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あかね噺-第122席・志ぐま一門らしさ-感想

<第121席感想・感想リンク・第123席感想>

ウィッチウォッチアニメ化決定!そして呪術廻戦も残り5話で終わるというアナウンスが有りました。
先週のヒロアカの終わりと合わせて、ジャンプも世代交代が始まった感じがします。ジャンプの次の大看板は、ワンピース・SAKAMOTO DAYS、までは確定で、もう一つがアオノハコ・ウィッチウォッチ・カグラバチ・あかね噺あたりになってくると思います。
「アオノハコ」はアニメも跳ねると思うので、人気を獲得しそうではあるものの、作品としての書くべきものが、それほど残っていない感じで、話がもう転がらない漫画になっていて、これからの週刊ジャンプを盛り上げる漫画では無いのかなという気がしています。
まぁジャンプ漫画の大看板は、アニメで跳ねて多くの大衆に刺さらないとなれないので、アニメ化してどうなるかに注目ですね。
「ウィッチウォッチ」はアニメ向きな原作。「あかね噺」はストーリーの質の高さ。「カグラバチ」はジャンプ王道のバトル漫画。
どれも跳ねてヒロアカや呪術のようになれる可能性はあると思います。
ただSAKAMOTO DAYSを含めて、ワンピースの代わりになれる漫画はないと感じるので、ワンピースの終わるXDAYの頃にどんな勢力図になってるんだろうか?

◆あらすじ


週刊少年ジャンプ 2024年8月19日発売 38号 センターカラー

「狸賽」と同じ様に落語ヴァースの「初天神」は大成功に終わり、いよいよ志ぐまの本領が発揮される。

◆感想


今回は、あかねがただただ楽しく落語をする話でしたね。次回は志ぐまの本気の落語という事で、そちらの期待も高まる展開でした。
今回の感想は、初天神のオチ・落語ヴァースで大丈夫なのか?について書いていきます。

初天神のオチ
前回の感想で書いた初天神のオチは、上方落語の型でしたね。父親のほうが凧揚げに夢中になって、変わってくれない様子に、こどもが「こんなことなら連れてこなきゃよかった」ってボヤいて終わるのが、上方落語の元々のオチです。
江戸落語では、このオチが子供が人にぶつかって親が誤り、次は親がぶつかって、今度は子供が謝るという形になります。

ですが、この江戸落語でも、この上方落語の型で演る人も多い様で、人間国宝にもなった柳家小三治の「初天神」も上方落語と同じオチで演っていました。
今の落語家は小三治の落語を勉強する人も多いので、小三治の「初天神」を見本として上方落語の型で演る人が多いのかもしれません。

あかねの演ずる子供が可愛いので、上方落語のボヤく感じのオチがうまくハマっているように感じました。
ちなみに、子どもの一人称が「あたい」なのが女の子っぽいので、女性落語家だからあえて「あたい」にしたわけではなく、元々の話から一人称は「あたい」です。
松竹新喜劇の藤山寛美の演じていた「あほぼん」も、一人称は「あたい」でしたし、この落語が作られた当時の大阪では、ごく普通の一人称だったのかもしれません。

落語ヴァースで大丈夫なのか?
あかねの必殺技になりつつある「落語ヴァース」は、今回も炸裂し、「初天神」の中に「狸賽」と「寿限無」を入れ込んで観客を大いに沸かせていました。学問先生もスムーズに入れ込むあかねの引き出しの多さに関心をしていましたが、個人的には、このままこの形で成功していけるのか?を疑問に感じました。

最初の時にも書いたんですけど、この「落語ヴァース」は、落語に詳しい人にしか面白くないという欠点があります。
その時に引き合いに出した談志の「落語チャンチャカチャン」は、斬新ではあるものの余興であって、これが凄いというものでは無いので、これを押し出していくのも、ちょっと違う感じがします。

落語の世界が繋がっていて、「初天神」の中にも寿限無や狸賽が存在しているという気付きは素晴らしいし、あかねの落語観としては素晴らしいと思いますけど、それを噺でどう表現して、どう面白くするかについては、今の形が正解では無い気がしました。

柳家喬太郎さんの「擬宝珠」でも、若旦那との掛け合いの中でメタネタを入れ込んでいて、導入の似ている船徳なんかを引き合いに出すくすぐりがありますけど、だから面白いって事では無いんですよね。

あかねの落語愛を感じる「落語ヴァース」は良いと思うんですけど、この後どう進化していくのか?
今後の展開に期待したいですね。


師匠の志ぐまは、このあかねの進化に大満足している様子でしたけど、どういう未来が見えているのかも楽しみですが、何より志ぐまがどんなネタをどう演るのかを楽しみにしつつ感想を終わります。
でわでわー。




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