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Manager’s notes

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マネージャーの役割・スキルなどについて考えをまとめるためのノート
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#内省

ピープルマネジメント:1 on 1

前回は、マネージャーが持つべきマインドセットについて解説した。しなやかマインドセットはすべての人が持つべきマインドセットだが、マネージャーは特に理解しておく必要がある。 なぜならば、マネージャーはメンバーがしなやかマインドセットを持っていることを信じること、メンバーにしなやかマインドセットを持つように導くこと、を実践することが求められるためである。 今回はマネージャーとメンバーの間に築いた信頼関係を利用してメンバーの成長をサポートする「1 on 1」について説明する。 「

内省の技術:記録することからはじめる

自己成長のためにはフィードバックが欠かせない。自己成長のために重要なフィードバックを外部から得られない場合には、「内省」によって自分自身を振り返り、成長に繋げることができる。 この内省のために最も基本的かつ強力なツールが、日々の出来事を記録することである。記録することで、自然と過去に起きた出来事をふりかえり、自分の行動や思考、感情のパターンを客観的に見つめ直すことができる。 過去の出来事を詳細に思い返すことで、その時の状況や自分の思考を追体験するこができる。追体験では時間

内省の技術:テーマを絞り込む

内省は、記録することが重要だが、ただ記録するだけでは効果的なふりかえりができない。内省のために重要なポイントとしては下記の3点がある。 テーマを絞り込む 感情を記録する 定期的に記録を見返す まずは、「テーマを絞り込む」について説明する。 テーマを絞り込まず漫然と記録することは、何を書けばよいか分からず記録しにくい。結果として、自分の書きやすいことを記録するようになってしまう。書きやすいことが振り返りたいことであれば問題ないが、振り返りたいことでなければ内省の効果が

内省の技術:感情を記録する

前回は「テーマを絞り込む」ことの重要性について説明した。 内省のために重要なポイントの2つ目は、「感情を記録する」である。 なぜ、感情を記録することが大切なのだろうか? ただ、日々の出来事を記録するだけでは不十分なのだろうか? 日々の出来事で感じた、気分よくできること、達成感を得られること、苦手意識を持っている人や行動、怒りやストレスを感じたこと、など記録していく。日々の出来事とそこで感じた感情を何度も書いていく。何度も何度も書いていく中で、ふと自分の「こだわり」が見出す

内省の技術:定期的に記録を見返す

前回は「感情を記録する」ことの重要性について説明した。 内省のために重要なポイントの3つ目は、「定期的に記録を見返す」である。 前回、継続して感情を記録することで自分の「価値観」を見出すことができると説明した。これは1ヶ月ごと、1年ごとなど「定期的に記録を見返す」ことによって、より顕著になる。同じようなことを考えていたり、違う出来事に対して同じような感情の動きや反応をしていたり、日々の記録だけでは分からなかった「くせ」や「こだわり」が浮かび上がってくる。 この「くせ」や「

内省の技術:自己理解を深める

内省を深めるために、ただ経験を記録するだけではなく、感情を記録することが重要であるか理論的な背景について紹介する。 内省を深めていくためには、自分の経験を学びに変えていく。そのためには経験からさまざまな気づきを得るために、「認知」が重要になる。この「認知」の枠組みを整理したフレームワークに「認知の4点セット」がある。 認知の4点セットは事実や経験に対する自分の判断や意見を、「意見」「経験」「感情」「価値観」に切り分けて可視化する。これによって、自分の内面を多面的に深掘りす

内省の技術:自身に問いかける

前回は「自己理解を深める」ために、「意見」「経験」「感情」「価値観」の4つに切り分けて可視化する「認知の4点セット」を紹介した。「認知の4点セット」といったある種のフレームワークを活用することで効果的が内省できるようになり、自己理解を深めることができる。 なぜ、フレームワークが効果的だろうか? これは、独りでは気付き切れない観点を考えることができるフレームワークの特性のおかげである。ただ内省しているだけでは「感情」「価値観」について思考を深めることは難しい。つまり、フレー

内省の技術:問いかけの質を上げる

前回は、自分自身に良質な問いを問いかけることが重要であり、、そのために問いかけのフレームワークが活用できることを説明した。 内省のための問いかけとしてフレームワークは有用なものではあるが、定型化してしまう。問いかけが定型化してしまうと問いの品質が低下してしまい、内省を多様な視点から深めていくことができなくなってしまう。 問いかけの質を上げていくには思考の幅を広げるような思考のコンテキストにあった問いかけがあることが重要である。つまり、対話的に深掘りしていくことが思考を深め

内省の技術:思考のくせ

前回は、問いの質を上げるために有用な方法として、フレームワークやコーチングを紹介した。 内省を実践していくと内容がマンネリ化し、良い気づきを得ることができなくなってくる。これは自身の持つ思考のくせによって無意識的に同じようなことばかりを考えてしまい、新しい観点で考えなくなってしまう。 継続的に内省していくためには、この思考のくせを意識下に置くことが重要となる。つまり、自身の思考のくせがどういったものなのか理解することで、日頃の内省において思考の偏りに素早く気付いたり、あえ

内省の技術:ジャーナリング

前回は、より内省を深めるために意識しておくべき思考のくせについて紹介した。 今回は、内省で用いることが多いジャーナリングについて説明する。ジャーナリングとは、さまざまな目的で行われる個人的な記録の習慣であり、日記よりも幅広く特定のテーマや目的に焦点を当てたり、感情や思考を言及したりする。 ジャーナリングの利点 ジャーナリングの利点としては下記のようなものがある。 自己理解の向上 - 自分の考え、感情、反応を書き留めることで自己認識が高まる ストレスの軽減 - 悩みや

内省の技術:コミュニケーション

前回は、内省を実践するためのツールとしてジャーナリングを紹介した。 ジャーナリングでは自分の内面に向き合い曖昧な思いを明確にしていくことができる。 内省を実践していくことでコミュニケーションスキルの向上に繋がる。具体的には下記のような効果がある。 自己認識の向上:自身のコミュケーションスタイル、言語の選択、ボディランゲージ、そしてこれらが相手にどのように受け取られるか理解する。自己認識が高まると意識的にコミュニケーションのアプローチを調整し、相手により良い影響を与える方法