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両極端な男性への恐怖

物心ついた時には、当たり前の感覚があった。
だから今まで気にもとめていなかったけど、最近自覚する。

私の中での男性像

私が小学校2年の時に両親が離婚した。

夫婦喧嘩はよく目にしていて、ある日喧嘩の延長戦でそのまま父親が出て行った。

子どもが一番最初に男性を目にするのが、父親だと思う。

幼少期にいろんなところに連れて行ってもらったり、かわいがってもらっている様子は写真に残っていた。それでも私の記憶の中に残っているのは夫婦喧嘩の様子。


怒鳴り声、喧嘩での暴言。
ほとんど耳での記憶。

だけど一度だけ、
母親と母親に背負われたまだ赤ちゃんだった妹に、父親が水をかけているところを直接目にした。

今でこそ母親にも原因があったことは理解している。でも、その当時はいなくなった父親のことは、母親からしか聞くことが出来ない。

「お父さんは心の病気で出て行ったと、周りの人には答えなさい」


「あなたの父親は養育費を払いたくないと言っている」


父親はこうだったああだったと悪いところばかり聞かされる。母親は、自分がかわいそうとか頑張っているとか、自分のことを認められたい悲劇のヒロイン的な人だったので、私は見事に洗脳された。

その父親の当時の様子と、母親が言っていた心の病気というものが良くわからなかった当時の私は

あぁ、DVなのかなぁ…。


いわゆる暴力。
父親の暴力が原因で離婚したと思っていた。

兄の存在

父親が出て行ってからは、身近な男性が兄だった。兄は基本的にはとても優しく私の面倒もよく見てくれた。

なんなら私のがわがまま娘。
私は兄に懐いていたし、仲が良かった。今でも兄とは普通に関わりがある。


兄は優しすぎるくらいだった。

両親の影響を受け、しかも長男。きっといろんなプレッシャーや複雑な想いがあったと思う。

基本的には優しくても、父親がいない家庭での男の子の反抗期。兄は感情を上手くコントロールすることが出来なくて手が出やすかった。

私たち妹にも暴力を振るう時期があった。中学生で力の強くなった兄を、母親は止めることが出来ない。

カッとすると手がでる兄。
しかも私は口が達者。何か兄のスイッチに触れると殴られた。でも何度かそうなるうちに逃げるようになっていたので、その変わりに妹が捕まり殴られる。


母親は兄を止めらないから

「辞めて!死んじゃう!」と叫んでいた。


そんな日常が当たり前。
男性は暴力を振るうもの。

本心で怖いというより、女性は男性にはかなわない。男性を怒らせたら手をあげることがある。だから自分を守らなければならない。単純にそう思っていたのだろう。

家庭での感覚を抱えての外との付き合い

中学・高校となり男性と付き合うようにもなった。家にいたくないし父親が急にいなくなったことから、男性への安心感も求めていたのだろう。

男性への安心感を求めるからあまり途切れることなく付き合いがあったし、ふられた相手でも求められたら答えた。


別れを切り出された直後に、
やらせてと言ってきたクソやろうも居た。

逃げればよかったし
逃げることも出来たと思う。


それでも男性への安心感を求めていて、家庭で満たされなかったそのままの私を受け入れて欲しい欲求。

そして元々ある

男性には従ったほうがいい
怒らせたら何されるかわからない。


その感覚もきっと根本的にあったのだろう。

私は男運も悪いのか今まで付き合ったきたほぼ全ての男性は、私がセックスの時に泣いていても辞めなかった。


あぁ、どうせ私は男性にはかなわない。

いまでもある生理的に怖くなる感覚

今でこそ、主人に出会ってそんな男性ばかりでないことを知った。


社会に出て恋愛以外の男女の関わりも出来たり、年も重ねて男女だけでなく人として向き合える人達もいることもわかった。


男女でなく一人の人として見てもらえることがとても嬉しかった。



それでも、感覚的に強めの男性が昔から苦手だった。やんちゃっぽい人や言葉遣いがあまり良くない人。男性の集団とかも苦手だった。

自然と
怖い、逃げないとって思ってしまう。

だから今になっても男性のしゃべり方や見た目で怖い人は避けてしまうし、単純に男女としてしか見ていないとか下心で見られると途端に気持ち悪くなる。



その一方で、
信頼できる男性がいなくなる恐怖感。

本来だったら味方であったはずの父親。突然ちゃんとした理由も分からず、私の目の前から居なくなった。


頭ではもういろんなことを理解していても、感覚的に残っている。



両極端な男性への恐怖感が
未だに私を縛り付ける。




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