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【読書感想】冷たい校舎の時は止まる(上・下)


『冷たい校舎の時は止まる』辻村深月

辻村深月さんの本は早く続きが読みたくて読みたくて仕方ない程になってました。特にこの「冷たい校舎の時は止まる」です。

これは多分ホラーミステリーの分類に入るのかな?上巻はホラー苦手な私にとっては怖かったです>_<でも読み始めた時から早く先が読みたくてうずうずしてしまうくらいでした。上下巻あって小説も分厚いので結構長いです。でもそれを感じさせないのがさすがだなと思いました。

そしてあの日飛び降りたその”人物”がずっと気になって気になって。

※以下、ネタバレありです。

雪が降り続く校舎の中に8人が閉じ込められてそこから一人、また一人消えていくのです。消えていく、という表現は違うかもしれまんせんが、マネキンになってその人物はいなくなってしまう。5時53分という時間が止まったまま、校舎に閉じ込められたまま、この状況が分からないまま8人は時間を過ごしていきます。この中の誰かが学園祭のあの日飛び降りして死んでしまった。でもこの8人みんなその人物が誰だったのか思い出せない。その人物がこの状況を作っている。じゃあその"人物"は一体誰?

8人が抱えてきたそれぞれの過去も深く語られます。自分は絶対に違う、自分は飛び降りなんかしない、と思う者もいれば、あの日飛び降りたのは私かもしれない、と思い詰める子もいます。下巻の途中まで読んでても"誰か"は全然分かりませんでした。一人ひとりマネキンになって消えていく本人はその直前にその"誰か"を思い出してしまう。そして消えていく。

ほんと謎に包まれたミステリーです。

下巻の後半に飛び降り自殺した人物が分かります。それからはもう一気読みでした。

生死を彷徨う瞬間にその人物がその精神世界に閉じ込めることができる。その閉じ込めた人物が作者と同じ名前の"辻村深月"でした。(飛び降りたのは深月ではありません。)

最後のラストページ、鷹野が角田春子を見たということは、深月の中で許す事が出来て解放されたんですね。

指輪の下りはどうなんだろう?
てっきり深月のお母さんがサトちゃんなのかなと思ってたけど。

鷹野(ヒロ)の小さい頃の彼女みーちゃんが深月だったとは、、

何故菅原の過去だけこんなに長く忠実に描かれてるのかな、現実世界とどう関係あるのかなと思ってたけど、そういう事だったんだね。

意味が分かると凄い面白いし、感動しちゃう。
辻村深月さんの小説はあの子はこの人だったんだ!ってのが結構あるから感激しちゃうのです。

あー、長い長い作品を久々に読んでしまって。
読むのが楽しみだったからちょっと寂しい。
また次辻村さんのを読みます。
『次は子どもたちは夜と遊ぶ』かな。
こちらも読むのが楽しみです。

『冷たい校舎の時は止まる』

面白かったなぁ!!
長いけどぜひ読んでほしいです!

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