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「々」の可能性

  • 本文は筆者個人の興味・関心にもとづいて書かれたものであり、日本語の品位を貶めるような意図は含まれておりません。





ボロです。



「々」という文字がある。

正確には文字ではなく記号らしいのだが。

キーボードでは「おなじ」と打てば単独で変換することが可能なこの記号は、同じ漢字を繰り返すときに使われる。

例えば、

  • 人々(ひとびと)

  • 花々(はなばな)

  • 国々(くにぐに)

  • 時々(ときどき)

  • 日々(ひび)

  • 延々(えんえん)

  • 度々(たびたび)

  • 偶々(たまたま)

  • 凛々しい(りりしい)

  • 憎々しい(にくにくしい)

  • 猛々しい(たけだけしい)

  • 悠々と(ゆうゆうと)

  • 並々ならぬ(なみなみならぬ)

  • 龍ヶ嬢七々々の埋蔵金(りゅうがじょうなななのまいぞうきん)

というふうに用いられる。


例に挙げたものを大別すると、
人々、花々、国々 は体言に属する名詞であり、どれも「多くのもの」を表すための表現である。

時々、日々 も同じく名詞として用いるが、後述する副詞としての用法もある。

「〇々」の構造を持つ名詞には、
ひとと、はなな、ときき といったように、共通して繰り返し部分の読みの一音目が濁るという特徴がある。
家々(いえいえ)、町々(まちまち)など少数の例外もあり、これらは元々濁りようがない音である。

また、日々(ひび)のように元の読みが一音のみの漢字を繰り返すものは珍しく、
他には木々(きぎ)くらいしか思いつかなかった。
もし他にもあればぜひ教えてほしい。


凛々しい、憎々しい、猛々しい は形容詞であり、用言に属する。
「いかにもそれらしい」という意味を強調するために同じ漢字を重ねるのだろう。

悠々と、並々ならぬ は形容動詞であり、これも用言である。

延々、度々、偶々 は副詞であり体言と用言のどちらにも属さない。
「度々起こる」「偶々君と出会った」のように動詞や主語の前につき、後の文章を修飾するのが副詞である。


今回は名詞の「々」に着目し、「々」の可能性を探っていく。






既存の「〇々」


さて、実際に「多くのものを表す名詞」として存在している〇々はどれくらいあるのか。
列挙してみよう。

  • 人々(ひとびと)

  • 神々(かみがみ)

  • 国々(くにぐに)

  • 島々(しまじま)

  • 街々(まちまち)

  • 町々(まちまち)

  • 家々(いえいえ)

  • 山々(やまやま)

  • 花々(はなばな)

  • 木々(きぎ)

  • 時々(ときどき)

  • 日々(ひび)













少ねっ。




上記の説明パートでほぼ出尽くしていたようだ。



「名詞であり」、且つ「多くのものを表す」、「〇々という2字の構造」の単語はおそらくこれだけしかない。
これで全部というわけではないだろうが、僕が思いついたり簡単に調べたりした結果出てきたのはたったのこれだけだった。




新しい「〇々」




少ないんだったら、もう新しく作っちまおうや。


ここからは「名詞であり」、且つ「多くのものを表す」、「〇々という2字の構造」の単語を僕が新たに考え作ったものを紹介していく。










ここからは誰も知らない「〇々」の世界。



僕が提案する「々」の新たな可能性というわけだ――。













始めます。







猿々(さるざる)


たくさんの猿。
サルの生息数が多い地域や、動物園などでの使用頻度が高いと思われる。



例文
「夜になると、山の方から猿々(さるざる)の吠え声が聞こえる。」





肝々(きもぎも)


たくさんの臓器。
臓器バンクや焼肉店などでの使用頻度が高いと思われる。


例文
「当団体では、1万人以上の方が肝々(きもぎも)のドナー登録をされています。」





父々(ちちぢち)
母々(ははばは)


たくさんの父、および母。
授業参観や運動会などでの使用頻度が高いと思われる。
欠点は、発音が難しいことである。


例文
「ちぢぢ・・・ちちぢ、ぢ・・・ちち、ぢち、父々(ちちぢち)、母々(ははばは)の皆様、本日はお越しくださいましてありがとうございます。」





膣々(ちつぢつ)


たくさんの女性器。
乱交パーティ会場や、女性を女性器の名称で呼ぶ輩などには使用頻度が高いと思われる。


例文
「見ろよ。膣々(ちつぢつ)が並んでる。」





乳々(ちちぢち)


たくさんの乳房。
夏場の海水浴場や、乱交パーティ会場での使用頻度が高いと思われる。


例文
「うわ、すっげえな。乳々(ちちぢち)と膣々(ちつぢつ)のフジロックフェスティバルじゃん。」





汁々(しるじる)


たくさんの汁、または汁物料理。
スープ専門店や、乱交パーティ会場での使用頻度が高いと思われる。


例文
「うわ、すっげえな。乳々(ちちぢち)と膣々(ちつぢつ)の連なりたるや、さながら万里の長城の如しじゃん。汁々(しるじる)も引くほど飛び散っているぞ。満漢全席のフルコースかい。」





凧々(たこだこ)


たくさんの凧(たこ)。
正月や、催事などがあるときに使用頻度が高いと思われる。


例文
「うわ、すっげえな。乳々(ちちぢち)と膣々(ちつぢつ)のエレクトリカルパレードじゃん。汁々(しるじる)も引くほど飛び散っているぞ。おまえはスプラッシュマウンテンか。なんだこいつら、バカみてぇにサカりやがって。もはや人々(ひとびと)じゃなくて猿々(さるざる)だな。お祭りみてぇなことだからかな、空に凧々(たこだこ)も揚がってんな。」










以上、僕が考えた新しい「〇々」を紹介させていただいた。


「々」の可能性はこんなものではないはずだ。

もしかしたら、これを読んでいるあなたも。
本記事には無かった、新しい「〇々」をもう思いついているのではないだろうか?

もしそうであるなら、こっそりと、僕に教えていただけないだろうか。



日本語にはまだ発展の余地が残されているはずだ。

まだ見ぬ「
々」の用例との出会いを切に願うばかりである。







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