材派遣業などの異業種の企業とタッグを組み、それぞれの得意分野を生かし、「地域の問題を解決する」。

その活動を通じて、地域になくてはならない存在になっているのです。

つまり、コスモス・ベリーズが売っているものは「地域のお困り事の解決策」です。


では、一方のノジマが売っているものは何か?

ノジマが他社と一線を画すのがノジマの「コンサル接客」です。ノジマでは、あらゆるジャンルの商品に精通した販売のスペシャリスト「エースコンサルタント」を育てます。

そのエースコンサルタントの一人の一言が全てを表しています。

「カタログを見れば機能は書いてありますが、その機能がお客さまの生活を、どう変えるかを話さないと、お客さまの本当に10年に1回の買い物で、感動は呼ばないと思います」

つまり、ノジマが売っているものは「お客さまのより良い未来」です。


人の行動原理はたった2つです。それが精神学者のフロイトが唱えた「快楽原則」

具体的には「人は苦痛を避け、快楽を求める」

すなわち、コスモス・ベリーズは「地域の困り事」という「苦痛」を避ける解決策を提供しています。

ノジマは「快楽」という「より良い未来」を提供しています。

確かに、この2社は、モノとしては、家電をお客さまに売っていますが、それは「苦痛を避け、快楽を得る」ための手段に過ぎません。

2社とも、お客さまが家電を手にした後の、その先の世界を提供しているのです。


あなたは、自社の商品・サービスを通じて、お客さまに何を提供していますか?是非、一度、考えてみてください。


ちなみに、コスモス・ベリーズ、ノジマとも東京TV系列の『カンブリア宮殿』に登場した会社です。ご興味があれば、公式サイトを覗いてみて下さい。

コスモス・ベリーズ(2020/8/27放送)
https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2020/0827/

ノジマ(2021/2/28放送)
https://www.tv-tokyo.co.jp/cambria/backnumber/2021/0218/


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?