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日本語教師になるには?~大学VS養成講座~

今日は日本語教師を目指している方、日本語教師に興味がある方、

特に学生さん向けに書きたいと思います。

ちょっと長めの記事です。

ちなみにタイトルには「VS」という表現を使っていますが、どちらが良い、どちらが悪い、というわけではありません。

日本語教師になれればなんでもいいんです。


日本語学校の日本語教師になるルート

さて、まずは日本語教育機関で働く際の条件は以下の通りです。

十三 全ての教員が、次のいずれかに該当する者であること。
イ 大学(短期大学を除く。以下この号において同じ。)又は大学院において日本語教育に 関する教育課程を履修して所定の単位を修得し、かつ、当該大学を卒業し又は当該大学 院の課程を修了した者
ロ 大学又は大学院において日本語教育に関する科目の単位を26単位以上修得し、かつ、 当該大学を卒業し又は当該大学院の課程を修了した者
ハ 令和6年3月31日までに公益財団法人日本国際教育支援協会が実施する日本語教育 能力検定試験に合格した者
ニ 学士の学位を有し、かつ、日本語教育に関する研修であって適当と認められるものを 420単位時間以上受講し、これを修了した者
ホ 日本語教育機関認定法に基づき、登録日本語教員の登録を受けた者
へ その他イからホまでに掲げる者と同等以上の能力があると認められる者

日本語教育機関の告示基準 令和6年4月26日一部改定 https://www.moj.go.jp/isa/content/930005392.pdf 


4月26日に一部改訂されていました。

この条件の文が変わっていました。

ホ 日本語教育機関認定法に基づき、登録日本語教員の登録を受けた者

告示基準にもついに記載されましたね。

つまり、今後日本語教育機関で働くには上記のどれかに該当しなければなりません。

オンラインで日本語を教えるという場合は上記の資格は不要な場合もあります。

ですが、日本語教師としてお金を頂く以上、いずれかの資格・条件は満たしておいたほうがいいと思います。

私はこの条件の中のロ・ハ・ニに当てはまります。

大学で日本語教育の副専攻を修了し、社会人になった後養成講座に通い、検定試験に合格しました。

そこでふと思いました。

これから日本語教師になりたい人で大学で日本語教育を学んだほうがいいのか、養成講座で日本語教育を学んだほうがいいのか、迷っている人も中にはいるのではないか・・・。

どちらも修了してかなり?時間が経っていますが、思い出して書きたいと思います。

参考になると嬉しいです。

どうして大学で学んだ後に養成講座?

余談にはなりますが、どうして私が大学で副専攻を修了した後、養成講座に通ったのかの話をします。

それは・・・、

もう一度日本語教育を学びたかったから!!!

それだけです。

大学生の時に、日本語教師っていいなあって思ったのですが、新卒で日本語教師っていうのがどうも自信がなくて。

大学卒業したばかりの人間が日本語学校で留学生に教えることができるのかとても不安でした。

なので、社会人経験を少しした上で日本語教師になろうと思っていました。

そう思って社会人2年目だったかな?

当時働いていた会社がだんだんと嫌になってきて、それと同時に日本語教師になりたいという気持ちが再び強くなってきました。

この時点ですでに日本語学校で働くこともできたのですが、大学を卒業してから時間が経っていて、大学で学んだことをほとんど忘れていました。

その状態で働くのはやっぱり心配・・・。

よし!養成講座に通って、検定試験にも合格して、すべて満たした上で日本語教師になろう!!って思ったんです。

養成講座に通ったほうが、検定試験の勉強もできるし。

そしたらきっと就活になるだろう、アピールポイントになるだろう、と思いました。

大学と養成講座。

次は、どちらも経験した私が感じるそれぞれのメリットやデメリットを書いていきます。

大学で日本語教育を学ぶメリット

①日本語教育だけじゃないことを学べる

大学では日本語教育以外にも様々なことを学ぶことができます。

日本語教育が主専攻だとしても、日本語教育以外の科目を勉強することができるし、いろんな知識を学ぶことができます。

これ、日本語教育に関係ある?って内容も日本語教師になった後に役立つかもしれません。

私の主専攻は国際言語文化でした。

言語学と文学をそれぞれ学ぶみたいな。

副専攻なので、自分の主専攻の科目+日本語教育の科目で、副専攻を修了することができました。

文系学部学科ってやっぱり資格がないと就活などで弱いなあって思っていました。

それが3年生ぐらい。

今から教員免許なんてとれないし、しかも英語・・・。

ちょっとなあ・・・。

でもなにか資格をとって卒業したい。

ということで日本語教育の副専攻をとりました。

自分の主専攻で学んだ言語学の知識が、結果的に養成講座で学ぶ内容とリンクしていて、養成講座の学習がしやすかったのもメリットの1つですね。

これ、大学で勉強したやつだ!!ってうれしくなりましたね。

②自分で調べる・作る

養成講座のほとんどは座学・教壇実習が多いと思います。

しかし、大学では実際に自分たちで各国の日本語教育事情を調べて発表したり、漢字の教材を作ったりしました。

これは養成講座との大きな違いだと思います。

養成講座では漢字の教材は作らなかったはず・・・。

自分で教材を作ることで学生なりにどうやったら学習者が学びやすいかなど考えるきっかけになりました。

そしてワード・パワーポイントなどを使う機会も多かったので、日本語教師になった後、パソコン作業が苦ではありませんでした。

早いうちからパソコン作業に慣れることができるのもいいですね。

③教壇実習が気楽

気楽というと勘違いされるかもしれません。

決して「楽だ」というわけではありません。

大変ですよ!!

じゃあ何が気楽だというと自分の授業を見る見学者が自分と同じ学生だ、ということです。

養成講座だと様々な年齢層・経験をされた方々がいます。

当時私が養成講座に通っていた時は20代。

約20人ぐらいのクラスの中で、20代の受講生は私を含めて5人もいなかったと思います。いや、いたかな・・・。記憶が曖昧・・・。

人生の大先輩方ばかりでした。

そのような方々に見られながらやった教壇実習はとても緊張しました。

コメントは皆さん優しかったのですが、やっぱり年上の人たちに見られながらやる実習はドキドキでした。

それに比べて大学での実習は見学者は学生です。

自分と同年代の人達だけ。

その面で気が楽でしたね。

楽しくできました。(養成講座の実習が楽しくなかったわけではないです)

養成講座で日本語教育を学ぶメリット

①検定試験合格を見据えた勉強ができる

私が大学で学んだときは検定試験対策のような授業はありませんでした。

でも養成講座であれば、検定試験対策になるような授業もあったし、通常の授業とは別に対策クラスも開講されていたと思います。

検定試験に合格したい、という人は養成講座で学んだほうがいいと思います。

②日本語教育だけ考えればいい

大学で勉強するともちろん日本語教育以外のテストやレポートがあります。

単位をとらなければなりません。

でも養成講座であれば、すべて日本語教育の科目です。

その中でも難しい科目もありますが、日本語教育の勉強だけすればいいので他の勉強を考えなくていいです。

当たり前ですが・・・笑

私が養成講座に通っていた時は、養成講座は隣の県にあったので、バスや新幹線、電車で通っていました。

毎週末移動です。

それはそれで大変だったなあ。

でも自分が学びたいことを学べているので、苦ではありませんでした。

仕事のリフレッシュになっていましたね。

私と同じように養成講座は普段の仕事や学生生活のリフレッシュになる(かも)というのもメリットかもしれませんね。

③いろんな世代・経歴の人と一緒に学べる

大学では学生だけですが、養成講座だと本当にいろんな人がいます。

私が通っていた時は会社員・主婦・リタイアした元学校教員の方・学生・・・など様々な人がいました。

こういった普段は出会わないだろう人達と一緒に学んだりしたのもいい経験です。

日本語教育以外のいろんな話も聞けて楽しいし、教壇実習などのコメントの視点も様々で。

そういったことは大学ではなかなかできません。

いろんな人と学びたい、という人にとっては養成講座はおすすめです。

大学・養成講座のデメリット

最後にデメリットです。

比べて良い・悪いを書きたいわけではないので共通したデメリットを紹介して終わりにしたいと思います。

①時間がかかる

どちらで学んだとしても時間がかかります。

大学は4年。養成講座は早くても半年。

もっと早く修了できる養成講座もあると思いますが、そうすると働きながら養成講座に通うのは大変だと思います。

平日・土日、一日中通わないといけないし、テストの量も多いです。

早く日本語教師になって働きたい、という人にとっては検定試験合格が一番早いと思います。

合格する人は勉強期間数カ月、という人も中にはいますからね。

でも検定試験合格だけだと実習がありません。

いきなり就活で模擬授業をするとなるとハードルが高くなってしまうかもしれませんね。

なので、個人的には教壇実習ができる大学・養成講座で学んで資格をとったほうがいいとおもいます。

ただ、登録日本語教員になるとなると試験・実習どちらもありますから、どちらか一方を避けるというのはできなくなりますね。

②お金もかかる

時間と一緒にかかるのがお金です。

大学はもちろん、養成講座だとしても50万円以上はかかると思います。

私はローンを組んで払いました。

当時の私は一人暮らしだし、大学の奨学金も残ってたし、地方で働いているから給料もそんなによくない(ボーナスもおまけぐらいの金額)だったので、この出費は痛かったです。

でも、お金がなくて養成講座に通うか躊躇っている人もいるかと思いますが、そこは将来の自分への投資だと思ってローンを組んで頑張ってほしいなと思います。

どちらにせよ、日本語教員養成課程は要チェック

さて、ここまで私の経験を基にした大学で日本語教育・養成講座で日本語教育の話をしてきました。

ただ、私の経験がすべてではありません。

調べればいろんな人の経験談などがいろいろ出てくると思います。

ぜひ、いろいろ調べてみてください。

そして今後大事になってくるのは「登録日本語教員の資格取得に係る経過措置における日本語教員養成課程等の確認について」です。

大学・養成講座の中には登録日本語教員になるための日本語教員養成課程等じゃない学校・養成講座もあります。

入学・講座を始めた後に、「この学校・養成講座、対象じゃないじゃん!!!」ってならないように確認してみてください。

文部科学省のHPにあります。


必須の教育内容50項目に対応した日本語教員養成課程等の一覧

https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/94040601_01.pdf


平成12年報告に対応した日本語教員養成課程等の一覧

https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/94040601_02.pdf

どちらによるかであのルートが変わります。


登録日本語教員の登録等について (新たに日本語教員になろうとする方(現職者以外の方)向け)
画像をクリックでPDFデータを見ることができます


登録日本語教員の 登録申請の手引き 
画像をクリックでPDFデータを見ることができます 


皆さんの状況にあった資格をとることができるといいですね。

では、長くなってしまいましたが最後まで読んでいただきありがとうございました!!


サポートしていただけるととてもうれしいです! これからも引き続きいい投稿ができるよう頑張ります!