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昭和な会社のRPA奮闘記① 1~6ヶ月

2019年1月から2年間に渡り取り組んだ「昭和な会社でのRPA※導入とデジタル化」。当時のリアルツイートを元に振り返っていきます。
(※Robotic Process Automation パソコン上の作業を自動化することができる技術 。初耳の方はコチラの動画を→https://youtu.be/MQ7Ea5UQoj0

RPA等のITツール導入真っ盛りの方、また導入を支援する側の方のご参考になれば幸いです。

1、1ヶ月目 RPA導入開始

2018年8月にネットのニュースでRPAを知りました。お昼休みにオニギリ片手に調べ続け、RPAベンダー6社の話を聞き、完成させた企画書を役員会に提出したのが2019年1月。

社内で使えるのか?を確認するため 10万円の使用許可がおり、サーバ不要、インストール型ソフトも操作できるWinActorの2ヶ月トライアルを申込みました。

しかし、周りにはRPAのことを知っている人がいない。友人に「TwitterやればRPA知ってる東京の人と話せるんじゃない?」と言われ、「RPA」で必死に検索をかけました。

個人的な事もお話しますと、この直前会社の昇進試験に落ちていました。自分を変えたい、自分の存在価値をみつけたい、という強い想いを持っていました。
そんなとき、知人に紹介された東京のリモートワークイベントに行くことを決意。次々とLTが繰り広げられていく社外コミュティの熱量に圧倒されました。

RPAを調べていくうちに、デジタル化も同時に進める必要があると気付き、準備を進めました。

2、2ヶ月目 念願のRPAを操作

待ちに待ったRPAトライアルライセンスが到着。RPAを知ってから6ヶ月。ついにRPAを操作できるようになりました。

RPA導入前は人事を担当していましたが、RPAを機に自称システムチームに異動しました(追い出された?)。新しいメンバーにRPAとは何で自分は何がしたいのか、伝えたいと必死でした。

導入当初、社内ではとにかく孤独でTwitterのいいね!が唯一の励み。いいね!が一つでも付くと、私のやっている事は間違っていないのかな、と思え元気が出ました。

RPA化できる業務を見つけるため社内システムの調査もしていきました。社内には30年選手のシステム管理者がいて「RPAいるのか?」という反応でした。社内システムを操作するためには、まず信用、熱意を伝えることからと、学ぶ姿勢を全面に出すようにしていました。

RPAを触り始めて1ヶ月。事務屋の自分でも操作でき、社内の自動化改善に使える、という手応えがありました。

3、3ヶ月目 昭和な壁にぶち当たる

RPAという社内では誰もやっていないことを、主体的に進めていく、という状況はとても楽しく夢中な毎日。「繰り返しの単純作業で長時間残業になる状態を改善してみせる!」と熱意を燃やしていました。

しかし、RPAはまだまだ信用されていない。あの人何やってるの?という声も聞こえてきました。ここは堪えどころ。

RPA化で業務がブラックボックス化しないのか?と聞かれますが、RPA化で手順や判断基準が明確化されるので、むしろ誰でもできるようになります。手動操作やRPA実行動画を撮影しておくと、それが手順書代わりになり、おすすめです。

RPAと並んで取組もうとしていたのが、まったく進んでいないデジタル化でした。ワークフロー等は導入されておらず、休暇申請や出張申請など、すべてが紙。
「目に見えないものは信用できない」という役員も。
RPAというパワーワードを使うことで、デジタル化も同時に進めようと作戦を立てていきました。

RPAの進捗はこまめに報告していたのですが、毎回言われるのが「それで何時間削減できるんだ?」と。工数削減を目標にしてしまうと、RPA導入の目的迷走し始めます。
「RPA活用で単純作業から開放され、付加価値の高い仕事にシフトする」まだ明確には打ち出すことはできていませんでしたが、自分の中でこの「ぶれない大儀」を持っていたことが困難に直面しても続けることができた秘訣だったように思います。

ちなみに、「RPAは工数削減だけを狙うものではなく、デジタル化との組み合わせで、より付加価値の高い業務へシフトしていくことが真の目的です」と役員報告した際に、返ってきた言葉がこれです。

何度も役員に説明をするも、カタカナ語でつまずいてしまい、進まない・・・。報告のたび「導入したなら早く効果を!」とも言われ(涙)

次第に報告資料作りの時間が増えていきました。
トライアルライセンスの期日もきてしまい・・・

4、4ヶ月目 デジタル化も同時進行

RPA本ライセンスとデジタル化ツールとしてグループウエアの稟議を同日に持ち込む作戦を取りました。RPAとデジタル化をメインにした、2年間のロードマップも提案しました。この作戦は功を奏し見事決裁されました。

役員から「効率の悪いやり方は終わりにして、全社でデジタル、ロボット化をやっていこう」と激励もいただきました。

喜んでいたら、突如「新聞切り抜き業務」を毎朝担当することに。他の社員に何やってるんだ?とジロジロ見られながら毎日1時間。これは精神的にも堪えました。

役員に説明する際はカタカナ語→漢字変換が必要でした。説明資料作りで最も苦労したところです。

RPAを社内で広めたくて、紹介できる場があれば、どんどん見せていました。新卒説明会の先輩社員仕事紹介でもRPAの動画を見せながら説明をしてみました。しかしあまり手応えはなく・・・

日々の広報活動の成果か、役員が口酸っぱく「RPA早く進めろ!」と言ってくれたおかげか、社内で「RPA」という言葉が通じるように!

ついに、興味を示してくれる担当者も現れました。しかし、担当者は意欲的な一方、事なかれ主義の課長によりトライアルはあっさり却下。

社内の疲れや悩みは社外で癒やす。日々Twitter上の方々の活躍に元気をもらっていました。

5、5ヶ月目 すぐやれ圧力

GWに読んだ本。著者の中小企業IT担当者への激励メッセージに胸が熱くなりました。RPAをきっかけに会社を変えたい。そして自分自身も変えたい。まさに自分に合った本でした。

RPAをどうやって勉強しましたか?と質問をいただきますが、私は基本書籍です。代理店の技術サポートは申し込ませてもらえず、本が出るまではネット検索で勉強していました。効率は良くなかったと思います。

社内の啓発活動を続けました。
RPAを信用もらうためには、私自身を信用してもらうことから。日々の積み重ね。

社内でRPAの報告をすると、途方もない大きな課題を投げかけられることが出てきました。そんなところまで要求されても・・・と戸惑いつつも、次第に経営とRPA、ITを考えるようになっていきました。

人事時代は休日の会社イベントは準備~片付けまで参加していましたが、内心モヤモヤでした。休日は情報収集や勉強時間に充てたい。忠誠心ではなく、会社への貢献度で評価して欲しい。

会社もいつか理解してくれるはず、と願っていました。

この頃からRPAの制作時間が十分確保できなくなってきました。確保できた日はこんな嬉しいツイートをしていますが、実際は欠員が出たヘルプデスク業務、新聞切り抜き、工場応援、会議設営等で一日が終わっていました。

思い通りにいかない中、いつか我が社もRPA事例として新聞やWeb掲載されたいという夢を抱いていました。

会社では「なんでできんのだ!」と攻められ苦しい状況でしたが、このころからツイートすると、いいね!やリプが返ってくるように。仲間が出来たと嬉しい気持ちでいっぱいでした。

日に日に強まる社内の「はよやれ!」圧力。

社内で打ちのめされる→ツイートする→励まされる→復活し再トライ、というポジティブ循環がTwitterのお陰で習慣化していました。過去の自分だったら、マイナス思考に走っていたかも。

孤独とプレッシャーに耐えきれず、RPA関連の社外コミュティにも東京、名古屋と参加しました。そこでは社内では感じられない手応えを感じることができました。

そして私は一人ではない。仲間と励まし合って頑張ればいいのだと。

経営層にITに関する取り組みが重要なことを伝えようと、社長が必ず読む新聞切り抜きの記事を工夫していました。また社長が最近読んだ本の情報を総務からもらい、報告資料にエッセンスを入れ込む、という工夫もしていました。

IT未経験な上、RPA制作スキルはずっと独学だったので、まったく自信がありませんでした。代理店の技術の方がシナリオを見てくださる機会があり、嬉しいコメントをいただきました。

RPAが、きっかけでIT化が進んだ?!ということも出てきました。(役員は社外で「うちはもうRPA導入してます」と自慢してたそうです)

6、6ヶ月目 社外活動でバランスを取りながら

RPA開始とともに自分のキャリアもITに転向したいと思っていました。情報セキュリティマネジメント試験合格は自信になりました。

社内にはいくつもの“ポシャったプロジェクト話”があり、「○○さんはあのプロジェクトやってたけど、失敗して異動していった」なんて話をよく聞いていました。

RPAも失敗プロジェクト行きなのでは?というプレッシャーの中、とても嬉しことが。

さらに日々Twitterの皆さん応援していただけるようになり、力をいただいていました。Twitterがあるから頑張れる、と感じていました。

社内での苦境の反動か、どんどん社外に出て行けるようになっていました。

そしてRPA社内説明会で大きな収穫がありました。調達課がRPAに興味を示し、課長が担当者を指名してくれたのです。ついに社内にRPA仲間が出来ました。

さらに、システム管理者にずっと断れていた基幹システムへのRPAアクセスが許可されました。

社外活動にも大きなチャンスが巡ってきます。

「社内で学んだことを活かし、社外で手応えを得ていく」という自分なりのスタイルが出来上がってきていました。

以上、導入1~6ヶ月でした。
お読みいただきありがとうございました。
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導入7~12ヶ月はコチラ↓↓↓


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