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『午後三時にビールを』


なんともそそられるタイトルです。文豪たちのエッセイ集。

島田雅彦さんの「バーの扉を開けるとき」を読んで、若い頃、緊張しながらバーに向かったことを思い出しました。

先輩の説教と無茶な注文、バーという閉じられた空間の怖さ。それでも酔うことの楽しさが勝っていたのだと思います。

タイトルは最初の一編、萩原朔太郎「虚無の歌」からとったのでしょう。
午後の三時、ホールでたった一人、麦酒を飲む朔太郎。
そのシーンをタイトルに切り取った編集の方のセンスが光っています。
午後二時でも四時でもなく、三時だから良いのですね。

表紙のイラストは、私もたまに行く銀座のライオンです。

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