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スプーンとフォークのお話。

コップの話をしてきたので、その流れで家で使っている食器についてのお話をしようと思います。

3年前に一人暮らしを始めたとき、生活に必要なものをいろいろと買い揃えたのですが、学生の時とは違って少しお金を持っていたので、ただ安いものではなくてなるべく好きなもの買うことにしました。

一から全て揃えたので食器も買ったわけですが、その中のスプーンとフォークのお話です。

僕が買ったのは、柳宗理さんのカトラリーです。

柳宗理さんは日本を代表するプロダクトデザイナー。カトラリーの他にもボウル、鍋、フライパン...様々なキッチンツールをデザインしています。もちろんそれ以外のものもたくさん・・・

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独特なフォルム。僕はとてもかわいらしいと思うのですが、どうでしょうか?

特にフォーク

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こちらは無印良品のもの

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無印のものがかわいくないという意味では、ありませんが・・・

実は、最初に買ったのは無印良品のものでした。柳宗理のフォークは使いづらいんじゃないかと思っていたのです。なので買ったのは最近でした。

実際使ってみて、パスタなどは無印良品のスタンダードなフォークの方が向いているかもしれませんが、そこまで気になるほど使いづらいということはありませんでした。

このフォークとスプーンの形状のかわいさは、見ての通り丸みのデザインの仕方かなと思います。スプーンはそもそも丸いものですが先端の方に重心がある円になっているし、尖っているフォークにも柔らかさを感じる丸みがデザインされています。

この形について、かわいいという感覚はとても重要だなと思っています。

建築(デザイン)をやっている人の間で、かっこいいやかわいいなどの言葉は、とても感覚的な言葉で、その理由もなしに軽々と発しようものなら・・・というところですが・・・かわいいと思う原因は深く分析すれば様々にあるのだと思いますが第一感で感覚的にかわいいと感じることができるデザインはすごいと思います。

以前、奈良美智さんの美術館N’YARDを訪れたときに思ったことなのですが、奈良さんが描く女の子の絵を見て回っている時に、、、独特な女の子の絵だけど・・・なんかかわいいな!と思ったことがあります。

このなんかかわいいという感覚はどこからきてるのだろうとその場で考えたのは、女の子の顔の輪郭の丸みや大きな目にあるのかなと思いました。

この丸みや目・・・猫っぽい!

猫もコタツで丸くなりますね!・・・それはともかく

何かデザインをするときによくあるのは女性の身体の曲線をデザインの中に取り込むことで美しいものを作っている例です。万人共通の認識としてのかわいい(美しい)と言える猫や女性の柔らかさ、そういった形を取り入れるとうまい丸みのデザインになるのでしょうか?

僕も建築設計の中で円や丸みというものを使おうと考えたことはありますが、ピシッと決まらず描いてはみるものの計画の段階で消えていくことの方が多いです。ましてやかわいさを表現できたことなどないのが正直なところ・・・

そもそも建築の現場では、円は施工しづらく敬遠されがちですが、本当にうまい人が使うと空間の中に柔らかさが生まれます。僕も丸みについてもう少し勉強して使いこなせるようにしたいと思います。

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