ほうれんそうとおひたし

報連相ー報告、連絡、相談。
子どもの頃からできなかったもの。

ー自分のことは自分でやる
ー親の手間はかけさせない
ー親に心配させない

学校のことを報告、連絡しようとしても
「うるさい」
「今忙しいから後で」
と言われ続けきた。

学校からプリントをもらって帰ってきても、親はわたしが学校の準備をするのに必要な情報をを教えてくれるわけでもなく、学校行事に参加するわけでもなかった。
もらってきたプリントや返却されたテストなどは、次第に諦めて渡さなくなった。

なので、授業がないとき(始業式とか終業式)にも授業の準備をしてランドセルで学校へ行っていたし、そもそも始業式の日にちを間違えていたこともあった。
昔の田舎なので小学校でも制服があり、ある日(の衣替え)を境に急にみんなが黒い冬服(もしくは白い夏服)になる。みんなの黒服の中にわたしの白がポツン、または逆だ。
一人だけみんなと違うことをして気まずい思いを何度も何度もして、やっとみんなと同じことができるようになった。

母親は1か月に1度くらいの気まぐれで、わたしのランドセルや手提げカバンの中身をチェックし、渡してないプリント類やテストの結果を引っ張り出してきて大いに怒った。
「忘れ物が多い」
「テストの点が悪い」
「学校から言われたことがちゃんとできていない」
ほっぺたをつねられたり尻を叩かれたり。
ひとしきりカバンの中をひっかき回したあとは、
そのまま学校の勉強を見る日になった。

わたしが入院していたときと同じく、国語で進んでいるところの「朗読」をさせ、計算問題をさせ、テストで間違えたところを復習させた。

「朗読」なんて、誰もしない。

そう訴えてもわたしがやるまで
ほっぺたをつねられたり尻を叩かれたり。

普段は放任な母親の気まぐれの日は、恐怖の日だった。

報連相って受ける側にも
「ほうれんそうの『おひたし』」というのがあるんだね。
初めて知った。
「お:怒らない」
「ひ:否定しない」
「た:助ける」
「し:指示する」

家庭で報連相をしようにも、
そもそも聞いてくれないし、
すぐ「怒る」し
頭から「否定する」し
「助けて」くれるわけでもない。
勉強については、お金の都合で塾に行かせなかったからあんな方法でわたしを「助けて」たつもりなんだろう。
指示は常にしてた、かな?
親は強い立場でわたしを支配する側にあったからね。

こんな状態で親に相談とか、どうやってすればいい?

報連相をするように、できるようになったのなんて、今の会社に入ってからだ。

「おひたし」の方は今知った。

これまでの自分を振り返ってみると、たとえばパートナーから何か報告とか連絡があったときに「おひた(し)」ができているか?というとできていないのがわかる。
親と同じことをしている。
こんな状態では、パートナーもさぞかし性同一性障害のことを言い出しにくかったことだろう。
言い出すまでに結婚してから20年ほどかかってしまったのだから。

報連相はどうにかできるようになったけど、今度はおひたしの方かな。
気がついたら少しずつ修正していくしかない。




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