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陽気で子供っぽいけど気遣いやさんの夫

夫との出会いは、中学生の同級生だった。

身長が小さく、すばしっこい夫。
身長が高く、活発な私は、夫を追いかけ回すのが大好きだった。

いつから恋愛感情になったかは覚えていないけど、休日もよく遊んで、高校になって学校は違ったけど、最寄り駅が一緒で毎日会っていた。


告白は私から。

高校1年生の夏だった。

夫となら『子どもが生まれても、子ども全力で遊んでくれそう』と、16歳の時点で思っていた。


夫は元気が取り柄で、

身体能力はさるみたいで、

細い体で回転寿司で8000円くらい使う大食らいで、

テレビゲームに負けると本気で怒ってゲーム壊しそうになったり、

女の人に少しちやほやされると、めちゃくちゃ喜んで、

それがお世辞だと分かるとめちゃくちゃ落ち込んで、

無鉄砲かと思えば、論理的会話が好きで、

自分にはわからない、生理や、同性愛者のことを否定から入らず、疑問から入る人で、

『私は意見が欲しいんじゃない。慰めてほしいんだ!頭撫でろ!』というと、しっかり頭をなでてくれて、

仕事より、自転車で日本一周とかが似合う人で、

そんな自由奔放で、センスもあって、周りからはトラブルメーカーとしか思われていない夫が、私にだけ、気を使ってくれるのが嬉しかった。


自分のことが大嫌いだった私を、大好きだと言ってくれたこと。

出かけるときや、イベントごとには目をキラキラさせて、色々なところに連れ回してくれた夫が大好きだった。


そんな夫から一番縁遠いと思っていたのが、うつ病だった。



夫が『自分はうつ病だ!』と言い張って仕事を辞めたのがつい先日。

私はいつものことだと思ってた。

夫は仕事を辞めたのは3回目だったから。

全部、人間関係がうまくいかず、『家族を養うためにやりたくない仕事をしている』と言われたのに、私が腹を立てて、やりたくない仕事なら辞めてしまえ!と言って、早3回目。



今回は職場でだいぶ喧嘩したらしい。

パートさんと話が合わず、やりたい企画が、パートさん達の「仕事が増えるからやりたくない」という一存で、ボツになったという、なんとも言えない会社だった。


さっさと辞めて、次に就職してくれればいいや。


私が心配していたのは生活できるかできないかだけで、会社を辞めたい夫の、『うつ病だから会社辞めます』という理由づくりに付き合ってあげていた。

家事の合間に、近くの精神科を見つけた。
しっかり通うわけでもないから、口コミも何も見ていなかった。

『近くに精神科あったよ〜』
『もう、そこいこ!辞める!すぐ辞めるから!』
『仕事辞めるのに、理由なんていらないよ?辞めますって言えばいいのに…』
『…いや!理由欲しいの!!なんか、俺、ダメなやつみたいやん!!』


そんな会話をして行った精神科。

そんな会話をしていた夫。


本当にうつ病だなんて思ってもいなかった。

夫の中で、すっきり仕事を辞めれれば、それでいいと思っていた。


だから、昨日の夜。薬を飲むと聴いて驚いた。

『薬の飲むの?』
『ん〜…飲んでみるよ。職場で呼吸できなくなったり、夜寝れなくなったりはしてるからさ』
『…ふ〜ん……』


仕事を辞めるために、薬を貰いに行って、病院に通って、やっと仕事を辞めれたんだから、そんな薬飲まなくてもいいのに。

(そんなに、うつ病のふりをして、仕事したくないの?)

子ども2人いて、専業主婦になってくれって、いったのは夫なのに、随分と無責任だな。

と、育児と夜泣きに疲れた私はそんなふうにしか思えていたなかった。

今朝の、布団の山から夫が発見されるまでは

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