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それは少し、歪なカタチをしていた。

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あんたの恋愛は、本になる。と昔から友達に言われてきた話は、本当に本になるのか。愛おしき、ヘンな男たちの物語。
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2016年5月の記事一覧

神様、おなかが空きました。

「好きな食べものは?」と聞かれたら、

「好きな人と食べる食べもの」と答える。

食べることが苦手な時期が長かった私にとって、

食べもの自体は、あまり重要でなかったりする。

もちろん、今となっては

おいしいものにも惹かれるけれど

そのおいしいものを「誰と食べるか?」が何より大切で。

「おいしいね」と言ったら、

「おいしいね」と返ってくる。

それがいちばんの幸せだと本気で思うし、

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一泊、添い寝、朝食付き。

ごはんの炊ける匂いで、目を覚ます。

これ以上のしあわせを、私は知らない。

米粒が、ごはんになるまでの数分間。

そこには甘くて、ふわふわとした、愛おしい空気が流れる。

キッチンに立っているのは、母でも、父でも、彼氏でもない。

ただの友達だ。

ただ一緒に眠って、ただ朝を迎えるだけの男友達。

背が高く、ホリの深い顔立ちで、女性の扱いにも慣れている。

いわゆる肉食系男子と呼ばれる彼とは、過

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