見出し画像

今日から使える情報の錬金術

……私はこの2年で、いまだ「007」には会えてはいないが愛国と献身の心で経済学、政治学、歴史、地理学、物理学といったそれぞれの専門分野に従事する何十人もの最高の分析官たちとは会うことができた。
 そして彼らの「勝利」は秘密裡に入手した情報などではなく定期刊行物などの地道な査読・分析によって得られるものだということを学んだ。

米第36代大統領リンドン・ジョンソンのスピーチ 
(1966年6月30日リチャード・ヘルムズCIA長官の任命式にて)

 要するに国益にとって主だった重要な情報は007ばりの切った張ったの大立ち回りの末に得られるものではなく、機密文書でもなんでもないオモテの資料を地味ぃに、ひたすら読みとくことで得られるということなのです。
 これはただの地味なデータの羅列から意味のある情報を構築するビッグデータに通じるものがありますね。

 ロバート・レッドフォード主演の「コンドル」という作品にはそうしたただただ日々読書にいそしむオタク部署が出てきます。そんな超文系分所の地味な分析がぐうぜんにも組織内のどす黒い陰謀を暴いてしまい、ある朝、出勤してみると同僚が皆殺しにされており、たまたま席を外していたために命拾いした主人公が巨悪から逃げ回り、そして対峙し…という007のようなヒーロー映画とは一線を画したスパイ映画です。原作者のグレイディは元々ジャーナリストで、大統領のスピーチにもあるようにそうした部署も実在するということで私はその事実に感銘をうけました。


そこでわたしは全国紙新と地上波テレビだけでもかなりの情報えることが出来るはずだと「コンドル式情報の錬金術」を実践することにしました。
 キホンテクニックは「バイアスを排すること。
つまりシンプルにただ「聞く耳を持つこと」…です。

東京五輪はコロナ以前の問題として開催してはいけなかったということは全国紙のスクラップだけでわかります。
そのことはブログのほうで書きました。

どうやらリンクというのはクリックしてもらえないらしいので、ざっと要約してみます。
五輪準備に土木のリソース(資材、人材)が奪われ
いまだなお復興がおわらぬ東日本大震災の被災地に悪影響をおよぼします。
単純にリソースを奪われるだけでなく、資材、人件費の単価が高騰するという二重の意味での悪影響は五輪後の世界も圧迫します。
能登地震でたびたび「災害関連死」ということばがフィーチャーされましたが、東日本大震災の災害関連死数の更新はいまだ継続中なのです。
TBSラジオでは毎年、3月ごろ思い出したように被災地に取材に出向くという茶番をくりかえしていました。どこが茶番かというと「復興工事がストップしてしまっている」という生々しい事実をレポートしながら五輪期間中はうかれまくり、あろうことか五輪後もいかに男子アナが実況で活躍したかの特集をするなどの企画を放送していました。

 実は、復興への悪影響は東北だけではないのです。大雨などの災害も全国でおきていましたが、そちらの復興も五輪のせいで危機に瀕していると惨状を訴えた防災危機ジャーナリストの渡辺実さんは、その発言以来、テレビの画面から消えました。なんと露骨な情報統制。

 そうした事実をふまえると大胆に社会に斬りこんだと持てはやされたフジテレビのドラマ「エルピス」もとんだ茶番だということがわかります。なにしろあのドラマときたら「政権交代」を悪として描いていましたから…




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?