⑧入院2日目夜〜3日目(手術後の夜〜手術翌日)
SICU
手術後、自分はどういう状態なのかわからずベッド全体を見渡す。
酸素マスク(不織布マスクは外されていた)、両腕に点滴、右指にパルスオキシメーター、左手に硬膜外麻酔のスイッチ、尿道カテーテル、脚には血栓防止のフットポンプ。
それと左上腕に血圧計が巻いてある。しびれて腕が動かせない。
お腹の周りは麻酔で感覚がない。挿管の後なので喉もガサガサ。
SICUの病室は6畳くらいで、部屋のど真ん中にベッドがある。天井にテレビがついていた。看護師さんが様子を見に来てくれた時に「テレビ使えますよ!」と教えてくださったので、有り難く使わせてもらう事にした。
夕方のニュースを見て、ちょっとだけ日常を思い出してホッとした。
その日はやたら某ピザチェーンのトリプルチーズピザのCMが流れていた。ピザが食べたくて、お腹が減って減って仕方なかった。無事に退院したら絶対食べようと決めた。
看護師さんから少しずつ手足を動かしてみるように言われていたので、末端から少しずつ動かしてみる。血圧計のある左腕だけが重くて痛かった。
しばらくして回診があり、先生から改めて腫瘍が良性だったと言われる。
退院までに改めて病理診断をするけど、ほぼ大丈夫らしい。よかった。
そこからしばらくテレビを見ていた。
途中、検温があり37.9℃まで熱が上がっていた。
なんか汗かいてるな・・・とは思っていたけれど、あまり自覚がなかった。
顔を拭いてもらったりアイス枕を入れてもらったりしてなんとか落ち着いた。
SICUは個室なので消灯時間は気にしなくて良いとのことだったので、眠くなるまでテレビを観ていた。パリピ孔明を観てからウトウトしてそのまま就寝。
入院3日目(手術翌日)
夜中はうまく眠れず、2~3時間おきに起きてしまっていた。
その度にスイッチを押して麻酔を追加。
麻酔が体の右側ばかり効いてしまうので少し痛みがあった。
看護師さんから「30分おきくらいに麻酔追加しても大丈夫」と言われたので、時計を見ながら麻酔のスイッチを押したら、少し痛みが軽くなった。
この日は早朝にガスが出た。ガスが出れば飲食を再開できると聞いていたものの、こんなに早く出るんだな・・・と少々驚いた。
(多分、ピザ食べたい欲求があったからだと思う)
午前中はラヴィットをゆっくり観る。テレビを観ていると痛いことを忘れられるので良かった。
昼前に右手の点滴の管が外される。ちょっとだけ自由になれた。
前日は入浴できなかったため、看護師さんが体を拭いてくれた。発熱したときに汗をかいていたので少しスッキリ。歯磨きもさせてもらえた。
歩行練習
昼頃から、立って少しだけ歩く練習をした。
赤ちゃんが使う歩行器の大人サイズみたいなものを持ってきてもらい、点滴やカテーテルなどの管をまとめてからまずゆっくり起き上がる。
部屋の中を何歩か歩いてみる。痛いけど、思ったより大丈夫かもしれない。
看護師さんにも歩けたことを褒めてもらった。
(この歳になって、歩けるだけで褒められるなんて・・・!)
婦人科病棟へ戻る
昼過ぎに婦人科病棟へ戻れる事になり、看護師さんに車椅子を押してもらいながら病棟へ戻った。人生初車椅子。
病棟に戻ると、看護師さんや婦長さんが「おかえりなさい」と迎えてくれてホッとした。
病室に戻ってからカテーテルを抜いてもらい、トイレまで歩く練習。
病室の隣にもトイレはあるけれど、しばらくは尿量を測れるトイレに行くように言われた。病室3つ分ほど距離があるので、歩く練習には丁度いい。
自分の尿量なんて測ったことがなかったけれど、実際に数値で見るとびっくりする。点滴しかしてないのに結構量が出るんだな、と思って毎回測るのがちょっと楽しかった。
落ち着いてから、1日ぶりに携帯を見る。
夫や義実家、実家、職場のメンバーへゆっくり返信する。
生きててよかったなぁ。嬉しい。
水分はもう摂って良いと言われていたので持参した水を飲んでいたが、どうしてもお腹がへる。度々、腸がグルグル鳴っていた。どんだけ食欲あるんや、私。
夕食の時間帯も、同室の人たちの食事のにおいが羨ましかった。
翌日からの食事再開を楽しみに、その日は消灯とともに寝た。
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