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久川颯ちゃんのイメージ

 久川颯ちゃんというキャラクターを見て、最初に思い浮かべることはなんでしょうか。
 かわいい、おっぱいが大きい、明るくて素直な性格の女の子……いろいろな考え方があると思いますが、以下、颯のイメージを見ていきたいと思います。

 久川颯はなんでもできる子です。求められたことは一通り実行します。レッスンしかり、宣材写真撮影しかり。ただ強烈な個性や才能を持っているわけではありません。特別なことができるとか、天才的センスを発揮して周囲に驚きを与えるような場面はデレステのコミュ内ではあまり出てきません。そこが颯の弱点、とも言えるのですが、なんでもそつなくこなせるタイプの人間というのはどんな共同体にも必要な人間です。会社員であってもサッカー選手であっても、ある程度のことまでなら安定して処理できる、というのは大きな強みです。チームのスターとなるファンタジスタがいることも重要ですが、与えられた課題をそれなりに消化できるタイプの人間も大切な役割を持っています。

ここで颯が言う正統派とはいったいどんなものでしょうか?

 颯としては全体的に平均以上の結果が出せるから自分はスターになれると思っています。というか、そう思いたいのです。だから颯は自信を持っているように振る舞います。しかし実際に自分より高いパフォーマンスを発揮するアイドルと接したり、自分のスキルが最上ではないことを示されると、一気にその自信を失って、弱気になってしまいます。自信家に見えて心の内側ではヘタレなところがあるのです。なぜそんな傾向があるのかというと、颯が颯自身のことをあまり好きではないからです。
 颯本人はサクセスストーリーを駆け抜けてトップアイドルになりたい、でもそれがうまくいかない、なにが問題なのか、というと自分の能力が強大でないからダメ……というふうに自分を信頼していないのです。一定のレベルまでは行けるのに、より高いレベルのところまで行けないという現実に直面しているのは自分が弱いから、だからそんな弱い自分が好きになれない、と颯は思っています。

まだ颯は十四歳

 ここで重要になるのが自立と自律です。自分の面倒を見ることと自分を客観的に見てコントロールすること、要するに自分を好きになったり、自分を正しく評価できるようになることです。強くなる、とも言えるでしょう。
 そこで颯の編み出した処方箋は、アイドルをやることで自分を好きになる、ということでした。才能や個性がなくとも、諦めないでアイドルを続けていくことが納得のいく自分になることだろう、と颯は自身を評価ようになりました。華々しい活躍を夢見てアイドルになった颯ですが、自分が完璧なアイドルになるにはまだ時間がかかると思い知ります。だからこそ弱い自分を好きになり、ゆっくり成功を重ねていこうと思うのです。そこから、いつか自分は本当になんでもできるアイドルになれる、と信じて。

汗をかくこと、苦労を厭わずにがんばるのがアイドル

 まとめると、久川颯は個性や才能がなく、それを颯は快く思っていませんでした。個性的であること、センスがあることはすばらしいことである、という考え方は腑に落ちるのですが、ではそうした特殊な能力がない人間は淘汰されていくのでしょうか? 一握りの天才しかこの世には必要ないのでしょうか? とは言い切れないのでは、と感じます。久川颯が輝くのは、個性・才能が足りなくても充実して生きられるということを颯自身が身をもって示すようになったからだと思います。
 颯はアイドルという活動を通して自分を好きになり、肯定していきました。その姿からユーザーは元気をもらいます。パッとしない自分を好きになるのが大事なことだと教えてくれる女の子、それが久川颯のイメージなのだと思います。

いつかきっと

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