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カナダ留学日記 授業:英語

私は留学生なので、週に1回の英語の授業がある。随分前に英語の授業のためのレベル分けテストの話を書いたと思うのだが、あれのクラスである。レベルは1〜4に分かれていて、大体の留学生は卒業までにこのレベル4のクラスを履修しなくてはいけない。学期は全部で4つなので、レベル1からスタートした場合、1学期でも単位を落としたら卒業ができなくなる。
私はレベル3からのスタートであったので、実はこの2学期でレベル4のクラスを終えてしまった。これで英語のクラスによる卒業の危機は回避である。

このコースは全部で3つのプロジェクトに分かれていて、それぞれスモールステップで課題をこなしていくのでとてもやりやすかった。
第1週〜第6週:プロジェクト1 批評エッセイ
第7週〜第11週:プロジェクト2 批評&リサーチエッセイ
第12週〜13週:プロジェクト3 プレゼンテーション
第14週:振り返り

という構成である。

ちなみにこの課題たちはほとんどホームワークとしてやらなくてはいけなかった。授業を受けて、それから次の授業までの間にエッセイの導入を作って提出、次の授業までにアウトラインを提出、次の授業までにドラフトを提出、と言った感じである。授業時間は一回につき3時間。長い!この3時間の間、何をやっているのか、というと、基本的には文法の勉強である。カレッジに入る前は、それこそ文法の勉強をしっかりとやっていたわけだが、カレッジに入ってからはそれどころではなくなってしまった。だから、この週一回の文法の授業はありがたかった。文法の勉強はゲーム形式のグループワークでやることが多く、そのおかげでクラスメイトとたくさん交流することができた。この先生、授業作りが上手だな〜と思うことが多々あった。私も9月からは日本語学校で日本語を教える身である。この教授の授業作りを参考にしたいと思う。色々な点で学びの多いクラスであった。

この教授は人がらもとてもいい人で、親日家であった。私がクラス唯一の日本人なのもあって、色々日本語で話しかけてくれたり日本の話題を出してくれたりと仲良くしてくれた。教授はギリシャ系カナダ人で、両親がギリシャからの移民である。時折してくれたギリシャ話も面白かった。


①批評エッセイ

さて、私は語学学校のパスウェイ(カレッジ入学のためのクラス)でリサーチエッセイの勉強はたくさんやった。しかし、この批評エッセイは初めてであった。批評エッセイとは、テーマ記事を決めて、それについての批評を行うエッセイである。テーマ記事をしっかりと読んで理解し、ここは良い、ここは良くない、と言ったようなことを書いていくわけだ。
批評する基準は、

Currency:今現在使えるか、古くないか
Relevance:テーマに関連性があるか
Authority:権威、後ろ盾になる証明等があるか
Accuracy:正確か
Purpose:目的を達成できているか

日本語に直そうとすると難しいな・・・

私のテーマはZ世代のメンタルヘルスについての記事だった。
権威を持ち出しすぎじゃないか?データの読み取り方が不正確でないか?というような点で批評した。

教授は丁寧にコメントして添削してくれた
ありがたい


②批評リサーチエッセイ

これも初めてのエッセイであった。何をするエッセイなのか話が見えず、授業の後に教授にめちゃくちゃ質問をしてしまった。基本的には批評エッセイの枠組みなのだが、批評する点についてのリサーチをしなくてはいけない。私が選んだテーマ記事は中国系カナダ人が、自分の第一言語は英語でペラペラだったのに、幼少期にESL(英語クラス)に通うことを強要された経験について書かれたものだ。

これを書くために、3つの批評点を出さなくてはいけないのだが、その自分の批評をサポートするための資料を見つけてこなくてはいけなかった。この、リサーチの部分がとても大変だった・・・・・・・1日中Google Scholarを使って資料を読みまくった。パスウェイを受けている時にもやったことなので、やり方は知っていたのだが、なんせ時間がなかった。他のクラスの課題もたくさん出ていて、しかも私はバイトをしていたので、週末は本当に家にこもってずっとiPadを使っていた。

③プレゼンテーション
これは単純に、ただのプレゼンテーションである。②の批評リサーチエッセイのテーマで3分間のプレゼンテーションをする。準備期間が1週間のため当然グループではなく個人プレゼンテーションである。2学期の期末時期は、8クラス中7クラスでプレゼンテーションをしなくてはいけなかったのだが、これが一番楽なプレゼンテーションであった。

私のテーマは②から派生させて「バイリンガル、マルチリンガルのメリット」である。マルチリンガルなんてメリットしかないじゃん!という感じだが、マルチリンガルになるまでに、子供達は結構苦労をするものである。(らしい)
私は現在日本語学校でボランティアをしているが、基本的に子供クラスの生徒は親の希望で学校に通っている。彼らの第一言語は英語であり、学校で習う第二言語がフランス語である。それだけでもすごいなあ!と思うのに、さらに土曜日に日本語を勉強するわけだ。クラスメイトは土曜日は遊んでいるのに!なんで自分だけ日本語!?と不満に思う子供も少なくない。親からすれば「将来役立つから!あなたのため!私の故郷の言語もついでほしい!」となるが、子供にしてみればそれは親のエゴである。実際、大きくなってから「子供の時はもっと遊びたかったのに!」と文句を言う子も多いらしい。「私が子供を産んだら、絶対に日本語学校には通わせない!」と。
反面、「英語だけでいいよ!日本語なんて将来使えないしね!」と教育された子供が大きくなると「お母さんは日本人なのに、私に日本語を教えてくれなかった!子供の時から教えてくれたら今頃ペラペラで日本のアニメを楽しめたのに!」と文句を言われるそうである。それで、「私の子供には日本語を学ぶ機会を与えてあげよう!」となる。ループである。

そういう私が日本語学校で聞いた生の経験談を交えてプレゼンテーションをしたら、案外盛り上がった。クラスメイトは全員留学生で、教授もギリシャ語と英語、フランス語のバイリンガルである。母国語以外を勉強する大変さと、そのメリットについては全員が理解している。スライドを作っていた時は、こんな当たり前の(観客に発見や気づきのない)テーマにしてしまって失敗したな〜と後悔したが、案外楽しんで聞いてもらえたのでよかった。やはり私はプレゼンテーションが好きである。


し、シンプルすぎる
一応教授からもらったサンプルに沿って作ってある

制限時間3分で、スライドの枚数は5枚と決められていたので、本当にシンプルに作るしかなかった。


エッセイ作りは大変ではあったが、なんだかんだで楽しいクラスだった。教授のことがとても好きになっていたので、最終週の授業で話た時は寂しくなって泣きそうになってしまった。またどこかでお会いできる機会があれば良いのだが・・・



おまけ

ある時、教授が「ギリシャのデザートを食べたことがあるか?」と聞かれた。「ない」と答えると、トロントにあるギリシャのカフェを教えてくれた。
「いつかこのデザート(名前は忘れてしまった)を食べてみてくれ、絶対に後悔はさせない。万が一不味かったら僕が君に返金する」とまで言われたら行くしかない。私は食いしん坊なのでどんなに忙しくても食べ物に関しては全力を尽くすのである。

カフェ
この辺はリトルギリシャというエリアらしい
名前を忘れてしまって申し訳ない。
サクサクしっとりで美味しかった!



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