見出し画像

今週日曜日は修斗ABEMA放送大会。岡田倉本の世界戦に青木プロジェクトもあるぜ!


緊急事態宣言解除の雰囲気漂う月曜日。
今週で日曜日に無観客試合で大会開催する修斗。

ABEMAで堂々の放送であります。

格闘技界の救世主はなんだと聞かれるのであれば、ABEMAだと即答するのであります。これはRIZINではなく、ABEMAだと思うのです。だってゾッとするじゃないですか。ABEMAがなかったとしたら、ここまで格闘技は持ち堪えなかったと思うし、コロナショックで瀕死の状態で持ち堪えることもできなかったと思います。しかし3月から大会開催ができていない格闘技は相当のダメージですよ。世界的にだと思って麻痺してるけど。

ABEMAで31日18時キックオフだ!

王座決定戦をメインに置いて、周りもガッチリ固めて、いつもの後楽園大会と変わらぬか、それ以上の布陣でABEMA放送に挑みます。現在、K-1やRISEの視聴数を争うライバルが大会開催していないタイミングでの放送です。視聴数はいいのではないかと予想するし、国内MMA団体では頭一つ抜けた存在感と信頼を得るチャンスなのではないかと見ています。

世界を見渡してもUFCが開催してはいますが、世界的な団体の開催、試合数でいえば限りなく、0に近いです。国内で見てもRIZINは7月末に大阪で開催を画策していたり、その前に100万円で100人イベントを開催しようとしてはいるようですが、現実離れ感は否めません。それでも「おいさ!」とやってしまうのが榊原マジックではありますが、さすがにそんな時代でもなく、気力も体力もないと思うのですよ。

パンクラスは3月大会から「試合をするぞ」と発表するものの延期というか中止を繰り返していて、これまたどうなるんですかね。酒井代表は試合が組まれていたメイン選手には3万円の補助金を出すと声高に発表したのですが、3万円じゃどうしようもないじゃないですか。さすがに3万円で喜べないですよね。これまた7月大会どうなるんでしょうか。暖かく見守りたいです。

我らがDEEP佐伯繁さんは3月大会を堂々と開催して、コロナと背中を反したスタイルかと思っていたのですが、ここにきて医療問題を気にする社会派に転身して、驚きを隠せません。誰もがこれまでの不摂生を突っ込みたくなっただろうし、何かと注意したほうがいいこともあるし、笑いをとってるんではなかろうかと思ったのですが、本人は至って真剣そうでして、色々と心配になります。佐伯繁さんには元気でいてほしいじゃないですか。

まあそれはそれとして。どうしても佐伯繁さんのことを語ると長くなってしまう傾向がありまして。最近は連絡をすることもなくなりましたが、オレたちはファミリーです。

さて無観客試合では利益が出るか否か(実際にはトントンでオッケー)とは別に、コンテンツを継続するための開催意味があると思うのです。忘れられる速度は加速しているし、ここで熱が冷めてしまうとまたやり直すのは相当な苦労だし、コンテンツを出し続けて、物語を繋げていかねばなりません。ここは本当に正念場であり、選手も団体も金にならなくても手を動かすときだと思っています。

個々の団体の事情はあるとは思うのですが、ここは業界で乗り超えていけたらいいなと思っております。選手も団体もファンもきついのでここは一丸となってですね。

31日開催の修斗はABEMAの「青木プロジェクト」で関わらせていただいたり、解説のお仕事させていただいたりしております。そんなご縁もありまして、ここで見所的なものを書いていきますので、どうぞ。

画像1


バンタム級暫定王座決定戦 

岡田遼対倉本一真 

MMAが世界に広まった現在では珍しい修斗のタイトルにこだわりをみせる岡田選手。2019年9月の安藤達也戦以来の試合になります。

試合間隔が空くことに対しては選手によって受け取り方は違いますが、岡田選手は賢い選手ですし、空いた期間でアメリカにトレーニングに出かけたりと充実した時間を過ごしていたようでして、試合間隔が空いたことに対しては好材料と捉えていいのではないでしょうか。

岡田選手にインタビューをさせていただいて感じることに修斗へのこだわりがあります。20年前と違い世界の中心は海外に移っているし、日本国内でも同階級でより注目を集める舞台がある中で、彼は修斗へのこだわりを口にしています。

彼の言葉に偽りはないように感じるし、心の底から想って口にしている言葉だと感じます。彼が最初に憧れた舞台が修斗であって、その想いに忠実に行動する姿は、幸せな競技生活であり、豊かな人生に僕からは見えます。

岡田選手は身体的な素質に恵まれてるわけでもなく、格闘技の経験があるわけでもないのですが、努力と考える力で昇り詰めた選手です。彼と話していて感じることは技術への理解はもちろんのことですが、言語化能力に長けていて、優秀な選手であり、指導者になるだろうし、解説業も卒なくこなす打ろうと感じます。

最近の試合は打撃の印象があって、ノックアウトの数もあるのですが、彼の真骨頂は戦術であるから、今回の試合でその戦術をどうするかが興味があります。

対する倉本選手はレスリング出身の技術を生かして、7戦7勝。

それもジャーマンスープレックスでノックアウトするものだから、兎にも角にも、ど派手な印象を見るものにも対戦相手にも残します。

対戦相手としてはスープレックスでノックアウトされる恐怖は残るだろうし、圧倒的な体力と動物的な強さに恐怖心が残るのではないかと思います。MMAの選手は受け身が下手な選手が多いので、投げ技はダメージを与える技として有効になる盲点を彼はしっかりと突いています。

ただ前戦を見ていても、打撃への不安は残るし、サブミッションがないので、実はフィニッシュする武器は少ない印象を受けます。それでも全てをひっくり返す投げ技があって、全てを帳消しにしてしまうのだけれども。

この試合を予想する上でスタンドでの攻防での距離感は重要になってきます。間合いを制したほうが勝負を優位に進めるだろう。

打撃の距離感 間合いを制するのは。

打撃技術は岡田選手に優位です。岡田選手のボクシング技術は選手周りでも定評があって、ボクシングコーチがこれ以上教えることがないと言うほどに評価が高いです。

打撃の距離感をコントロールするのも上手なので、打撃だけでいえば岡田選手有利であるし、スタンドの攻防で間合いを制することができたのであれば、テイクダウンも切ることができて、試合は岡田選手に傾くであろう。

ただこれはMMAです。
打撃だけでなく、組み技も込みの圧力が加わります。そこで倉本選手がテイクダウンのプレッシャーを掛けていけるのであれば、岡田選手の打撃を無効化するでしょう。どちらが相手にプレッシャーを掛けるかが勝負の分かれ目であり、MMAは全てを総合したものだと改めて感じるでしょう。

倉本選手の組み技のプレッシャーを軸にした強振のパンチは当たるし、破壊力もあるので倉本選手のノックアウトもあります。

まさにどちらが強気で攻められるかであり、虚勢の張り合いであり、ハッタリをかませるかです。勝負とはそんなものです。虚勢を張れるかどうかだ。

投げ技への対処

投げ技への対処もポイントになってきます。
今までの選手を見ていると受け身を取らずに、投げを防ごうとしているからダメージを負うのであって、投げさせればダメージは追わないでしょう。

あとはスクランブルの局面で亀になるから投げられるのであって、引き込んでしまえば投げられません。今回の試合は5R戦なので、ラウンドを失っても引き込んでしまえば、ノックアウトされることもなく、やり過ごせるでしょう。

岡田選手が倉本選手をどう感じているかが勝負の分かれ目な気がしています。もしも必要位上に警戒していたら倉本有利に傾くはずです。

これは5R戦なのだ。ここが一番のポイント。

今回の試合は5R戦です。
3R戦とは別競技といっても過言ではありません。戦術も変わってくるし、向き不向きもあります。簡単にどちらが有利とは言えませんが、どちらに傾くかの予想は僕の中にはあります。

ただどうしようもないことを言ってしまえば。
最後は勝ちたい気持ちが強いほうが勝ちます。岡田と倉本。勝負に対して貪欲なのか。互いに人生を賭しています。勝者は一人だけ。悔いなき試合を祈ります。思いっきりいけ!

画像4

木下タケアキ対西川大和

この試合を僕は密かに注目しています。

4月の大会のときに僕の前の試合が西川選手でキックボクシングの緑川選手と対戦して、3Rノックアウトされずに立っていたことにびっくりしました。

実力差のあるカードだと思っていたので、すぐにノックスとされてしまうと思っていたし、MMAの選手と打撃の選手のマッチアップは総じて、その傾向を感じるので、西川選手の頑張りが光った試合でした。

試合後に彼に「あなたは将来があるし、格闘技を引っ張っていく存在になる可能性があるから、いいキャリアを送ってほしい」と伝えました。僕の言葉がどこまで通じていたかはわからないのですが、地方の選手がチャンスを掴むために厳しいカードを飲まざるえない現状はあるし、消費されていくにはもったいない素材だな感じました。

地方で自分のジムの大会を持たない選手は自分が軸になる試合は組まれにくいので、苦労する傾向はあります。これはどうしようもない現実ではあるし、だったら上京してこいよって話になってしまうのでなんとも言えない話ではあります。日本で格闘技をやるには圧倒的に東京です。東高西低どころではなく、東京の独走なのです。

修斗の良心というか、坂本代表の選手出身の強みが出たというか、西川選手の実力にあわせた育てるマッチアップが今回は実現しました。ここで上のマッチアップでやってしまったら、選手は消費されて潰れていってしまいますからね。僕も嬉しいマッチアップです。

対する木下選手は格闘代理戦争で、ユンチャンミン選手をノックアウトしたことが印象に残っていますが、キャリアとしては勝敗がイーブンくらいの選手で、互いにここから上昇を狙う者同士のマッチアップ良いマッチアップだと思います。

実力的には互いにどっこいだとも思うので、ここは思いきりよくいってほしいです。ヤングライオンらしい威勢のいい試合を期待します。


画像2

清水清隆対小堀貴広

清水さんは3月に青木プロジェクトで御一緒させていただいて、撮影もバッチリやりまして、「ここからいくんや!」となったところで、大会直前の大会中止。さすがに直前のタイミングだったので、「ああ。そうですか。」としか、僕も清水さんも言えなかったんですよね。まあいろいろあるじゃないですか。

清水平良のマッチアップは思い入れがあるというか、青木プロジェクトキックオフのカードなので、やりたかったのです。若い力とベテランの意地の見せ合いを目の前で見たかったし、練習場所で同じことが多い清水さんの取り組みを近距離で見ていただけにやりたかったです。

今大会では実現しなかったのですが、この企画を生かして、また2人の試合を森あげていくお手伝いをしたいです。清水さん頑固なんでやらないってなると大変そうですけど、やっぱり見てみたいです。まだ諦めていないです。

清水さんはこのカードが崩れても堂々の登場です。おじさんの凄みを感じるといいますか、試合が崩れると気持ちを維持できず、崩れてしまう選手が多いのですが、変わらずに練習して頭が下がります。

清水さんはフィニッシュがない選手だったのですが、打撃も組み技もトータルに強化することで、フィニッシュ率が上がってきた超努力型で晩成型の選手です。前戦もハワイの選手をロートパンチで追いかけ回してのノックアウト勝利なので、今回も勝利して、体勢を立て直したいところでしょう。

パンチがあるファイターとされていますし、パンチのフィニッシュが多い選手ですが、実は組み技も打撃も能力総動員で攻めるファイターなのです。決して才能があるわけでも、何かのバックアップがあるわけでもなく、ただただ努力で成り上がってきたファイターです。

対する小堀選手は平良選手にノックアウト負けの過去があるものの、そこからアップしての清水戦に辿り着きます。オファーが前からあったとは思えないし、早くても1ヶ月前くらいのオファーであったとは思うのですが、この状況下でオファーを受けて、ケージに入る姿勢に頭が下がります。ファイターであるならば、いつでも言われたら闘うんだ。それがレスラーであり、ファイターだ。

試合は清水さんがノックアウトするのではないかと見ています。彼は倒す感覚を身につけているように感じるし、パンチ力以上に倒す感覚が身についているので、タイミングをとって、今回もフィニッシュするのではないでしょうか。

ここを乗り越えて、また青木プロジェクトで清水平良をやらせていただけないかと思っております。清水さん嫌がるかな。彼、頑固なんですよ。

画像3

岩本健汰対世羅智茂

青木プロジェクトのグラップリングマッチです。

まあこの試合になりましたのも、4月に僕と世羅選手で塩っぱい試合を繰り広げまして、さすがに塩っぱいままでどうすんねんって話になりまして、岩本さんにケツを拭いて貰おうとなったわけであります。

僕も思うところはあるんですよ。4月にあそこまで塩っぱい試合をして、絶望をしていたわけですから。ただそれを物語にしていくのが仕事ですし、ここは青木が動いて、形にしていくのが良いなと思った次第です。本当に思うことはたくさんあります。

岩本さんは練習してもらうことが多くて、助かっている存在です。
彼が優秀なグラップリング選手なのは周知の事実で、それを今更、説明する必要はないとは思います。それでもわかりやすくいうのであれば、MMAのトップ選手がグラップリングで歯が立たないと言えば、理解してもらえるのではないでしょうか。

僕が彼に魅力を感じているのは「グラップリングで食べていきたい」と言ってくれているところです。

MMA選手として食べていくことは簡単ではないにしろ、実限している選手がそれなりに存在します。柔術を生業にしている選手も形はいろいろあれど、存在しています。柔術の場合はレッスンプロとしての側面が強く、試合で実績を残すことで、セミナーやインストラクターとしての仕事で成立する形が主ですが、道筋は出来上がっています。

日本におけるグラップリングは柔術家がたまに裸でやる「ノーギ」、MMAファイターが練習の一環でやる「グラップリング」の2つで成り立っていて、グラップリングというジャンルは存在しないです。

僕はMMAファイターですが、グラップリングの攻防もそれなりにできるのですが、世界のグラップリングシーンを追えていないし、グラップリングはグラップリングとして存在して、グラップリングの人が解説していった方が健全だと思っています。僕もMMAもグラップリングも全てを見切れないです。

岩本さんがグラップリングを生業にして行きたいと言ってくれたことは嬉しかったから、僕ができることはやりたいなと思いました。なので彼の試合は頑張ってプロモーションしたいし、グラップリングがジャンルとして成り立つことで日本の格闘技も確実にレベルアップすると思っています。

芸事をして、自分の腕で食べていこうとするのは生半可な覚悟ではできないし、それが格闘技のようなマイナージャンルであれば尚更です。とはいえ、野球やサッカーや芸能のようになれば、山は高くなるわけで、それはそれでむずかしさがあるとは思います。

自分の腕で食べて行こうって覚悟と行動がある人は応援したくなるのはあたり前の感情だと思っています。岩本さんとか山中健也さんはそう思える取り組みをしています。

グラップリングというと柔術が軸にあるグラップリングをイメージされるかと思います。ただグラップリングはレスリングベースのグラップリングもあるし、ADCCは上の取り合いで勝敗を決することもあって、ダイナミックでエキサイティングな競技です。

最近は足関節技が注目されますが、足関節が上を取るための手段になっていたりと技術の進化速度は速いです。柔術的なグラップリングではなく、レスリングを大切にするグラップリングであれば、MMAファイターにも役立つし、日本の格闘技を考えたときにプラスになるはずです。

対する世羅選手は柔術ベースで堅実な寝技をします。
塩試合をくり広げた僕としては、彼のスタイルはまずはディフェンスありきで攻めるスタイルだと感じていました。技術は確かなものがあると感じたし、お互いに攻めれる状況でまた組んでみたいなとは思ってます。

試合に関しては10分1本勝負のルールもあってわかりません。
岩本さんとしても、世羅さんとしても勝ちたい気持ちはいっぱいだろうし、互いに目指すところが違うだけに水と油の試合になる可能性もあれば、噛み合う可能性もあります。本当にわからない試合です。

行こうその先へ!2人に任せますの。行こうその先へ!

*しかし岩本さんの髪型なんとかならなかったんですかね。

緊急事態宣言も解除へ。行こう!その先へ!

緊急事態宣言も解除のようです。(24日の夕方)
ここからどのような社会になっていくかは想像がつかない部分もあるけれども、大まかな予想はしていて、決して明るい未来が見えているわけではありません。ただ生きていかねばいけないし、生きていく姿を見せていくことがファイターでありレスラーであります。

行こう!その先へ!

格闘技で世の中に何かを伝えてほしい。

社会に対して、何か伝えたいこと、思想信念、主義主張があるから、プロ格闘技をやっているのだと思います。

何を伝えたいのかは人それぞれ違うのだろうし、個々違っていいです。ただ何もないのであればアマチュアでいいのであって、プロとして人前でやるからには何かを伝えたいからだろう。

今、あなたにしか伝えられないことを伝えてほしい。
観る側はただただ見てほしい。感じてほしい。

みなさまの武運を祈ります。

大変な状況の中、大会開催を決断した主催、放送関係者、選手関係者に感謝と敬意を表しておしまいにします。大変な時期にありがとうございます。


ここから先は

0字

¥ 100

サポートありがとうございます。選手活動、表現活動の活動費用に当てさせていただきます。更なる良いもの、面白いものを創作する原資に大事に大事に感謝を込めて使わせて頂きます。