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MBA Women Career Talk #16 その① -2021.10.24

女性のキャリア形成を支援する会社「A&CO」がプロデュースするオンラインセミナー「MBA Women Career Talk」。毎週日曜日の朝に開催しています。

16回目となる今回は「NLPコーチから学ぶ "思いこみの蓋を剥がし1歩前へ踏み出す術」と題しまして、NLPコーチ/イメージコンサルタントの納田さんをゲストに迎えてお話を伺いました。

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納田さんのご紹介

納田 小恵子さん それでは皆さま、よろしくお願いします。

211007_納田さん

NLPコーチ/イメージコンサルタント
納田 小恵子さん


大手化粧品メーカーで14年勤務。入社当時新店だった店舗を先輩から引継ぎ、顧客と人財育成に力を入れ全国3位の売上規模まで伸ばす。その実績が評価されマネージャーに昇格。その後よりトータルで女性をサポートするためイメージコンサルとNLPの資格を取得し起業。さらに今年6月妹と地元香川にスペシャルティコーヒー豆専門店をオープン。

納田さん 私はですね、いま香川県に住んでますよっていうことだったんですけれども、なかなかここの地方在住者でお話している方も少ないと前回お話をお伺いしたので、地元の出身がもともと香川県なんですけれども、けっこういろいろ転々としておりましたので、一番上のところにですね、住んでいたところっていうのもつけているんですけれども。

大学は大阪に行っておりまして、卒業して新卒で入社したのが、ワタミフードサービスという、みなさまワタミというとご存じかと思うんですけれども、新卒でそこに入社をいたしまして。

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過酷な労働環境と帰省

納田さん 入社した当時は、まだワタミが立ち上がったばっかりだったんですね。ですので、まだ東京にしか店舗がないような状態だったので、いまでこそ全国にあるようなチェーンになっているんですけれども、ということでここで私は強制的に東京に出ることになります。

で、いまでこそブラック企業の代名詞みたいな感じになってしまって、いろいろ働き方とかがニュースで出てきたんですけれども。当時はいまの会長である渡邊美樹会長がですね、直々にセミナーというか、説明会に回ってらっしゃるということで、やはりちょっとあの方のエネルギーというか、パワーというのはすごいものがありまして、そこに入社させていただいたんですが、たしかに非常に労働環境が過酷で、はい。

本当に昼過ぎに出勤してから、夜営業をずっとして朝まで営業して。で、その間に休憩が30分ぐらいしかないですとか、まずはアルバイトの子たちから休憩を回していくので、忙しければ社員はほぼ休憩も取れないような状況で。

あとは早朝研修というのもありましたので、朝まで営業して、そのまま寝ずに出社して早朝研修をするとかっていうようなスケジュールが本当にあったので、さすがに体がもうどうにもついていかなくなるということと、夜中に働いているということで精神的にも疲れてきてしまったということでですね、私はこの1年半後ぐらいに早々にこちらを退職するという形になります。

で、そのあとですね、東京から帰省という形で、このときは地元に戻る気持ちはなかったんですが、この帰省というタイミングで、実は母が乳がんを患っておりまして、帰省した1週間後に急に亡くなってしまったんですね。

見つかったタイミングでもう末期でほぼ手の施しようがないということで、1年の余命だったところを母としては2年頑張ってくれたんですけれども、急遽そういったことがあって。

再び東京で働くが……

納田さん もちろん家のほうがばたばたしますので、ちょっと実家のほうでしばらく生活していたんですけれども、やはり働いていかないといけないというところと、当時ですね、将来結婚することになる、まあ元になるんですけど、主人とそのときに一緒に住むという計画があったので、自分の気持ちとか、実家のほうの身辺整理が落ち着いたタイミングで、また私は東京のほうに戻ることになりまして。

で、仕事を探していたんですけども、そこで入社をしたのが花王CMK株式会社ということで、いまはですね、花王ビューティブランズカウンセリング株式会社という形で、ソフィーナとカネボウが一緒になったビューティーカウンセリング事業という形で変わっているんですけれども、この当時は、母体が花王でそこの販売会社がこの会社だったんですね、私はここに入社しまして、美容部員としてスタートいたしました。

このときはですね、非常に労働環境といいますか、まだあまり条件がいいときではなかったので、私は契約社員という条件で入社をするんですね。

美容部員なのでもちろん化粧品を店頭で売るんですけれども、私が一番最初に配属されたお店というのが、私が入社したとほぼ同時ぐらいにオープンしたばかりの新店だったんです。

ですので、新しいお店でまだ物が整っていないですし、お客さまもいらっしゃって忙しい状態なので、本当に猫の手も借りたいぐらいの状態にも関わらず「何だよ、使えない新人来ちゃった」みたいな感じで。

先輩がお一人でされていたところに私がそこにサブという形で入るんですけれども、忙しいお店で、しかも12月という繁忙期に入りましたので、本当に忙しくて。

その先輩がすごく販売力のある、売れる先輩だったんですね。なので、頑張ってついていっていたんですが、後々周りの先輩方に聞くと、私はどうも嫌われていたとうか、いじめられていたっぽいんですけれども……

なんかすごい売れないみたいな感じでよく怒られていたんですが、ワタミに入社したときは新卒がそのとき200名いて、200名のうちの1割が女性だったので、男性のみの社会で働いていて、今度は女性ばかりという世界に初めて飛び込んだので、そうやって厳しく言われるのは女性はそういうものなのかなっていう風に思っていたんですけれども、どうもそうではなかったらしく。

逆にこの鈍感力がこのときは役に立ったなと思うんですけれども、このときの私は最初は売れない販売員で美容部員をスタートさせまして。

最初はずっと売れる先輩を見て真似をするんですけど、なかなか本当に売れなくてですね、そもそも販売員にもかかわらず、買ってくださいっていうクロージングが苦手だったんですね。

自分の唯一のポイントを見つける

納田さん ただ、毎日自分とお店の売上とか、活動データっていうのはチェックしていたので、先輩にはずっと売れない売れないって言われていたんですけれども、唯一私自身が1個だけ数字がいいポイントがありまして。

それっていうのが、新しいお店なので新しいお客さまばかりが来るんですけれども、その新しいお客さまがリピートしてくれる率っていうのが、再来店率っていうんですけれども、販売店なので新しいお客さまを取ってリピートしていくっていうのがどこでも大切だとは思うんですが、大体全国的にお店の新しいお客さまが戻ってくる再来店率っていうのが平均5%前後なんですけれども、私のお店の場合はほとんど比率が新しいお客さまばっかりっていうこともあったんですが、私の再来店率が25%ぐらいあったんですね。

なので、私は売る力はないけど、お客さまがまた来てくれるっていうのはあるんだっていう、自分の唯一のポイントっていうのを見つけたので、化粧品に関しての売上っていうのは購入客×客単価っていう比較的わかりやすい図式なので、私はお客様を増やすことに注力しようということで、そこで自分でも意識を変えて接客をしていきました。

そうすると先輩がですね、お客さまに対して楽しそうに接客している私を見て「なんかすごいお客さまと楽しそうに接客しているから、教えてあげようと思ってきた」みたいな感じで先輩が変わって、すごい仲良くなったんですよね。

で、そこからその先輩もすごく売れる方だったので、売上が順調に伸びていきまして。そこで人がやっぱり増えてくるということで、私が入社して3年後ですかね、店舗責任者に抜擢されることになりまして。

このタイミングで契約社員だったところを、まあ試験を受けないといけないんですけど、その試験を受けて、ここで私はようやく正社員という形になりました。

コーチングと出会う

納田さん 店長になって売上が上がってくるのは嬉しいんですけど、そのうち自分一人が売れる金額のキャパを越えてくるんですね。なので、さらにお店を拡大していくとなると、もう人を育てるしかないんだなってそのときに思いまして。

ありがたいことに企業としても大きいので、そういう研修制度というものが非常にしっかりしております。昇格するためにリーダー研修というのがありますので、そのなかでコーチングの研修っていうのもあるんですね。部下を育成するためにということで。

この前オリンピックとかあったと思うんですけれども、オリンピックの選手って必ずコーチがついていますよね。ですので、スポーツ選手だったりですとか、日本はどちらかというとそういう特別なものなイメージがあるんですけれども、いまは個人の方でも受けるっていうのが広まってきたんですが、私はコーチングというものにこの研修で出会ったんですね。

で、私はですね、三姉妹の長女で長女気質があるのかなと思うんですけど、世話焼きじゃないですけど、ちょっとお節介気質があるので、育てるっていうのを最初は何でもかんでも「これをしたらいいよ、あれをしたらいいよ」みたいな手取り足取りの教え方だったんですね。

そのときに上司に「言い過ぎ」とひとこと言われて、「ああ、育て方が違うんだな」と気づいて、そのあとにコーチングの研修を受けたときに、私はすごく衝撃を受けたというか、いままでの自分のスタイルとは全然違っていたので、「ああ、これすごいな」と思ってさっそく実践をすることにしたんですね。

メンバーが成果を出し始めてくれる

納田さん いまコーチとして活動している面から考えれば、そのときにやっていたコーチングっていうのはまだ全然コーチングっていうレベルのものではないんですけれども、研修でそのときはですね、目標達成のためにいまの現状を聞きましょう、目標を聞きましょうって、「いまは現状の満足度大体何点ぐらいですか?」みたいな。

で、「そのギャップを埋めるために何をしますか」っていう簡単な質問シートみたいなものをくださったので、本来コーチングをする場合は質問はその人に合わせて都度考えてはいくんですけど、そのときはもう本当にその質問シート通りにはしていったんですが、とにかく「質問をする」「話を聞く」っていうのが私のなかでは180度変わったことで、そうするとですね、すごくメンバーが成果を出し始めてくれたんですね。

それまで私がやっていたことっていうのは、教えてくれると嬉しいんだけれども、結局教えてあげていると考えなくなるので、指示待ちな人が育っちゃうんですね。指示待ちな人が育っちゃうにもかかわらず、リーダー側っていうのは「全然自発的じゃないんだよね。能動的に動かないんだよね」なんて言うんですけども、結果自分がそういう人に育てちゃっているっていうのがあるので、質問してくると必ず何か返ってくる。

そんなことを考えていたんだっていうのがわかると「じゃあ、やってごらん」みたいな感じでやると、意外にいい結果が出る。で、またそれを褒めると次にまた新しいアイデアを出してくる、みたいなのが循環として出てくるようになって。

そこから研修以外でも独学で本を読んだりですとか、ちょっとコーチングスクールにいろいろ行ってみたりですとか、そのときに私がいまやっているNLPっていう言葉も初めて知って、ちょっとスクールに行ってみたりっていうことはやったんですけれども。

まあ女性ばかりっていうのもありますので、とにかく自分と考え方の違う人を理解するためにっていうので、すごく試行錯誤をしながらですね、そういった経験をしつつ。

相手の可能性を信じる

納田さん もちろん人を育てるのは最終的には顧客満足度のため。やはり自分自身が1人で抱えきれなくなったときに、あなたがいない、あなたが接客してもらえないってなったときに、やはり早く人を育てて、みんなと同じサービスができるようにならないとどんどん満足度が下がるなっていうのがすごくあったので、早急に人を育てなければっていうのがあったのと、あとは単に人を育てるだけではなくて、みんなと同じことができる、チームで働いていくっていうことがすごく大事だなとそのときに気づきまして。

チームで成果を出すときに私がよかったなと思うのは、人の強みを割り振って、強みを活かしたチームを作ると、よりさらに成果が出るのが早くなるというか、自分の苦手を誰かが補ってくれる。

自分ができることは本当にたかが知れているので、それを得意な子たちに任せていくと、その子たちは輝くし、私は助かるし、みたいな。

そういう好循環っていうのも、チームビルディングっていうのをやっていたときにやっぱり成果に繋がっていったんですね。

ありがたいことに売上というのは、店舗責任者になってからは毎年2桁でずっと伸ばし続けることができたんですけれども、入社したときに新店だった店舗がですね、なんと全国3位の売上まで結果としてなんですけど伸びました。

それは単月で取ったわけではなくて、一度取ったあと、私がお店からいなくなるまでずっと不動のものにすることができまして。

売上も目標にしていましたけど、一番は顧客満足度というところと、あとは私は顧客満足度より従業員満足度を特に最優先にしていまして。それも従業員もいい状態でなければいいサービスができないっていうのがモットーだったのでそこを意識していたんですが、本当にいろんなメンバーがいましたけれども、それがうまく成果に繋がってくれたっていうこともありがたいなと思います。

なので、どんな人でも、どんな子でも、私は必ず成長できるしできるようになるって信じているので、よくほかのお店でできないとか、もう全然活動しないしやる気ないみたいな子とかがですね、なぜかどんどんうちの店に送られてくるようになりましてですね。

そのうち道場とかいわれるようになったんですが、でも、そういう子でもやっぱりこっち側ができるっていう風に信じていると本当にできるようになりますし、いかに早くその子の得意と強みを見つけてあげるかっていうのは本当にすごく大事だなっていうのを学ばせていただいたっていうのはありますね。

私はいまコーチをしていますけれども、コーチングでも一緒で、コーチ側がお客さま、クライアントさまの可能性っていうのをいかに信じてあげられているかっていう。

結局会社のなかだったり、マネジメントの場合は上司になりますけども、その部下の可能性。伸びないのではなく、伸びないと思っていることでもうそこ以上には伸びないんですよね。

だから、コーチングにおいてもできるだけこちら側のフィルターというのをいかに少なくするかということで、コーチングするときには意識はしているんですけれども、やっぱりその人の可能性っていうのは本当に無限大だなっていうところは会社員のなかでも学ばせていただきましたし、いま現時点でコーチをさせていただいているなかでもすごく思うことなんですね。

その②へ続きます


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