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仮説を一瞬ではじき出す「瞬考」:デザイナー読書感想文

こんにちは~。3年目デザイナーAです。
久しぶりに書籍を読んだので感想を書いていきます!

書籍の内容(ざっくり)

まず目を引いたのが、タイトルにある「瞬考」という言葉。普段あまり耳にしないこの単語が本書で意味するのは、「一瞬で仮説を導き出す力」。
著者はエンジニア、戦略コンサルタントそしてビジネスプロデューサーというキャリアを歩んでおり、そのなかで身に付けた仮説を一瞬ではじき出す力を鍛えるための実践的な方法が書かれている。


読んだきっかけ

四季報写経ウーマンさんのnote記事でこの書籍をおすすめされていたのがきっかけ。「ただ会社四季報を写経するだけではなく、そこから仮説を立てようとすると数字から多くのものが見えてくる」といった内容があり、「仮説ってどうやって立てるの…?」と興味を持ち書籍を購入した。


読んだ感想:わたしも瞬考できるようになりたい。

ビジネス職やコンサルの人のみならず、デザイナーとしても、仕事への取り組み方について学ぶ点が非常に多かった。

瞬考を身に付けられたら、以下のシーンで活かせると思う。

・クライアントが「知らなくて、かつ、知るべきこと」を捻り出せる
・ヒアリングの場でワイヤーフレームを作れる
・複数のデザイン案を出せる
・会議で意見を求められた際に、即座に意見を述べ決定に貢献できる

他にもあるとは思うが、とりあえずはこんなところだろうか。

1つ目に上げた例は著書の言葉である。
求められている仮説は「相手が知らなくて、かつ、知るべきこと」であると。たしかに、すでに相手が知っている仮説や誰もが思いつきそうな仮説には価値が薄い。

クライアントワークのデザイナーとして一般論ではなく、専門的な視点から価値ある提案をするために瞬考の重要性を感じた。



どうやったら瞬考できるようになるのか(要点まとめ)

瞬考を鍛えるには、とにかく「インプットが大事」と繰り返し述べられている。特に印象に残ったのが以下の言葉。

1聞いて10調べる

著者は新卒でエンジニアとして働いていた頃に会社四季報を丸暗記した方で、後にそれが戦略コンサルタントとしてのキャリアで大きく役に立ったそう。

会社四季報の丸暗記では、1つの会社を調べる際には

・その会社の歴史(横軸)
・業界の知識(縦軸)

の2つをインプットする。
そして事象が起きたメカニズムも同時にインプットしていたという。

これにより、ビジネスのメカニズムが自分の中に蓄積されていき、「これはあのパターンだ!だから次に起こることは…」と予想できるようになるのだとか。

この話を読んで、私も高校時代、世界史を丸暗記することで全体像を理解できた経験を思い出した。当時、世界史が苦手だったが、年号と事件を丸暗記することで、国ごとの歴史や出来事の関連性を見出せるようになったのだ。

これと同じように、デザインにおいても丸暗記や大量のインプットが「瞬考」の基盤になると感じている。



「瞬考」をデザインに活かすためには、何をインプットすればよいか。

デザイナーは仮説をつくり、その仮説から視覚的アウトプットを作るのが仕事である。瞬考トレーニングのとおり、質の良いアウトプットを作るには、大量かつ質の良いインプットが大きなカギを握っているはず。

私は現在、アプリのUIデザインに関わっているため、デザイン表現の美しさではなく機能やユーザー操作を重視して仕事をしている。そのため、以下のようなインプットが有効かと思う。

・大手企業が展開するサービスのアプリUのI変化をまとめる(横軸)
・過去のダークパターン例をまとめる(横軸?)
・他社の実績で細かく制作意図や成果を載せた記事を読む(縦軸)

他社が時間とお金を費やした成果物や成果を把握できれば、デザイン制作や決定に役立てることができるはず…!



とはいえアウトプットも重要では。

インプットの概念とは反対に、デザイナーの先輩方からデザインの質を高めるには「量を作ることが大事」と言われ続けてきた。
アウトプットで本当に上手くなるのか…と半信半疑のまま2年間仕事をし続けていたが、大量のアウトプットの裏には、大量のインプット+メカニズムの分析があるからこそ、質の高いデザインを作れるようになるのではないかと思う。

「1聞いて10調べる」インプットを実践しながら、質の高いデザインアウトプットも意識していきたい。向こう1年、アプリのエンハンスプロジェクトに関わることになったので、クライアントやユーザーの価値ある提案を届けられるよう自分も「瞬考」を身につけられるように頑張りたいと思います。


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