見出し画像

2023/12/12 月1ワークショップ 【第3回】 レポート

第3回では、これまで行ってきた「お互いのからだに触れる/触れられる」ワークに、胴体と胴体が触れたまま一緒に空間を移動する内容が加わりました。空間を移動する時、相手に向かってからだで押す/引くという、より積極的な関わりが生まれます。その時に、どんな感覚や感情が生まれてくるのか。からだの動きに何が現れてくるのか。

ワークの後半は、前回の「握手」について色んな質感を探したり、握手と「触れる」の違いについて考えたりしました。そこにどんな感情や、「好き/嫌い」「安心/苦手」といったどんな言葉が浮かんでくるか、日常生活での記憶も思い出しながら対話をしました。

ワークの様子

骨盤と骨盤をあわせてお互いに押し合い、
相手と一緒に歩ける速さで、ゆっくり歩く。
押したり引いたり互いのバランスを見つけながら、
自分が落ち着いてると感じたり、ドキドキしたり。
どんな感覚が生まれるか。
夜の回は、『リーダー』と『フォロワー』の関係を
動きで体験しました。フォロワーが目をつぶる時と
リーダーが目をつぶる時の違いも、実験。
動く前に色んな握手を試す。ゆっくり触れる。
相手とのからだの距離も、離れたり、近づいたり。
どんな感触や記憶につながるだろうか。
最後はゆっくり握手をしながら、
全身を動かしたり、一緒に歩いたり。
それぞれの感覚で続けてみる。

対話の時間

前回、話題にあがった「握手」について。
手と手の握手だけではなく、「からだで握手する」ことの話や、そこに生まれる「安心」や「緊張」について、出てきた言葉を紹介します。

・からだの色んなところで握手するように触れるのと、1対1で握手をするときで、だいぶ質が違う感じがした。からだで握手をするほうが、ちょっと柔らかい。心で握手した感じ。
・相手の状態が伝染する。こちらがリラックスしていても、相手が緊張した状態でくると、自分も緊張する。
・1対1で握手するときのほうが、手のひらの温度とか大きさとか、パーソナルなことがすっと入ってくる感じがした。相手の個性というか。
・握手って、大事な人と手を握るみたいなイメージだったけど、欧米とかだとビジネスのシーンで野心にみなぎった人同士が「よろしく」って握手したりするイメージもあるのを、思い出した。
・握手って友達みたいなイメージがある。子どものころとか。
・日本って小さいころは、「仲直りの握手ね」とか「友達になったから握手」とかあるよね。
・手の繋ぎ方で、受ける感覚がすごく違う。一番良い握手の仕方をやってみてって言われたときに自然とこう、相手の手を包む、みたいな感じになっていて、すごく「ケアする・される」「包み込む・込まれる」みたいになって、味わう質感が全然違うなと思った。
・手も人によって違うなって。自己紹介を、声でするのと、手でするのと。私はこういう人ですって。
・手だけでも、その人。この手だけを味わうってことは、相手がダンスをしているとかしてないとかに関わらず、日常のなかでもできる。だから機会があれば、この場以外でも試してみると、面白いかも。
・握手っていうより、だんだん相手の手を確認していく、みたいな感じになっていった。人によってからだが違うっていうのを分かっていくことって、通常はあまりない。誰かと知り合って、こういうものが好きなんだとか、こういうことしているんだとか、その人の情報が重なって行くなかには、あまりない。手はこういう感じなんだとか、接触したときにわりと押す方なのか、わりと引き受けたがる方なのかとか、からだの癖とか。意識しないと、わからない。
・勝手に手のひらから伝わった情報で自分のなかで物語的なものが広がって、例えば少し動きが速いときは、川で人が溺れている、助けなきゃ、的なイメージで動きをつくったりというのが、私にはありました。
・今日の握手で思い出したのは、小さい頃に母親やおばあちゃんと手をつないだ感覚みたいなものを感じるなって思った。


第3回のワークショップでは、「握手」という動きから日常でのシーンや記憶につながって話が膨らみ、「からだ」を通じて「その人」が伝わってくることに面白さを感じました。

対話のなかで、握手をするときに「緊張」する理由について、
『それは例えば、ちょっと恥ずかしいっていう気持ち。そわそわしてしまう。そのそわそわが、相手に伝わってたらどうしようとか、自分が内に抱えているものを見せたくないとか、ばれたくないとか。苦手とか怖いとかそういうこともあるかもしれないけど、自分の今の感じとしては、恥ずかしいとか照れくさいとか、そういう感じ。』
と、言葉にしてくれた人がいました。

それを聞いて、他者に「触れる/触れられる」のが嫌だと感じているときは、「自分の本心を知られたくない」という感覚が確かにあるように思いました。それはつまり「触れる/触れられる」ことで、からだを通じて伝わってしまうことがあることを感覚的に人は感じているのだと思いました。

また先に紹介したコメントにもあった、「触れる/触れられる」ということを通じて緊張でも安心でも「互いの状態が伝染っていく」ということが、以降のワークショップや12月から始まるトーク・ミーティングでの、ひとつのキーワードになっていきました。

(第4回のレポートに続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?