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娘が生まれた日は
年の瀬が迫る寒い日だった
新しい年になるための風が
緩やかに吹いていた

息子の生まれた日は
世界的にも大きな出来事があり
強い追い風が吹いていた

子供が生まれ親になった

親になった私は
か弱い我が子を
風から守るために防波堤になった

わたしの防波堤は弱々しくて
隙間風が吹いていた
その穴をたくさんの人が塞いでくれた
わたしを支えてくれる
暖かな風が支えてくれた

子供達はやがて成長して
わたしの防波堤から
一歩一歩と外へと歩き出した

私の心には
誇らしい風が吹き
ちょっとだけ
寂しい風が吹いた

だけど
私はにっこり笑い
子供達の背中に追い風を吹かした

子供達が
自分達の進むべき道に
導かれますようにと

子供達の背中を見送りながら
母を思った

母もきっと
こんな想いだったのだろうと

ふと
後ろを振り向いた

そこには
年老いた母が
優しく手を振っていた

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