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ほしい暮らしは自分でつくる!その③〜公務員のキャリアデザイン


キャリアデザイン研修への登壇依頼


ある日、業務中に鳴った一本の電話。

「人事課人材育成担当の〇〇です。若手職員を対象にした『キャリアデザイン研修』を予定していて、その中で先輩たちの座談会をやるので、あおいさんに参加してほしいんです」

1〜4年目の職員を対象にした、キャリアの描き方や仕事への取り組み方について学ぶ4時間程度の研修の中で、先輩職員5名と研修講師によるパネルディスカッションを行う、というもの。
その5名の中に選んでもらいました。

前回「公務員の副業」について、私が実際に行った兼業申請の流れを書きました。
(たくさんの「スキ」ありがとうございます!この投稿で、別の自治体の方からお問い合わせまで頂きました!嬉しい〜)

兼業申請書は人事課に提出するので、「なんかおもしろいことやってる人だな」ということは知られていたと思います。

他のパネリストを見ると、係長級、民間企業経験者、子育て中の方などがいて、前職の経験の活かし方、家庭との両立などがテーマとして期待されているんだと感じました。

そんな中のあたくしは、大卒ストレートで公務員に。そして絶賛独身謳歌中。
おそらく、既成概念にとらわれずに好き勝手やっている『はみだし枠』で採用されたのだと解釈して(笑)、オファーを快諾しました。

パネルディスカッションのテーマが、以下の3つ。

①自分の働きがいは?今後どう働いていきたいか?
②今の働き方につながるきっかけ、できごと
③研修生に伝えたいひとことアドバイス

でした。
順番に、私がお話したことを紹介します。

自分の働きがいは?今後どう働いていきたいか?

私にとってやりがいを感じる瞬間は
自分の成長を感じるとき
(新しい視点が入った、視野が広がったなど)
区民の方や事業者の方と上手くコミュニケーションがとれたとき
(机上ではわからない現場の声が聞けると、自治体職員としてのやりがいを感じます)

こういったやりがいを感じる瞬間を増やすために、日々勉強しながら働いていきたいですね。

今の働き方につながるきっかけ、できごと


自分の思うような働き方ができず、モヤモヤしていたのを、周りのせいにしていたときがあります。「同僚の○○さんがあーだから」「係長がこーだから」「区の風土が悪いから」と。
でもそう嘆いたところで、現状は変わらないことに気づいて。相手を変えることなんてできない、変えられるのは自分しかいない。
そう気づいてからは、だいぶ楽になりました。

そして(転職を考えたこともありましたが)←これは人事に止められて言ってない(笑)
私はやっぱり公務員の仕事が好き、楽しく働き続けるにはどうしたらいいかを考えて、NPO法人に入会。
社会人になってジムに行ったり料理教室行ったり、趣味で満たそうとしていましたが何か違う。意識高い系って思われるの恥ずかしい。でも私はやっぱり学びがほしかったんだ。学びが楽しくて好きなんだ。
自分で身にまとった鎧を脱いだら、モヤモヤしていた心が満たされました。

研修生に伝えたいひとことアドバイス

今後のキャリアを考えていく上では、まず「自分がどう生きていきたいか」を考えることがスタート。仕事に重きを置くか?プライベートに重きを置くか?どちらもとりたいか?何でもいいです。
大切なのは、自分がどうしたいか、に向き合うこと。「自分は何をしているときが楽しいか」も大切にしてあげてください
そしてそれがわかったら、何でもトライして、「動きながら考える」をしてみてください

これからの公務員のキャリアデザイン


予想だにしていなかったできごとが突然に起こる現代。これまで当然だった価値観が根底からくつがえり、豊かさや幸せが外部のものさしで測りづらくなり、自分の中に求めようとする時代になっています。

避けられない少子高齢化、過疎地域の衰退、深刻な地域課題に直面する公務員たち。
地域住民の暮らしも多様化し、対応に追われる公務員たち。
公務員が安定なんて言われていた時代は、もう終わりを迎えているように思います。
若手職員の離職が増加傾向にあることも、それを象徴しているように思います。

公務員の仕事は、法律などの規定に基づいて、暮らしを支える仕組みを作ること。

人が豊かさや幸福を感じながら暮らせる仕組みづくりを進めるには、まず公務員自身が幸せであることが重要だと思います。
公務員自身が好きなことをやり、自分の求める暮らしを自分で作り出すこと。「ほしい暮らしは自分でつくる」です。そしてそれを自分に許すこと。「公務員だからできない」は本当か?限界を作り出しているのは自分なのかもしれません。

それができたら、できてないとしても大丈夫、机で頭と口ばかり動かしてないで、手と足を動かしてまちへ繰り出すことが大事かなぁと思います。
手は、お金をお財布から出すために動かす。
足は、観たい景色を観るために、会いたい人に会うために動かす。
好きだなぁ、素敵だなぁ、応援したい、多くの人に広まってほしいと感じるものにお金を使うこと。それは自分で稼いだお金を使う。

私は一年前あたりから色んなまちに行って視察を重ねてきまして、交通費や宿泊費など結構な出費も多々ありました(笑)
でも、1円も公費は使っていません。職場の補助ももらってません。すべて自費で賄ってます。
だからこそ、好きにやれる。それくらいの覚悟があってはじめて、欲しいものは手に入るのではと思うからです。

ここまで行くと、地域の方や内部の職員にも共感をもらって理解を得やすくなる。人を巻き込むこともできるようになる。「やりたい」と発信すると協力してくれる人が出てくる。そうやって、ほしい暮らしをつくることができるという、好循環になっていくのではと思います。

これからの公務員のキャリアデザイン。
まず自分でほしい暮らしを小さくつくる。
まちへ飛び出して人と関わりながら、一緒に大きな暮らしをつくる。

これができる公務員が増えたら、この国は、この国の人たちはもっと心が豊かになれるんじゃないか。
そしたら私が安心していつまでもこの国で暮らせる。
そうなってほしいから私は発信を続ける。

私利私欲は究極のパブリックになる。
まずは自分から。

おしまい

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