サマスペ! 九州縦断徒歩合宿(16)
「悠介、何をやってるんだ」
悠介は斉藤の怒鳴り声に迎えられた。アッコと市役所からダッシュで戻った人吉駅には、旗持ちの二村と伴走の斉藤が到着していた。
二村はベンチに座り込んでいる。くたくたに疲れているのだろう。
「宿が決まってないんだって? あのな、宿は一年が必死こいて見つけるもんだぞ。俺が一年の時なんかなあ――」
アッコが悠介の前に出た。
「ごめん、斉藤。あたしのせいなんだ」
斉藤が「へっ」と間抜けな顔をする。
「でも悠介が頑張って、なんとかキャンプ場に泊まれる