今年、いちばんタメになった本<小説の書き方>
『たった独りのための小説教室』花村萬月さん
『書きたい人のためのミステリ入門』 新井久幸さん
『たった独りのための小説教室』
年の瀬に一週間ほど掛けて少しずつ読みました。
・説明と描写 ⇒描写の重要性
・テーマとモチーフ ⇒テーマの重要性
・飛び箱を飛ぶ
・比喩は基本、使わない。陳腐な比喩を使ってないか?
など、今さらながら胸に響いた内容、言葉が多かったです。
振り替えれば、むかしむかし「笑う山崎」を読んだ時の衝撃は凄まじかったのです。
ああ、この人は小説の神様に愛されていると羨ましく思いました。
小説の書き方なんか自分で考えろ、と言いそうな人だと思っていたら、いろんな新人賞の選考委員をされて驚いたものです。
そんな花村さんの小説指南本。
第一講で、タイトルの意味を知ってニヤリ。
・新人作家の心得
・エンタメ作家の心構え
ときて、ああ花村さんらしいと嬉しくなりました。
脱線もまた楽しくて。
花村さんの『小説現代新人賞』の選考を読んでは、ドキッとしたり、ハラハラしたりしたものです。
その頃のことを懐かしく思い出しました。
難病と戦いつつ、好きな小説を書いておられる花村さんの新作を読もうと思いました。
『書きたい人のためのミステリ入門』
こちらはもう何年も前から再読を繰り返しています。
そのたびに著者の言っていることが「ああ、このことだったのか」と
理解が深まる気がします。
強く打てば強く響く、ということだと思います。
今回の再読は、自分の小説が正しいのかどうかの答え合わせをするような
つもりで取り組みました。
・謎は美しいか
・読者にフェアに書いているか
・犯人と探偵役の関係は
・伏線の張り方は
二冊とも、今、自分が書いている小説と比べて答え合わせをする感じで読みました。
著者の紹介したテーマを自分はどう書いているかチェックするのです。
小説指南本にはこういう楽しみ方もあるのですね。
※花村さんはわざとあおるようなことを仰るので、その言葉を鵜呑みにするわけではなく、よく咀嚼した方が良いと思います。
小説を書くことを目指す人よりも、ひとつでもいいから小説を書いたことがある人が読んだ方が、より理解が深まるかも。
ストーリーをつくったことがない、書いたことがないと、ピンとこないことが多い気がします。
そう言う意味では実戦的だと思います。
オールタイムベスト
小説新人賞に応募している頃は、小説指南本はほぼすべて読みました。
その中には私の中で殿堂入りというか、心の糧になっている本も多いです。
これはぜひ読んでほしいという本を最後にあげておきます。
※私がミステリを書くので、そちらに偏ってます。
『職業としての小説家』 村上春樹さん
『ミステリーの書き方』 日本推理作家協会
『書くことについて』 スティーブン・キング
『売れる作家の全技術』 大沢在昌さん
『一億三千万人のための小説教室』高橋源一郎さん
※高橋さんが選考委員として「良い小説は決して見逃さないよ」
という意味のメッセージをされていたことを思い出します。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございました。
来年も読書と創作を楽しみましょう😊 良いお年をお迎えください。
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