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鬱が繋いだ縁

数年前
大病をした
鬱病の診断が出た

なんとか生きている
そんな状態だった

ちょっとだけ
復活した…と思ったら

子宮内膜症と子宮筋腫を発症した
筋腫は大きくなり
子宮摘出(癒着により子宮底だけ温存)
手術を受けた

生きることに実感を得られず
なんとなく毎日を過ごす日々の中でも
これではいけないと思い立ち
好きな美術館巡りを始めることにした

数ヶ月寝込んでいたせいで
すっかり体力は落ちていた

美術館に行くには体力がないといけない

まずは送り迎えをしてもらっていた通院を
自分で行くようにした。

初めは病院が出しているマイクロバスで
通い、徐々に自転車へと移行して行った。

誰かのために、と思うと動く体と心
だけど、自分のために…だと体は動かなかった。

この時点ではどちらも動かなかったので
意識して動かすことにした。

「このままじゃ、ずっと動けなくなる、
少しずつ動こう!」

そんな気持ちが少しずつ湧いてきて
今日は、〇〇まで行ってみようと目標を立てた。

最初は途中でくたびれてしまい、
バスを使ったり、喫茶店に入って休んだりした。

元々、意地張りの頑固者
やりたいと思ったらやり続ける性格だから
次へ次へと目標が変わっていった

そうやっていくうちに、電車に乗って、
遠出もできるようになり、T市の美術館まで
行けるようになった。

美術館の展示スケジュールをチェックするようになったり、他の美術館を探すようになった。

そして、出会った『前橋文学館』
この出会いが思いもしない繋がりになった

鬱になってから、敏感になった感情が、
ますます繊細になった

前橋文学館は萩原朔太郎さんの記念館
展示品を見ながら、涙ぐんでいた

一つ一つの詩ではなく、全ての詩が
私の何かを刺激している感覚は、初めてだった。

その感覚は私の創作力に刺激を与えて
子供の頃に書いていた詩を
また、書くようになった

『前橋文学館』の前を流れる広瀬川の流れる
轟音が何故か快く、心が疲れると行きたくなるのだ。

何かするわけじゃなく
ずっと、眺めていられるだけでいい
そんな場所を私は手に入れた

だが、一回罹った鬱病は
思うよりも厄介だ

一度壊れた心は簡単には治らない。

だけど、その事を悲観に思うのではなく、
心の声を聞いて、問いかけてみる

疲れてない?
今は休む時じゃない?

大丈夫と思わずに
心の中にしまい込まずに
吐き出してみる

人からはなれて
一人になる

私は広瀬川に会いに行き
詩を作る

そうやって心を労り、休ませている

自分だけの場所を作ることが
何よりも大切だと
鬱になって思った

肩をいからして
肩に力を入れて
心の声を無視していた事
鬱になってわかった

寛解してから
少しだけ、肩の力を抜く事を覚えた

生きる!事に全てが繋がった!
そんな風に思いながら
私はこれからも詩を書いていくつもりだ

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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