母親からの手紙ー毒親と対決前夜祭2

わたしは母親にもこの気持ちをわかってもらおうと、夜な夜な書き殴ったメモ帳を見返した。
確かに殴り書きであって、このまま母親に叩きつけたら、わたしが母親の立場で子どもからこんな手紙をもらったなら自殺したい、と思うような内容になっていた。

このまま母親にぶつけたら、あまりにも可愛そうだ。あの人はずっとDVでモラハラパワハラな夫のことやお金のことで苦労してきている。そばで見ていたからよく分かる。そのままぶつけてはいけない。

ー毒親と知らないわたしは、まだ母親を慮る気持ちの余裕が戻りつつあった。


それにしても、なぜ母親はわたしに愛情を与えなかった?与えられなかった?

ふといつも書いてくる手紙の名前を思い出した。漢字、ではなくひらがなで、いつも自分の名前を記していた。

ハッとなった。
母親は四女だ。
父親の方も地元では名士な方だが、母親側家系もそれなりに跡継ぎが必要な家。男の子を待望されて、待望されて、生まれてきた4番目の、女。ーそれが、母親。

その後四女に相当がっかりしたのか、とうとう5番目には待望の初めての男の子であり末っ子ー母親にとっては弟が、生まれることになる。

4番目の子どもは、男以外、考えられなかったのだろう。
あろうことか、じーさんばーさんは生まれる前から男の子として用意していた、男にしか使わない漢字1文字の名前を、そのまま読み方だけ変更し、四女の母親の名前としてしまった。

四女は今、人に自分の名前を名乗る時、漢字は使わず、ひらがなで記していますよ!
名前が男にしかみえないって、生まれたときからイキナリの虐待じゃない?
一番上のおねーさんの名前は、「宝子」さんですよ?
ギャップ、すご過ぎない?
せめて上の他のおねーさんたちのように「子」くらいつけてやってくれ。

おかげで

名前や姉弟の立ち位置からして大事に、愛情を持って育てられたとは到底思いようもない環境にいた母親が、子ども(わたし)に愛情を、どうやって注げばよかったのか?
わたしにもわかんないわ〜。
しかも、わたしは母親が20才、父親19才の時の子どもである。愛情を受けなかったアダルトチルドレン同士ー子どもが産んでしまった子どもーそれが、わたし。

そして虐待というのは、連鎖していく。

わたしはネグレクト、されてたんだな。と理解した。

わたしにもし子どもができたら、、、愛し方がわからない自分もきっと、子どもを虐待する、
ーわたしは子どもを持ってはいけない。
虐待の恐れがあるのを、直感で感じていた。


小さい頃からうっすらと母親の子ども嫌いがわかっていて
«嫌い»とまではいかなかったのかもしれないけど、
少なくとも子どもをどう扱ったらいいのか、分からなかったんだろう
わたし個としての存在を否定されていたのもわかっていた。
母親ができなかったことを«自分のかわりに»やらせたくて、
お金だけはかけてやったんだから、文句を言うな、むしろ文句を言われる筋合いはない、みたいな?

コロナでいつ急に死ぬかもしれないとなったときに、自分の人生の後悔を綴ったつもりであろう母親から届いた手紙は、結局はそんなテイストの手紙になってしまっていた。
多少アダルトチルドレン特有の、行間を読みすぎるスキルも発動はしているとは思われるが、
わたしは手紙を読んだあと、1ヶ月以上生活がグダグダになってしまったのだ。


毒親という言葉にはまだたどり着いていなかったけど、書き散らかした1ヶ月で、ことの真相はだいたいわかった。








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