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#003 アートライティング実践ドリル 大石いずみ編

今までで一番長い期間の展示だった大石いずみの展覧会、emergenceが会期満了した。最終日は長いことアーティストが在廊し、日曜日は4時間の開廊時間なんだけど、濃厚な時間だった。

6週間という展覧会期間、この長さは大型作品を展示することもあり、長い期間だったけれど、これだけの期間を見せたかった。今回の展示は予約をもらうことが多く、全日程の半分くらいが予約だった。(予約は気軽にください、調整させていただきますが、柔軟に対応します)

絵画と写真のハイブリッドな作品を見せる大石いずみ、aaploit としては絵画の初めての展覧会だった。これまでは、ミクストメディア、写真、パフォーマンスと展示してきて、今更の絵画の提示、それまでの鑑賞者とは違った感想を頂き、ギャラリーとしては、様々な気付きを得られた。

今回の展示では、「アートライティング実践ドリル」のプロジェクトもあったけれど、それ以外にも様々なフィードバックをもらう。特に印象に残ったのが、「(aaploitは)見たことないアーティストを紹介してくれる。これからも初めて見るアーティストを紹介してほしい。」とか、「新しいギャラリーが、新しいアーティストと新しい作品を紹介する。そうしたモノを見たい。」などのコメントをもらった。今求められていることを教えてもらったように思う。手応えのある展覧会だった。

大石いずみの作品は玄人好みだったかもしれない。アーティスト、表現者の評価がとても高かった。でも表現に偏ってはいけないと考える。最終日にアーティストと過ごした時間は、そうしたことのフィードバックと、ダイアローグだった。アーティストとは搬入日と最終日の搬出のタイミングでの対面だったけど、6週間も作品と過ごしていたら、直接言葉を交わすよりも多くのこと、深いところまで触れられる。

今後、大石いずみが、どんな写真を選ぶのか、どんな色を乗せるのか、どれだけレイヤーを重ねるのか、その結果として表出する作品は、どのようなものになるのか、楽しみである。そうしたコメントを何人もの鑑賞者からもらった。ギャラリーとしては、それに応えなければならないと考える。

まだまだ若手の大石いずみ、彼女がどのように表現を拡張していくのか、成長していくのか、ギャラリーは鑑賞者とアーティストと両手のコミュニケーションを行いつつ、鑑賞者の期待にも応えていく役割があるし、アーティストと共に歩んでいく姿勢も必要である。だが、それこそギャラリストの面白みだと思う。

aaploit(アプロイトあるいはアプライト)は、若手、エッジ、オルタナティブな展覧会を企画、発表していく。それに加えて若手の成長を見せていく。そうしたことが必要なのだと、気付かされた展覧会でもある。

まだまだこれからではありますが、aaploit は新しいアーティストの紹介とそのアーティストの成長を見せられるギャラリーに成長していきたいと考えます。どうぞ、応援いただければ、ありがたいです。

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