悪態

空に広がる暗闇に
北斗七星を振り回して
小さな穴を開けた

ぽっかり空いた穴から
震える星座達を横目に
差し込む光がゆらゆら揺れて

手にしたグラスの水面を輝かせる

気だるい心と体が鬱陶しくて
暗い空に悪態をついて
月色した謎めいた不思議なジュースを
飲み干して管を巻く

まあまあ、と宥めるイカロスに
あかんべと
赤い舌を出す
どーでもいいやと
不貞腐れ
罵詈雑言を並べた

水瓶座が
「目を覚ませ！」と水瓶の水を
頭からかける

呆れた月が
「もう寝なさい」と
開けた穴をふさいで星を並べる

謎のジュースに含まれた何かのせいで
いつのまにか
夢の中に
ゆっくりゆっくりと
落ちていく

暗い空の隅で
月色した謎めいたジュースを
手にして
ニヤリと笑う謎の影

やれやれと
ゼウスが苦笑いして
謎の影に向けて杖を振ると
謎の影は消えていった