「個人」「チーム」「会社」の目標と目的を言語化し、組織の力を最大化!a-works流「OKR運用」
経営企画の岩本です。さっそくですが本記事では、2023年8月より全社で取り組んでいる「OKR」について紹介したいと思います。
OKRとは「Objectives and Key Results(目標と主要な結果)」の略称で、企業やチーム、個人が向かうべき方向とやるべきことを明確にするためのフレームワークです。何をやりたいのか(Objective=目的)と、その目的が達成できたかどうかを測るための主要な指標(Key Results)を設定します。
OKRの解説記事は世の中にたくさんあるので詳しくはそちらを参照いただくとして…本記事ではa-worksがOKRを導入した背景と、導入からこれまでの取り組みを振り返ってみたいと思います。
a-worksが改めてOKRに取り組む理由
実はa-worksがOKRを取り入れるのは今回が二度目。2019年に一度導入したものの、残念ながら定着しなかったという経緯があります。
当時うまくいかなかった理由を振り返ってみると、会社の実情と変化スピードに合わせた運用ができていなかったから…だと思います。例えば、最初の目標設定時に時間をかけ“すぎてしまった”ことで、その目標が絶対的な存在だと捉えてしまったり、定期的に目標を見直す機会が設けられず、結果的に「なんだかこの目標は古いよね」「現状に即してないよね」となってしまったり。
また、OKRの解説記事でもよく言及されていることですが、目標管理やパフォーマンス測定に用いられる指標であるKPIとの違いを明確化しきれていなかった、という反省も。OKRを頻繁に見直しできていなかったこともあり、KPI的な最新の数字目標を別で立ててしまい、結局KPIの方を重視することで、OKRがだんだん形骸化してしまいました。
そうした過去を踏まえて、なぜ再びOKRの取り組みを決めたのか。その背景には「組織としての力を最大化したい」との思いがありました。
a-worksでは常に事業や組織を柔軟に変化させ続けており、特にここ数年は非常にいい状態を継続できていると自負しています。同時に、経営会議やリーダー会議では「全社を挙げてもっと事業に向き合える環境をつくり、変化スピードを上げていくにはどうしたらいいか」といった議論を常に交わしており、それを実現すべく出てきたひとつの手法がOKRでした。
経営ダッシュボードの構築+OODAループを意識した運用
a-worksは現在、大きく8つのチーム(部署)に分かれています。各チームがそれぞれの強みを持って事業に打ち込み、成果につながる体制を築いてきたものの、2023年当時、他のチームの動向が見えづらいという課題がありました。現在の組織体制において各チームや個人の目標・成果について発信・理解し合うにはどのような方法がいいだろうかとイメージしたときに、今こそOKRがフィットするのではと考えたのです。
加えて、OKR運用の準備と同時に着手したのが「経営ダッシュボード」の構築です。もともと数年前より会社の財務状況や事業計画などほとんどの情報は社内で開示されている状態だったのですが、そこから一歩進んで、組織運営やビジョン、戦略など会社にまつわるすべてを経営ダッシュボードとしてひとつのスプレッドシートにまとめ、全メンバーがいつでも見られるようにしています。
経営ダッシュボードには「全社」「チーム」「個人」のそれぞれのOKRが記録されており、全社員が最新のOKRの定義と進捗をいつでも確認できるようになっています。それらを全社公開することで、OKR運用で大切とされる「アラインメント(※個人の目標と全社の目標を紐づけること)」を強め、全社での組織力向上を目指しています。
この経営ダッシュボードは、社長からの「みんなで見られるスコアボードみたいなものがほしいね」というひとことから生まれました。経営ダッシュボードの構築により、これまで以上に「会社がどこに向かっているのか」「他のメンバーが何をしているのか」を把握できるようになりましたし、これらの情報共有は、個々のリーダーシップにもポジティブな影響を与えていると思います。知らなければそもそも疑問は生まれませんし、目標設定や改善提案もできません。
事実から仮説を立て、素早く判断し行動に移す「OODAループ」
また、今回OKR運用にあたって意識しているのが「OODA(ウーダ)ループ」です。
PDCAサイクルはよく知られた手法ですが、工場における品質改善など、決まったゴールへの中長期的改善をおこなうフォーマットとしては適しているものの、想定外の事態への対応にはあまり適していません。一方OODAループとは、戦場における意思決定など、変化が激しい際の思考法として生み出された手法。変化し続けるa-worksの社風にも、物事の不確実性が高く将来の予想が困難な今の時代にも合っていると考えています。
変化が激しい現代において、「同じ目標が理想的とされる状態」が半年後も続くとは限りません。特にデジタルマーケティング業界は市場や消費者の変化が大きく、中小企業であるa-worksにおいては、メンバーやクライアントの状態がOKRの前提に大きな影響を与えることも。OODAループを意識することによって、OKRの進捗確認と同時に、設定そのものに対しても「もっといいものはないか?」と考え続けることが可能になります。
a-worksではOKRを「常にβ版」と位置づけており、OKRの見直し目安としては「全社OKRは3〜6ヶ月ごと」「チームOKRは3ヶ月ごと」「個人OKRは2〜4週ごと」を推奨しています。(※必ず変えなければいけないというルールではない)
ちなみに、OKRの目標は達成確率が60〜70%くらいの高さがいいとされています。「今のままでは達成できないかもしれないけれど、やり方を工夫したり成長することで達成できるかもしれない」と思えるレベルが理想的。また、目標の定義も大切です。目標には、問題あり(Bad)の状態から問題なし(Good)の状態に持っていく「ギャップアプローチ」と、問題がない状態(Good)からさらなる理想(Great)をめざす「ポジティブアプローチ」の2種類があります。a-worksでは「関わる人の人生の意義を高める」を経営目的として掲げており、目的に対して圧倒的な成果で応えることを大切にしているため、「Good→Great」こそが必要なマインドセットだと捉えています。とはいえこれらの目標設定は重要だからこそ難しく「OKRの運用には正解がない」と言われる所以でもあるのですが、難しいからこそ、みなで考えて切磋琢磨し合う文化を持つa-worksにマッチしているのではないかと思っています。
現在は、月に一度の「納会」で経営ダッシュボードを見ながら前月の振り返りと次月の目標を確認するとともに、個人OKRを振り返るワークショップの時間を設けています。この取り組みを始めて10ヶ月ほどになりますが、定期的に自分のOKRを見直すことで「今なにをすべきか」を見つけやすくなったように感じます。
また、OKRは「本当に目指したい姿」を視覚化することが一番の目的なので、目標設定については言葉遣いや細かい言い回しにこだわりすぎず、数値での定量化は可能な範囲にとどめるよう意識しています。とはいえ、OKR運用についても今まさに「走りながら考え、都度アジャストしている」状態。1年後には現在の運用内容がまったく変わっているかもしれませんが、それもまた楽しみです。
組織としての力を最大化し、個々人がワクワクしながら働く環境を当たり前のものに
先ほども触れたように、OKR導入の一番の目的は「組織としての力を最大化する」ことにあります。中小企業という限られたリソースのなかですべてをやろうとしてしまうと、力が分散してしまい、結果、何も達成できなかった…という状態に陥ってしまうことも。会社として、チームとして、個人として「何を達成したいのか」を言語化し、共有することは、日々の仕事の「選択と集中」にもつながります。
また、「全社OKR」「チームOKR」「個人OKR」は紐づいて影響し合うため、「会社としてこれをやる」→「その目的のためにチームとしてはこれをやる」→「その目的のために個人としてはこれをやりたい」といったトップダウンの影響だけでなく、「個人目標としてチームにこのように貢献したい」→「それが実現するならばチームとしてもここまでできるはず」→「会社の目標を押し上げる」といったボトムアップの影響も可能です。
今後も工夫を重ねながらOKR運用を継続し、「会社として一丸となって同じ方向に進むことができる」「個人が主体的に仕事に向きあうことができる」といった状態を高めていくことがまずはめざしたい姿です。そして、「コンフォートゾーンを超えた本当にやりたいことに向かうことができる」「ワクワクしながら働くことができる」という環境を当たり前のものにしたい、と思っています。ノルマとしてやらなければならないと感じる職場は働いていてしんどいですし、低いレベルの目標では工夫や努力の余地がなく、つまらない。「こんな未来が待っているならいいな!」と思える目標に対して、どうやったら達成できるのか工夫しながら進むほうがきっと楽しいはず。興味を持ってくれた方はぜひ一度お話しましょう!
求人について詳しくは【a-worksの働き方を紹介したページ】や【募集職種一覧】をご覧ください。
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