5歳 ゴルフを辞める話
私には子どもが2人いる。
長女には可能性の探求という名目でおびただしいほど習い事をさせてきたが、なぜかゴルフだけは未経験だったので試しに息子を教室に突っ込ませてみた。
私にとっても初ゴルフ。
しかし、5歳の息子には合わなかったみたいだ。
今日で半年続けた教室を退会するので、その話をしようと思う。
プレ・ゴールデンエイジ
ゴールデンエイジとは、9歳〜12歳までの時期を指し、一生のうちで最も運動神経を良くすることができる。
その前の時期にあたる4~8歳ごろは神経回路が80%まで形成され、急激な成長を迎えるんだ。
運動能力の基礎が築かれるこの時期をどう過ごすか。
親が何を選択し、与えられるか。
また、4歳ぐらいからずっと続けていた習い事はプロになれる確率が高まる。
だから実際に子どもの大会で好成績を残してアメリカに試合しに行った友人の話を聞いたり、幼児期から始めてプロになった人の話をきいて試しにゴルフをやらせてみたんだ。
おすすめクラブセット
幼稚園児からゴルフをしている人は少ない。
そもそも少ない中、わざわざ大会にまで出る人はさらに少ないから、競争倍率がとても低く高順位を狙いやすい。
なんてお得なスポーツなのか!と胸がときめき、1月あたりにエントリーできる親子大会に出場することを目標にしてクラブセットを買ってみたんだ。
ポケモンゴルフセットはとてもおすすめだ。
Amazonで2万5千円くらいで買える。
見た目もとってもキュートでやる気がぐんぐんあがる。
持ち手やボールが当たる側面にアシストでモンスターボールが描いてあったりして、配慮が完璧だったよ。
男児✖️棒
私はすっかり忘れていたんだ。
4歳男児と棒の組み合わせがいかに危険かということを。
剣に見立てて戦いごっこをしたくなる。
思いっきり床にドライバーを打ち付けたくなる。
うちの子だけかもしれないが、いうことを聞かず、ふざけることを楽しみとする狂気に凶器を持たせてはいけない。
そして、ボールに擦りもしない。
それ、野球じゃない?みたいなフォームでぶんぶんする。
親でも近づけないくらい振り回していてこわい。
4歳にとっては、小さなボールに長い棒の先を当てることは、目隠しで針の穴に糸を通すくらい難しい。
初めてボールと対峙した時、ヤル気満々なのに現実が酷すぎたため、早くも本人の心が折れたんだ。
そもそもドライバーを振るための腕の筋肉が育ってない。
だから肘が曲がる。
真横に棒を上げる練習もしようか。
走り回れないのもつらい。
そして、私や大人がサポートをするために背後に回って一緒にボールを打つんだ。
中腰で。
キツイ。
コーチ「腰、やられますよね」
できない、当たらない、フォームなおされる、素振りする。
できない、当たらない、フォームなおされる、素振りする。
もう息子は完全に嫌になっていた。
なるほど、幼児の競技人口が少ないわけだ。
6ヶ月後
さて。
回数を重ねるごとに、少しずつゴルフボールに当たるようになった。
フォームは変だが、一応、前にボールが飛ぶ。
それでも、やっぱりゴルフがイヤになってしまったみたいだ。
末期には習い事の時間の大半をソファでくつろぎ、気が向いたら参戦する。
なぜか親のゴルフ練習タイムとなった。
「ぼく、いつ辞めるの?」と聞かれた時は、この子に合わなかったんだなぁと実感した。
退会を申し込んだ。
やる気
好きなことをやらせるのが一番いい。
長女を育てた時に、そう思ったんだ。
嫌いなことでも、3年くらい続ければきっと上達して、あの時辞めなくてよかったってなるものと思ってたけど、実際はそうではない。
現実は違うことを長女で学んだ。
個性のように特性があって、合ってる子はメキメキ上達してもっとやりたいもっとやりたいってなる。
そして、あっという間に誰も追いつけなくなるところまで行くんだ。
例えば、足をぶらぶらさせて鼻歌を歌いながら、何十桁の暗算をこなすそろばん教室の同期とか
日本棋院や碁会所で毎日のように囲碁を打つあの子とか
サピックスで難なくαクラスに居続ける子とか
英語でYouTubeを永遠と観ることを遊びのようにしてる子とか。
好きじゃないと続かないだろう。
嫌なことを親の力で無理やりさせても、何のいいこともない。
うちの息子はプールと体操とサッカーは楽しそうに取り組んでる。
そっちを応援しよう。
向いてなさそうならサクッと諦めることは肝心だ。
でも、もしもニッチな習い事が子どもに上手くフィットしたのなら、人生の財産になるかもしれないね。
ちなみに、ゴルフで伸びた子は1日に300球を打っているらしい。
すごいなぁ。
長女の時に抱いていた親の狂気は、もう私には残ってなさそうだ。
どんなに息子が悪態をついても笑顔で教えてくださったコーチに感謝です。
流石紳士のスポーツだなぁ。
もしまた何かのきっかけでやりたい気持ちが芽生えたら、教室でお世話になろうと思う。
ありがとうございました。
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