episode4 バスケとayuと
小学校4年生から始めたバスケ
本当にいろんなことを学ばせてもらった
勝つ喜びも
負ける悔しさも
できないことへの歯痒さも
できた時の嬉しさも
仲間と何かを追いかけるその心強さも
両親は休み返上で
私のバスケ三昧の日々に
文句ひとつ言わず
一生懸命向き合ってくれた
幼いながらに
色々なことを感じて
色々なことを考えて
なんでだろうって思うことを突き詰めたり
納得できないことがあれば
人とぶつかることもあったし
言葉にならないくらい泣いた日も
たくさんあった
そんな日々にも
もちろん
ayuの歌が
いつでもすぐそばにあった
田舎の小さな小学校
体育館を走り回り
毎日のように練習に明け暮れ
一つのことをチームで成し遂げる
その楽しさを
全身で味わっていた
今でも一番仲のいい親友は
小学校からずっと一緒にバスケをやっていた子
私の人生の酸いも甘いも
全部知っている大事な存在
その頃からかもしれない
仲間というものが
私の中で
大事なパーツになっていったのは
ayuが
Mステのスタジオに
ファンを集めて歌った曲
最後のワンフレーズは
テンション上がりすぎたのか
会場の隅から隅までのファンを
手で指差そうとするあまり
マイクが口元から離れるお茶目なayu
そんくらい楽しそうに歌う姿を
何度も見てた
初めてのドームツアーを
敢行した時に
客席にいるファンの姿を見て
作られた曲
君達=AUIDIENCE=ファンが僕の誇りだ、と歌う
彼女こそが私の誇りだった
バスケやりながらも
仲間っていいな
誰かを誇りに思うって
こういうことかななんて
考えたりしてね
試合の前も
試合の後も
チームのみんなでカラオケに行く時も
ayuの歌とバスケが
私の日常生活の
半分以上を占めていた
決して
運動神経抜群な方では
なかったと思う
とにかく
気持ちでなんとかするタイプだった
努力すれば
なんでもできるって
なんとなく
自分の中に
あったのかもしれない
今でもたまに夢に見る
あの体育館で
ひたすらコートを走り回っていた自分
うまくできたことも
できなかったことも
その感覚が体に染み付いてる
あの頃は
その努力を
ずっと見ていてくれる人がいて
どこに向かえばいいのか
導いてくれる人がいて
誰と一緒に行くのかも
はっきり分かっていた
そして何も言わずに
陰で支えてくれる家族がいて
本当に恵まれていたと思う
大人になると
どうして
そんな風に
シンプルに生きるのが
難しくなるんだろうね
どこに
誰と向かうのか
たったそれだけのことでいいのにね
ただコートを無我夢中で走り回って
ただayuの背中を追いかけて
そんなんで良かった
そんなんで十分だった
目の前に起きる
数々の出来事に
全力でぶつかって
全力で喜怒哀楽してた
そんなんで良かったよね
今の私は
そこそこの大人になった
7歳の息子を
見ていて思う
正直で素直で
自分の心に従って
目の前のことに一生懸命
好きなものには妙にこだわりがあるところとか
私もこんな子供だったかなって
重なる時がある
今はさ
随分と遠回りして
複雑に絡まってしまうことも
まだまだあるけれど
あの頃みたいな感覚
少しずつ
取り戻せてる時がある
いい歳こいた大人が
夢も愛も語れないなんて
そんなつまらない生き方
私はイヤだから
今日も全力で
愛とか夢とかを口にする
綺麗な成功が欲しいワケじゃない
ただ
自分に正直に
嬉しいことも痛いことも
心が動くことを
そのまま
感じていたい
そうやって
生きていこうって
決めたんだ
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