退職時、飛び立つ鳥跡を濁さず以上にできること。

同じチームの同僚ふたり、立て続けに退職することになった。

勤務先では通常、退職日の3ヶ月前に辞職の意を表さなければならない。つまり、辞職したいと言ってから、退職できるまで3ヶ月かかる。ドイツ企業は、このように3ヶ月ルールを課しているところが多い。日本では1ヶ月くらいではないだろうか。

3ヶ月は、みなさん想像の通り結構長い。最近、3ヶ月後の退職を発表した同僚のAの方は、発表した日から明らかに仕事へのパフォーマンスが落ちた。

Aは元々やる気にあふれていて、チームミーティングの司会も率先して請け負っていた。退職発表してからは、ミーティングをよく欠席するし、ミーティング中の発言率も明らかに下がった。

Aが退職発表をした日、私はたまたま休暇でおらず、休暇後数日経ってからAが3ヶ月後に退職すると聞いて、妙に納得がいった。そうか、もう辞めるから、パフォーマンス評価もないし、やることだけやることにしたのか、と。

一方、同じくもうすぐ退職してしまうB。Bは、常に周りから高評価を得て、スピード昇進していった人だ。退職発表をした後も、Bの仕事ぶりは依然と変わらなかった。

プロダクトマネージャーのBは、うちの会社のプロダクトに今後使えそうなアイディアを落とし込み、社内プレゼンテーションまでしていた。もうすぐ辞めるのに、である。

正直、もうすぐ辞めるのに、ここまでできる?!と思わせるくらい、以前と変わらない熱意で退職日が近い今も働き続けている。

Aが悪いわけではないし、Aのように退職するまでの3ヶ月間はパフォーマンス評価には関係しないから、とりあえずやり過ごすのも悪い方法ではないとは思う。程よく自分の仕事を他の人に引き継ぎまですれば、飛び立つ鳥跡を濁さず、くらいの感じで退職していけるだろう。

でも、辞めた後のチームのこと、プロダクトのことまで考え、最後まで働き抜くBには、飛び立つ鳥跡を濁さず以上のことまでできることを見せつけてくれた。退職後、事業を起こす予定のB。与え続けられる人であるBは、今後も人の信頼を得て、上手く事業をおこしていけるのだろうなと思う。

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