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恋人が好きすぎる

 恋人が好きすぎる。恋人自体が好きすぎることは言わずもがな、恋人に接しているときの私や、恋人によって知らぬ間に変化させられる私も好きだ。それら全てをひっくるめて、恋人が好きすぎる。

 付き合って1ヶ月も経っていないが、その時期ならではの純度100%の「好き」を書き留めておきたい。と言うが、内実はバレンタインにかこつけたただの惚気だ。

 ・顔が好きすぎる
  出会った時、こんなにバチクソ好みの顔の男がいるのか!!と衝撃を受けたが、その衝撃は付き合った今でも変わっていない。いやむしろ増している。
  マスクをしていても見える目元は涼やかでド好みだし、マスクを外さないと見えない口元は、なんとも言えない愛嬌があってたまらない。顔の一部だけでもこんなに好きなのだから、顔全体が見えたら「たまらない」どころでは済まない。よって、恋人と食事をするときは、顔に見惚れるがあまり肝心のご飯が進まないことがよくある。こんなに好みの顔の人間と付き合えていることが、いまだに信じられない。

 ・態度が好きすぎる
  付き合う前に飲み屋に行ったのだが、日本酒の熱燗を頼んだのに冷酒が運ばれてきたことがあった。2人で首を傾げ、彼が店員さんに「熱燗を頼んだんですけど、、、」というようなことを言った。が、その後にすんごい笑顔で「冷たくても全然大丈夫ですよ!」と付け足していた。
  この、ともすれば店員さんとの間にギスギスが発生しそうな状況で、にこっとしながらカバーの一言を入れる様子に、私はグラっときてしまった。こういう、場の雰囲気を悪くしないための行動を自然に取れるところがめちゃくちゃ好きだ。

 ・性格が好きすぎる
  これも態度の一つなのかもしれないが、とにかく人あたりがいい。店員さんにちゃんと「ありがとうございます」と言うし、じっと見つめてくる幼子がいたらしゃがんで手を振るし。こうした周りの人への接し方や、そこから滲み出る優しさが好きだ。
  また、とにかく私との性格の相性がいい。私は好きだったらガンガン誘いたい、自分の意見ははっきり言いたい、やりたいことは邪魔されずにやりたい、みたいな性格なのだが、彼は気持ちいいぐらいに真逆だ。人を誘うのは苦手だし、我を通すというよりは私の意見を尊重してくれる。そんな彼だから、気になるお店を見つけたら躊躇なく誘うことができるし、唐突に電話をしても絶対に付き合ってくれるし、とにかく私は私のままで気持ちよく過ごすことができる。もし恋人が私と同じような性格だったら絶対に喧嘩やギスギスが発生していたと思うので、彼と私が正反対の性格で、しかもそれががっちり噛み合っていることが嬉しい。

 ・マメなところが好きすぎる
  とにかく連絡をすぐ返してくれる。周りには1日ぐらい連絡を寝かす人が多いし、かく言う私だって重要度の低い連絡は3日ぐらい放置する。が、恋人はどんな連絡でも数時間で返してくれる。予定合わせ系の重要度が高い連絡はもちろん、今日の昼ごはん共有みたいなどうでもいい連絡でも、空き時間を使ってすぐ返してくれているようだ。
  私は面倒くさい性格なので、連絡がすぐ返ってきすぎてもストレスが溜まる。いついかなる時でもLINEにすぐ既読がついたり、送った連絡が必ず5分以内に帰ってきたりしたら、そのペースに合わせなきゃと焦ってしまう。一方、好きな人間からLINEを数日放置されても、それはそれでやきもきするしストレスが溜まる。
  彼の連絡頻度は、そのどちらでもない超絶妙なペースなのだ。そのため、朝連絡をしてお昼休みに携帯を見たら返信が来ていて嬉しくなったり、それに返信して退勤後に携帯を見たらまた連絡が来ていて嬉しくなったりと、1日に何回も嬉しさを味わうことができる。こうして、私もマメに連絡を返せるようになった。
  推しでも恋人でも、供給の絶妙さは好きに直結する。

 ・シンクロ加減が好きすぎる
  趣味や会話のペースや生活様式など、さまざまな部分がシンクロしているので、一緒にいてものすごく気楽だし楽しい。
  趣味は、話せば話すほど共通点が出てくる。元々お互いお笑いが好きで仲良くなったのだが、話していくうちに音楽だとかゲームだとか麻雀だとか、予想もしていなかったような趣味がシンクロしていった。そのため、会って話している時の話題は尽きない。し、それぞれ知っているジャンルを教えあったりできるので、お互い趣味の教養が高まっている気がする。彼は私の知らない音楽ジャンルをたくさん知っているし、私も彼の知らない音楽を知っていたりするので、そういうのを共有できるのが楽しい。
  それに、食の好みも似ている。牡蠣や辛いものなど、好みが分かれる食べ物に対する好き度が驚くほどシンクロしている。ので、他の人は誘いにくいようなお店にも気軽に誘うことができるし、同じものを食べて同じように美味しさを共有することができる。
  また、お酒の許容量もほぼ同じだ。無類の酒好きの私からすると、この部分が何よりも嬉しい。酒好き兼かなりのザル体質な私には、同じペースでお酒を飲める友人はあまりいないのだが、彼は本当にペースが同じだ。なので飲み放題でお互いガンガン飲んで、気持ちよくお店を後にすることができる。いい気持ちになってちょっと街をぶらっとして、ほどよく酔いが抜けた状態で帰る。この一連の行動がたまらなく好きだ。
  そして彼は色白なので、お酒を飲んで顔がちょっと赤くなるのがむちゃくちゃ可愛い。酒はウマいし恋人の顔は良いしで、彼と飲みに行くときはいっつもワクワクしている。

 ・私の扱い方が好きすぎる
  あまりにも自分主体すぎて恥ずかしいのだが、とにかく私を恋人として扱ってくれる。彼は基本照れ屋で受け身なのだが、人がいるところでもちゃんと手を繋いでくれるし、繋いだ手の指で私の手の甲をこしこし擦ってくれる。
  また、人を誘うのが苦手と言いつつ、付き合い始めてからは彼から遊びに誘ってくれたり、電話をかけたりしてくれるようになった。他にも、付き合う前は私がネイルをしていても無反応だったのに、付き合い出してからは「爪綺麗だね」と言ってくれるようになったりと、付き合う前と後で私への接し方がちょっとずつ変わっているところが嬉しい。
  挙げてみるとごくささやかなことだが、されるとされないとでは嬉しさや満たされ加減が大違いだ。それを分かってやってくれているのか、無意識にやってくれているのかはわからないが、こうした行動の一つ一つが、私を満ち足りた気持ちにさせてくれる。

 
 とまあ、こんな具合で私は恋人にゾッコンだ。美味しいものを食べたり綺麗な景色を見たりしたら、無意識のうちに恋人と共有したくなるし、日常の中のどうでもいい出来事だって逐一報告したくなる。この甘くて幸せな生活にもう少し浸っていたい。

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