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望月の夜は東に西に心が流れる


曇った空を仰ぎながら
ため息をひとつ
今夜は望月だったのに
見上げれば漆黒の空

そこにあるはずの月に向かって
祈りを捧ぐつもりだった

うまくいかない現実
言葉にならない想い

ため息をまたひとつ

月の神のアルテミスよ
森の獣の守り神
神話では迷える狩人を救ったという

三ヶ月の
太っていく矢の指し示す方向
それが東
三ヶ月の
痩せていく矢の指し示す方向
それが西

私は何処に向かっているのでしょう

見上げる空に
月は見えなくとも
そこに確かに在るものを感じる
在るのだと信じる心

私は何処にゆきたいのでしょう
辿りつきたい方向はどちらでしょう

月は
道を示してくれるのか

うまく表現しきれないもどかしさ
望月の夜に
美しさ
  切なさ
    哀しさ
       静謐さ
心を研ぐ
重なる言葉と言葉
言葉は束になって文章となり
人生を飾る

言葉を編むことは
言葉をデザインすること

それぞれの言葉で文章を綴っていく
それぞれの心で現していく

私は何処にいくのでしょう

占い師は物語を語る

あなたの未来は流れる一行の詩
言葉は流れを止めない
言葉を
言葉を紡ぎ続けなさい

女神は足元を照らす
そして
漆黒にも
仄かな光を灯す

雲間から
望月の僅かな陰
確かに在るという証

アルテミスよ
どこまでも
私は流れていきましょう
東に
西に
見えなくとも在ると信じる場所に
流れて辿りつくまで


望月や東に西にその果ては
心を研ぎて一行の詩



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