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青木真也の技解説。2008年青木アルバレス戦のヒール。

2020年コロナウイルスでスポーツイベントが軒並み中止。

コンテンツ不足に陥っています。そこで格闘技団体DREAMの映像をスカパーさんで放送して頂けることになりました。早速、やれんのか!とDREAM1を解説する機会をいただきました。視聴環境がある方は是非です。

#青木真也の技解説 記事も好評いただいているので、DREAMの技解説シリーズで今回も行こうかなと思います。シャオリン戦も永田戦も予想を超えて読んでいただけて感謝であります。

DREAM開幕年 K-1Dynamite08  エディアルバレス戦。

この試合は7月のDREAM5で決勝戦で闘うはずでした。エディアルバレスが準決勝川尻戦での負傷→決勝を欠場。リザーバーのヨアキムハンセンが決勝に上がって、青木が見事にノックアウト負けをしたことで、歪で最高に面白いライト級戦線を作り出しました。

当時のエディアルバレスはボードッグとエリートXCで活躍していて、前年のエリートXC最後の大会ではニックディアス戦がプランニングされていたのですが、エリートXC消滅で試合消滅。そのあとはDREAMに活躍の場を移していました。この試合の後に旗上げされるベラトールにシフトしていくのですが、当時のライト級世界トップ選手としての地位を確立していました。

実際にWAMMAという海外の団体が勝手に王座認定することを発表して、この試合の勝者が初代WAMMAの王座につくことになっていました。まあ防衛戦も行われないし、机上のタイトルではありましたが、そのくらい世界的に注目を集めたマッチアップでした。

この試合に関しては試合前に怖くて、バイクでの帰路にこのまま死んでしまったら楽なのと考えたほどでした。本当に試合が怖かったです。最初で最後かもしれないほどの恐怖でした。

この当時の実力的にはエディアルバレスの方が有利だったと思うし、試合の中で何か一つチャンスをモノにできれば僕のものになるという思いで試合をしたことを覚えています。

勝利の可能性が1%だとしたら、99回やって1回。その1回目を一番最初に持ってくる自信がある」

これはJZカルバンとやったときの僕のコメントなのですが、このときもそんな心情でした。思い返すと最初はすべての試合が博打を打っていたし、虚勢を張って、自分の器よりも大きなことをやることで、無理やりに成長していたんだなと改めて思います。

フィニッシュはインサイドヒール。

試合のフィニッシュはインサイドヒールフックです。
MMAで足関節が極まること自体が少ないのですが、2008年末前後は五味北岡戦でアキレス腱固めが極まったりと国内MMAでは足関節のフィニッシュが多かったときでした。

僕は足関節に長けた選手なように思われていますが、28あるサブミッションフィニッシュで2回だけです。ただその2回がアルバレス、川尻と注目度のある試合だったことで印象が強いのだと思います。実際は抑えて極める堅実な選手なのですけれど。

今は足関節技術が飛躍的に伸びて、サドルロックがあり、アウトサイドヒールでも極まるし、足関節のレベルは上がっていますが、当時はまだサドルロックもなく、道の領域でした。

首投げを受けて、アウトサイドヒールの形を作る。4分3秒

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