2014年10月の記事一覧
一睡もできなかった話
友人が何者かにとらわれたという電話があった。
私は急いで電話で伝えられたゴシックの廃墟へと駆けつけた。私が窓から様子をうかがいつつ一部屋一部屋を確認していくと、ある一室で椅子に縛り付けられた友人が数人の悪漢に取り囲まれているのが見えた。
ガシャン!と窓を叩き割ってなかに入り、折り畳み式の自動機関銃を取り出してダダダッと撃った。すると、ヒラヒラと紙切れが舞ったと思うと、そこには何枚かのトランプ
ほうき星と競争をした話
ある晩のこと、交差点で車を止めると、車の扉を開けて飛び込んで来るものがあった。彼はほうき星に財布をとられて追いかけているのだ、と言った。逃げたほうき星を追うように頼まれた私は、アクセルを踏み込み、彼の言うとおりに進路を選んではしると、やがて光るものが見え始め、とうとうほうき星に追い付いた。
エンジンがひときわ大きな音を立てた。ほうき星が電信柱をかすめて火花を散らした。
曲がり角を曲がるところ