【読書感想】流浪の月【小説】
『流浪の月』 凪良ゆう
映画を観に行きたかったけれど結局観れなかった。
横浜流星さんが出ていた作品で、予告を見て行きたいと思っていました。
そして小説も読みたかったので本を読みました。
誘拐事件の被害者と加害者。
小学生の更紗に自分の居場所をつくってくれたのが大学生の文だった。
しかし少女誘拐犯として逮捕され、更紗は犯人に傷物にされた少女として扱われるようになった。更紗にとって本当の悪人は父親でその息苦しい場所から救い出してくれたのが文なのに、なぜ文が逮捕されて自分は苦痛な家に戻らなきゃいけないのか、その葛藤の日々だった。
ずっと悲しかった。この二人には救いがなかった。どうして誰も心の内を聞いてくれようとしてくれないのだろう。本人たちの心はその本人たちのものなのに。世間が思う二人と、二人が思う自分たちの思い、それがかけ離れすぎていた。誰かに分かって欲しかった。世間がそれを許さないとしても。
時が過ぎても文の事は忘れられず、文に会いたかった更紗は文を探しにいく。文と一緒にいたかった。あの頃からずっと。でもこれは世間が言うような恋ではない。恋愛なんかではない。
でも二人が傍にいることは許されなかった。
考えさせられる本でした。文の気持ちも更紗の気持ちもずっと苦しいですよね。許されないこととは分かっていても、二人にどうか温かい光が包んでくれますようにと願わずにはいられませんでした。
まだ映画は円盤化されていないから、早く円盤化されて観たいなぁと思っています。映画を観たらまたブログに書きたいと思います。
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