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ドイツ流落ち葉堆肥作りのキロク1

あっと言う間の11月。

この時期になると家の敷地内の落ち葉掻きが日課となり
その落ち葉は袋に貯めて、自分たちで集積場へ持ってゆきます。
少ない量なら自宅の生ゴミなどと一緒に回収してもらえるけど
ウチから毎年出る落ち葉の量は大量で、廃棄するのにも
料金がかかります。

落ち葉堆肥を作って、畑の土に返せたらという案は
大分前からあったんだけど、我が家で回収できる落ち葉の殆どが、
ナラとカエデの葉。
カエデはともかく、ナラの葉はタンニンが多く含まれているらしく
分解するのに時間が掛かり、堆肥づくりには向いてないとされていて
それがあって、落ち葉は全部まとめて集積場行きでした。
(日本ではナラの葉は堆肥に向いているとされています。)

しかし最近見つけたドイツの園芸系youtubeチャンネルで
葉っぱの種類問わず、なんでも堆肥にしてしまうおじさんに出会い
「これは!!」と言うことで、我が家も試験的に落ち葉堆肥を
作ってみる事にしました。

日本で一般的なのは、落ち葉の発酵を促進させるのに
米ぬかや、もみ殻くんたんなどを入れたりするようですが
ここで紹介するのは、それらの物を使わない作り方になります。

それでは
「なんでも堆肥おじさん流落ち葉堆肥の作り方」
私見諸々入ったりしますが、いってみましょう!

1.落ち葉をかき集める
我が家の落ち葉は、ナラ、カエデが80%を占めていて
後は果樹の落ち葉。
梅、サクランボ、花梨、ヘーゼルナッツやとちの木の葉が入ります。
マツなどの針葉樹もありますが、これは堆肥に向いてないようなので
入れません。

2.落ち葉を芝刈り機で粉砕する
分解しづらい葉っぱは、最初から砕いてしまえ作戦です。
相当な手間ですが、分解が早い種類の葉を使えばこの作業は省略できると
思います。
まずは落ち葉を広げて、ひたすらガーーっと粉砕してゆきます。

手前で落ち葉をガーやって、細かくなった葉を山状に積んでゆく

大体細かくなればオッケー。

3. 発酵促進のブースター資材と水を投入する。

望ましいのは落ち葉と同量の刈り草。
雑草が混じっても、種が付いてるものでもオッケー。
この堆肥は70℃近くまで発熱するので、種や病原菌は死滅するそうです。
温度を上げるように管理するのが、最大のキモになります。

大量の刈り草がない場合、例えば
鶏糞や牛糞をお湯で混ぜたもの、家庭から出る野菜くず
有機物だけで出来ているコンポスト用の活性剤や
日本で言うところの蹄角粉(牛などの角や蹄を蒸して粉砕したもの)
を混ぜるのもあり。
それとドイツにはもみ殻くんたんは無いけど、草木が原料の細かい炭が
売っており、とても有効なのだとか。

入れる量は落ち葉の量によるので、一概には言えないのですが
私はだいたい1m²に30センチぐらいの厚さに葉っぱを
盛ったところを1層とし、そこに牛糞と水を1:1で混ぜたものを
40ℓぐらい、それと刈り草を山盛り、そして次の層をだんだんに重ねて行き
その度に、このブースター資材と水を投入してゆくという感じです。

私もまだ実験途中なので何とも言えないのですが、これまでの感覚で
資材の量や種類というのは、そこまで綿密に計量する必要はなく
むしろ重要になってくるのは、水分量。
おじさんは1m³あたりの落ち葉に、100ℓぐらいの水が必要と
言っていたけど、後に水分量テストをすると、総じて足りない。
だから、水の量も一概に言えなく、投入する資材の水分量しかり
堆肥作りをしている場所や、環境や季節や天候などにもよるので、
1m³あたり100ℓというのはあくまで目安として知っておきたいと
思います。

4.全てを混ぜて重ねた落ち葉を、山型に盛ってその上をフリースで覆う

落ち葉が発熱して発酵して堆肥化するまでの間は、保温と水分調整の為
フリースをかけておく。
もうちょっと厚手で大きい不織布がほしかったんだけど、近所で手に入らなかったので、トンネル栽培などで使うもの2枚で代用。
重要なのは熱を逃がさないためにスッポリ覆う事です。

でもこの薄さ、役にたってるのかしら。。。

そしてこの状態を保ち、5日経ったら1回目の攪拌作業に入ります。

5.第一回目切り返し

堆肥づくりって麹づくりのようだなーと、つくづく思うのですが、
発酵には欠かせない酸素を行き渡らすために、山を一度切り崩して
かき混ぜます。
5日経った時点で、50~60℃ぐらいには発熱しているとおじさんは
言っていて、半信半疑で山の中に手を突っ込んでみると、なんとまあ
熱い!!!

下から恐る恐る手を突っ込んでみる

そして試しに温度を測ってみると、なるほどおじさんの言う通り
60℃近くまで上昇している。
私は自分で麹を醸したり、発酵食品を良くつくるのですが
これほど自力発熱する現象を見たことはないです。
落ち葉の3割程が黒くなっていて、発酵が進んでいる様子。
空気、水、微生物の力をまじまじと見せつけられる瞬間。
感激です!

湯気が出てるんです(伝われ!)

6.水分量チェック

一通りかき混ぜたら、水分チェックをします。
まず落ち葉を手のひらいっぱいに持ち、握りしめます。
その時、指の間から水が垂れてくるようだと、水分過多。
握りしめた手を開いて、落ち葉がバラバラにならず
湿り気で固まってくっついているぐらいなのが、適切な
水分量のようです。

うちは第1回目の手入れで、すでに葉っぱが熱によってなのか
乾いてしまっているところも見られたので、なんとなくの
目分量、目安として葉っぱがまんべんなく濡れている状態に
なるまで水を追加しました。
そしてもう一度、空気を混ぜ込むようにシャッフルしてから
また山の形に戻し、フリースで覆い、さらに1週間待ちます。

というのが、最初の行程です。
さらに1週間待ってから、またシャッフルして。。。
というのが続くのですが、この先の行程はその2でまとめて
みようと思います。

長文のご精読ありがとうございます!