推し事との距離感

私は男性アイドルを推している。

推していた、が正しいかもしれない。

(以前書いたアイドルグループとは今回別のグループ)

そのアイドルは、元々別の大所帯グループで活動していたがとある事情により解散を余儀なくされた。そしてその子は現在ソロで活動している。

解散前には出来なかった種類の仕事がソロになった途端増え(これは同じ元グループのメンバーも同様)、活動の場は広がった。前はファン以外の目に留まる機会は少なかったが今では一般の方も目にする機会があるほどになっている。

それはとても嬉しいと同時に、解散前には出来なかったという点が私の中で少しモヤっとして残っていた。

そして、そのアイドルは元グループの時とはソロになったことにより少し見え方が変わった。前は年上、年下がいて年下が多かったこともあり兄貴的な立ち位置でよく年下の子を可愛がっているのを見かけた。私はその姿が大好きだった。

けれど、今はソロでの活動。周りにメンバーはいない。スタッフさんはいるが年上なのか、弟のような振る舞いをすることが増えた。元々弟気質であると言われてはいた子ではあるけど、私が初めて見て、ソロ活動までの期間ずっと目にしていたのは兄貴的な立ち振る舞う姿だった。しかし今はスタッフに甘えるような、ファンにいじられて拗ねるような、甘えたの末っ子のような姿だ。私の大好きだった兄貴的な姿はなかった。

ここでもその姿を見て私の中で少しモヤモヤした気持ちが膨らんだ。それでも、SNSではその子のファンは可愛い!かっこいい!と大絶賛だ。だから、私のこの気持ちがおかしいのだと感じた。それでモヤモヤした気持ちは蓋をして心の奥へ隠してなんともないように、私も可愛い!とSNSで投稿していた。

今考えるとこの時点で色々ダメだった。

その後も似たようなことが何度かあり、周りのファンと私の中での認識の違い、温度差がどんどん浮き彫りになっていく。表面上は同調していたため気付く人はいなかったとは思う。しかし同調するたびに胸がぎゅっとするような、どこか違和感は抱えたままで息苦しさが増していった。

好きなはずなのにどうしてなんだ?

なんでソロになった姿を見てしんどくなるんだ?


つい最近までずっとそのことを考えていた。

好きなはずなのに、大好きなはずなのにどうして、どうして?

それで少しSNSを離れた。とは言っても完璧に離れたわけでなく、隔離したアカウントにこもったようなだけだ。これで少しは落ち着いて前みたいにきっと推せる、周りの人たちみたいに今の姿も好きだと思える。きっとそうなると思っていた。

しかし現実はそうはならなかった。隔離していたとはいえ、情報は気になって見てしまう性格だったこと、元々繋がっていた一部の方と隔離アカウントでも繋がっていたこと。この2点からしんどさは全く変わることはなかった。むしろ日増しにもっと増していくだけだった。モヤモヤした気持ちも、今になって思うとこの時には倍に膨らんで破裂寸前だった。

本当にどうしたらいいんだ?なんでだ?と悩んでも分からなかった。

そこで、思い切ってアカウントを削除することにした。

気になって見てしまう点は残るけど、周りの人の全肯定意見は目にすることはない。すると削除した後、気になって見てしまう、検索してしまう頻度は格段に減った。

そしてモヤモヤしていた気持ちは少し薄れていった。

そうして私は推し事から距離を取ることを決めた。(別沼があるため、この推し事、推し関連のみ)


改めて考えると、私は元グループの時からこの子と別に最推しがいた。最推しは解散後の今でも大好きに変わりはない。グループ時より追う気力が薄れたり、時々供給に喜んで気持ちが上がったり変動はあるが、根底の推しが好きな気持ちは変わらなかった。だからここで書いた距離をとることに決めた推しは好きではあったけど、それは○○のグループだったその子であって、ソロとしてのその子では無かった。その子自身が好きだったとは言えないのかもしれない。ただ、メンバーがいて兄貴的なその子が好きなだけだったのかもしれない。 

それでも元グループの時は推し事が楽しくて楽しくて、しんどいことも沢山あったけど楽しい気持ちの方が強かったから感謝している。