新卒入社から3年間、「社内ニート」やってます。①〜スタート編〜

「良い大学に入れば、良い企業に就職できる」
そう教わって育てられてきたし、きっとそうなんだろう。
そう思っていたし、親の熱心な教育で、私は無事に、
世間から認知されている良い大学に行き、良い企業に入れた。 

そして、私は社内ニートになった。

社内ニートという言葉を、みなさんはご存知だろうか。
会社に務めているけれど、業務をすることなく、ただ給料だけもらっている人たちのことだ。

みなさんは、仕事せずに、お金をもらえるなんて、うらやましいと思うだろうか。
それとも、社内ニートだなんて、努力をせず、甘えているだけで、そんなやつはクビになるべきだと思うだろうか。

仕事をせずに、お金をもらえるなんて、うれしい!
そう思う社内ニートの人も、たしかにいるかもしれないが、
少数なのだと思うのだ。

なぜなら、社内ニートという"業務"は、"激務"だからだ。

私が社内ニートになった、理由は配属ガチャだ。
配属ガチャとは、人事部が新入社員の初期配属を
まるでガチャのように決めることになぞらえた言い方だ。

きっと、何かしら理由があって、それぞれの部署のポストに
配属してるんだろうが、新入社員たちからは、その理由はわからないし、ガチャのようなものだ。

特に大手企業になればなるほど、新入社員は多いので、
巨大なガチャで、それぞれ空きポストに割り振られるわけだ。

社内ニートも、もちろん、きちんと部署に配属される。
配属され、OJT制度のある企業では、きちんと、担当のOJTもつけてもらえる。

新人研修を終え、やっと配属された。
さあ、仕事を覚えてがんばるぞ…!
そう意気込み、そこから社内ニートの地獄の"激務"は始まる。

自分だけ仕事が"ない"のだ。

私の場合、初期配属されたチームは、発足仕立てで、
案件をとるために、とても忙しく動いているチームだった。

私は数年ぶりに配属された、たった1人の新入社員で、
若手社員は0。
女性社員も隣チームに1人いるだけで、接点はなかった。

その頃の1日の私のスケジュールだ。

09:00 出社
17:30 退社

以上だ。

そして、恐ろしいことに、出社してもチームの人は、
朝から1日中、みんな、どこか違うビルや会社へ、会議に行っており、
私は出社しても挨拶する相手もいないまま、10人ほどの座席の島に、たった1人で座る。
そして、誰とも話すことも、話す相手すらおらず、
1日座って過ごす。

毎日、社内に用意されたチャットで、OJTに聞いた。
「今日なにか仕事はありますか?」
返答はいつも、同じだった。
「ないから、勉強しておいてほしい。」

これが、6〜7ヶ月くらい続いた。
毎日、遅刻せず、8時間前後の時間を、
ただただPCを見つめて過ごす。
ある意味、"激務"である。

初めのうちは、英語の勉強をしてみたり、ネットサーフィンしてみたり、同期と社内チャットしてみたり。
それなりには、時間を潰せる。

しかし、月日が流れるにつれて、
仕事もないのに、英語の勉強をしているのが馬鹿らしくなり、
ネットサーフィンも、見たいサイトは見終わり、
同期たちは、どんどん忙しくなり、相手をしてくれなくなる。

私はもともと仕事を頑張りたいと思っていた人間だった。
やる気のある新卒社会人が、社内ニートとして過ごした結果、どうなるのか。

自分の存在価値が、無になる。

私はなぜ、今ここに座っているのか。
なぜ出社しているのか。
なぜこの会社に入ったのか。
なぜ大手の企業に入るために、有名大学に入ったのか。
なぜ、勉強することばかりが、正しいとされてきたのか。
そもそも、なぜ、私は生きてきたのか。

社内ニートの始まりから、存在価値が無になるまでの出来事を
いくつかのまとまりに分けて、これから、話していきたいと思う。


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