未経験者のエンジニア適性を面接で判断するときに確認している3つのこと
私自身がプログラミング未経験でエンジニアで就職した身なのですが、これまでの仕事上、プログラミング未経験でエンジニアを志望する方の面接を多く担当してきました。
(数えていないのですが、少なくとも数百名以上の方とお会いしたかと思います。)
対象の多くは新卒採用の学生なので、入社後のエンジニア研修も引き続き担当するケースが多く、面接時の印象とその後の成長の度合いを自分の中で確認してきたため、その判断軸に対してある程度の確信を持てるようになりました。
その判断軸が大きく3つあり、今回はそれについて書いてみたいと思います。
もちろん、1時間程度の面接で未経験者のエンジニア適性を完全に判定することは、もちろん困難です。
最終的には、プログラミングなどを実際にやってもらうことで判断するしかないのですが、ただそれでも、エンジニアとして開発を仕事にするときに役立つ「素質」を持っているかを確認することで、その後の成長の幅をある程度予測することができます。
1. 論理思考能力はあるか?
論理思考能力は良く知られた能力ですが、物事を筋道立てて理解し、説明できる能力です。
プログラミングを行う上では必須となるスキルで、ここが苦手だと、込み入ったロジックを理解できなかったり、シンプルで無駄のないロジックを書くことが苦手だったりします。
面接時点では多少苦手くらい(という人が一番多い)であれば、プログラミングの訓練を重ねることで最低限のスキルはつく場合があるのですが、全然できない人はプログラミングの習得に非常に苦労することになるので、お断りすることが多いです。
論理思考能力はペーパーテストでも確認できるので、そういった方面を測ることができる適性検査を行えるとより良いのですが、会話のなかでも十分確認できます。
確認方法としては、
・少し長めの事を話してもらった場合に論旨にブレはないか?
・質問(特に論理の矛盾を突くような質問)に対して的を得た回答ができるか?
などから判断します。
2. モノづくりが好きか?
エンジニアという仕事は、少なからず「モノづくり」の側面があります。
この「モノづくり」が好きか嫌いか(得意か苦手か)は個性であり、あまり変わることが無い素養のように思います。
モノづくりが好きなタイプの人は、プログラミングにものめり込んで取り組む傾向が強いです。
「好きこそものの上手」で、時間を忘れて自発的に取り組めると、成長度合いが非常に高いものとなります。
また、「モノづくり」は対象が何であれゼロから試行錯誤して形にしていくプロセスに共通要素があり、モノづくりの経験が豊富な人は、同じモノづくりであるプログラミングにおいても、アウトプットを出す力が高いです。
この「モノづくり」の確認方法は、「これまでの人生で何かものづくりにのめり込んだ経験はありますか?」といった質問で確認します。
もし、過去に「モノづくり」に関わる経験、関心が全く無いような場合は、エンジニアになるまでには相当大きなハードルがあると思っていいと思います。
なお、聞く際に気を付けたいのは、
①個人としてどう関わったのか?
⇒チームでの関わりの場合は、必ずしもその人の素養によるものとは限らない
②システマチックなアプローチを取れていたか?
⇒芸術系のような右脳をフルに発揮する領域の場合、左脳を必要とするプログラミングなどは苦手な傾向がある
という点に注意する必要があります。
また、経験値の豊富さや実績もあるのですが、どちらかというと好きか嫌いかの素養のほうが大事になってきます。
学生時代の実績というのは環境の要素も大きいので、実績が多くない場合は、子供時代(小学生くらいが一番良い)の経験や志向も参考になります。
なお、やや余談ですが、もう一歩踏み込むと、モノづくりの経験が
「0⇒1」のアプローチなのか?
「1⇒10」のアプローチなのか?
ということを確認できると、エンジニアとしての適性タイプが見えてきます。
「0⇒1」というのは、「どう作るか?」より「何を作るか?」に関心が強いタイプで、これまで誰も思いつかなかったものを作ってみたり、世界に一つだけのものを作ろうとするようなアプローチです。
こういうアプローチが好きなタイプは、新規開発領域でのエンジニアに向いています。
また、「1⇒10」というのは、「どう作るか?」に関心が強いタイプで、例えば、予めテーマややり方が決まっているモノをしっかり完成させるようなことや、既成のプラモデルを綺麗に作り上げることが好きであるようなタイプです。
こういうアプローチが好きなタイプは、スペシャリストとして特定技術を極めて行くようなエンジニアに向いています。
3. IT技術領域への知的好奇心が高いか?
エンジニアとしての成長を続けていくためには、最新技術のキャッチアップを不断なく続けることが不可欠ですが、IT技術領域に好奇心が無いようだと、キャッチアップを続けることが難しくなります。
好きではないことを好きになるのは難しいので、ここは事前に確認しておきたいところです。
IT技術に興味がない人がエンジニアを志望するのもおかしな話ではありますが、IT職がここ近年キャリアとして人気なこともあり、内心ではITに関心持てないような方も時々見受けられます。
この好奇心を確認するには、ここ最近気になったIT関連のニュースや、普段利用しているITサービスに対する意見を確認してみるといいと思います。
まとめ
上記の軸は、もちろん絶対ではなく、上記に漏れていても優秀なエンジニアになれる人はいると思います。
ただ、上記をすべてクリアできるようであれば、エンジニアとしての成長できる可能性が高いと判断できるように思います。
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