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わたしが求めることはなにか



わたしは
彼に焦がれている。


でも、
何を自分が望んでいるのか
わからない。




彼の本命の彼女になりたいわけでも
彼と生活を共にする妻になりたいわけでも

クリスマスや誕生日や記念日を
一緒に過ごす相手になりたいわけでもない。

強いて言えば、
もう少しだけ、
逢いたいとは思う。

でも、1〜2ヶ月に一度逢えれば十分。
毎週逢いたいとかは全然思わない。




彼は、相手をひとりに決めない。


自分の抱きたい時に
その時抱きたいと思った女に
連絡をする。


そういう人だとは
最初からわかっている。



そういう彼に
興味が湧いて
この人の見ている世界は
どんなだろうと
近付いたのはわたしだ。


だから、
自分一人にしてほしいとも
思わない。




彼は、
ひどく優しく丁寧に
女を扱う。


逆に、求められれば
冷酷に自分勝手に
自分自身を
女にぶつけることもする。



それは、女への敬意でもあり
テクニックでもある。




彼に愛されたいなんて望んで
始めたわけじゃないのに

彼に触れられると
少しは愛されているのではないかと
錯覚してしまう。


だって、
今までわたしを愛してくれた
どの人よりも
上手にわたしに触れて
上手にわたしを扱ってくれるから。




それもテクニックのひとつなのだから
そんなふうに錯覚してしまう
自分が阿呆なのだと
自分に言い聞かせつつも

彼は
誰にでもそう接していると
耳にすると
傷付く自分がいる。



わたしにとって
特別なこの時間は
彼にとっては
よくある日常の一コマなのだと
言われている気がして

そのギャップに
落ち込んでしまう。



わたしひとり
いなくなっても

彼の日常を埋める
ストックは
他にもいるのだと。





それに改めて気付いて

はじめはそれでいいと
始めたこの恋に
少しずつ少しずつ
欲張りになり始めている
自分を発見して

あ、もうこの恋は
そろそろ潮時だと思い
気が済むまで泣いたら。



妙にいろいろ納得してしまって。




生活感あふれる毎日に
苦しくても切なくても
こんな感情を感じられることこそが
わたしの望みではないか。


なんだか
今までの過去の恋愛のルールに
頭を持っていかれて
なんでもっと
こうしてくれないの!?
と、彼に求めることが
たくさん出てきそうになったけど

あれ、別にわたし
そんなこと求めてないじゃん
と、冷静になったり。




ただただ、
自分の信じることが
ちょっとぶれてしまっていて。



彼と一緒にいる時間に
自分が感じていることが
いちばん大事なはずなのに

それ以外の条件を
あれこれ持ち出して
やっぱりこれじゃいけなかったのかなと
勝手にもやもやしていただけ。




ベッドの外で
言いたいこと言えないのに

ベッドの中でだけ
素直になれるかよ!!!

と思っていたけど、

彼に関して言えば、

ベッドの中で
最高に素直になれる
信頼関係をつくっていれば

自然と
外でもそうなれるのか、
と、今、気付いた。




そう納得してしまったら、
この恋を降りる理由が
なくなってしまって。



でも、この前
ちょっとだけ
めんどくさいことを
彼に言ったから

わたしの気持ちどうこうよりも
すでに
彼に愛想を尽かされてるかもしれない
ことを考えたら

そっちの方がこわくて
やっぱり
今は連絡ができないなと
思ったりする。




でも、本当に、
こうゆう時に
自分に集中する方法を、

自分で自分に
快感覚を与える練習を

日々実践していて
よかったなと思う。




若い頃よりも
淋しさとうまく付き合いながら
恋愛できるようになったから。




灯寧

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