見出し画像

修斗5月31日の解説と試合感想を!

久しぶりの格闘技大会開催。修斗5月31日大会。

当面のニューノーマルである無観客形式とはいえ、久々の格闘技大会は充実感を感じることができて、帰宅してからも大会後独特の高揚感を感じることができました。

これは格闘技でしか感じることができない独特の感覚で、選手も観客も関係者も「格闘技」に魅了される要因の一つであります。できることなら、その場で生で感じてほしいところですが、時勢がそれを許さないことが残念でなりません。

コロナウイルスの感染リスクを減らしていく取り組みの重要性はわかります。だけれども、この文化を、この感動を残して、伝えていくことの重要性もあって、そこの折り合いが今は無観客での開催なのですが、残念に勿体無く感じてしまうのも事実です。なんとかならんかね。とは思いますが、今は我慢しつつ3歩進んで2歩下がるを繰り返していくのだろうと観念しています。

今回は光栄にもこのタイミングで解説させていただくことになりまして、下調べも入念に青木には珍しくジャケット着用で解説に挑みました。まあジャケットなんぞ当たり前やろ!との声も聞こえてきそうなのですが、普段から短パンTシャツでほけほけしてるスタイルだし、記者会見ですらシカトすることもあるので、これはすごいことなんですよ。敬意と気合として。

解説者は格闘技の翻訳者であって、選手だから伝えられることを。

解説者は格闘技を翻訳して、わかりやすく届ける仕事だと思っています。盛り上げ役としての解説スタイルもあっていいと思うし、それはそれで大事な仕事ではありますが、僕に求められていることは技術を丁寧に言語化して伝えていくことです。

打撃の攻防もケージレスリングの攻防もグランドの攻防もMMA独特のものが多くなってきています。それが現在進行系で進化しているので、選手も伝える側も学びを怠ってはならないし、受け取り手である観る側は複雑化して何が起こっているのかわからなくなることが多い競技だと思うのです。

互いの戦術の方向性をおおまかに説明しつつ、その場で起こったことを解説して、次の展開を説明していく解説は今の日本では僕以外に身当たらない術であるし、僕の真骨頂だと思っています。

格闘技を言語化するのは簡単に見えて難しい技術です。選手であれば、やったこともやられたこともあるから、どれがどれほど痛くて、どれがどれほど嫌かわかりますが、経験という共通言語が無いところに伝えるのだから、簡単な話でなく、万人に格闘技を格闘技としてわかりやすく伝えるかは大きなテーマです。

そこに選手だからこそわかる試合中のメンタルの部分を付け加えていくことで、青木真也だからこそできる解説に仕上がります。それにしても午前中に対談企画で夕方からの解説で1日に6時間話したのですが、このくらいで弱音を吐いていたらあきまへん。GOの三浦さんは1日中話しているし、彼と仕事で一緒になると圧倒されますから、まだまだ上には上がおるのです。

それでは試合の解説で感じたことと書きたい試合を書き残して行きます。

前半戦は入場は短くていいし、マイクもいらない話。

18時開始で全8試合なので順調に行っても終了は22時前予定。

前半戦は対回のメインではなく、あくまで前半戦であって、わかりやすく言えば前菜であり、前座です。僕はプロレスの若手を指す言葉を使ってヤングライオンと評しますが、格闘技の場合は一座でやってるわけでもないので、自分の試合順を見る意識は皆無です。

入場が第1試合から溜めて出てこられても困ってしまうというか、ヤングライオンですから、さっと入場して、元気いっぱいに試合してくれたらそれで十分だと思うんですよ。もう同時入場でさっと試合してもいいくらいだと思うし、所属のジムの方は何してんだよって思わなくも無いのですが、教えられてもないだろうから仕方がない話ではあります。

第二試合の石井さんが試合終了後にマイクを要求して、何か喋りたそうにしてはいたのですが、旧リングネームである覇彌斗時代の思い出とか、旧友に向けたメッセージを送られてもいろいろ大変じゃないですか。あそこでマイク渡さなかったのはグッジョブでした。

前半戦のメインである女子トーナメントは結果的にいい感じで盛り上がってきて、これまた7月が楽しみになってきました。黒部さんの試合、岩本さんの試合、岡田さんの試合は感じるものがあったので書いていこうと思います。


女子初代スーパーアトム級王座決定T準決勝 

大島 沙緒里 vs 黒部 三奈

ここから先は

5,077字

¥ 300

サポートありがとうございます。選手活動、表現活動の活動費用に当てさせていただきます。更なる良いもの、面白いものを創作する原資に大事に大事に感謝を込めて使わせて頂きます。