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男は最初の男になりたがり女は最後の女になりたがる

「男は最初の男になりたがり、女は最後の女になりたがる」
劇作家オスカー・ワイルドの言葉だ。

今の時代感覚に当てはめた場合も、なんだか、言い得て妙だ。

一瞬、不満を感じる気もするが、
もしも生涯ひとりのパートナー同士であれば、
双方にとっては何の問題もないので、その場合は恵まれていると言える。

でもおそらくそういう2人はなかなか見つからないと思う。

恋は3年位で色褪せてしまう。

そこから愛に変容できるかどうかは、神のみぞ知る。

男性の気持ちは分からないが、いつも最初だと思えば最初だし、
いつも最後と思えば最後なんだと思う。

どれだけ、その思いを相手に傾けられるかにかかっている。

詩人のジョージ・ゴードン・バイロンは語る。

「殿方の恋は、その人生とは別のもの、
でも女にとっては、それがすべての生き甲斐」

日本人にとって愛とは慈しみのような感じがする。

お互いが時に父になり、母になり、弟になり、妹になる。

男らしさの定義もなく、女らしさの定義もなく、
あるのは人間としての相性とか、尊敬だ。

もちろん、情だけで続く恋愛もあるし、
そもそも2人のことは2人だけしか分からない。

バイロンはゲーテが「今世紀最大の天才」と称した、
イギリスの貴族で詩人だ。

1824年没、ということは36歳で亡くなったということだ。

19世紀のことだから、現代と比較すると精神年齢も
今の20代に相当するのではなかろうか。

作家の佐藤愛子さんが確か50代の頃の対談で、
恋愛のことを「そんなメンドクサイこと」と
話したのが、なぜか心に残っている。

その時は(50代はお年寄りだから)と、
不思議に思わなかったが、21世紀の現在に置いて、
50代というのは絶対的に若い。

佐藤愛子さんが「メンドクサイ」といったのは、
恋の駆け引きのようなことや、自分の生活を安定を
崩すからではないかと思う。

(作家として、書くテーマによってはちがうのだろうが)

私が20代初めの頃、
同級生が8歳年上の女性と結婚したのが、とても衝撃的だった。

(話が合うのだろうか)
(どれほどの美人なのだろうか)というような素朴な疑問。

しかも「俺はあいつを愛してるんだ」と、
大勢の友人の前でのたまったとのこと。

キャ~~♡という感じで、同級生女子の恰好の話題となった。

好きを通り越して、なんたって「愛してる」んですから。

だけども、あれからウン十年経って、私の回りには
5歳年下の男性と結婚した女性も、13歳年下の男性と結婚した人もいる。

(なんであのおじさんが・・・)と誰もが思うような人は、
こないだ4度目の結婚をした。

同性で暮らしている人もいるし、
隠して結婚してるらしいという人もいる。

もはや男がどうで、女がこうだと型にはめる必要がなく、
せいぜい「こういう傾向」と語る方が自然なのではないかと思う。

語るとしたら、男性の魅力、女性の魅力ではなく、
それぞれの個性としての魅力、
恋愛という形でなくて、
人間愛としての形を模索する時代ではないかと思う。

私は同性同士の恋愛というのは正直理解できないが、
すごく好きな男性を思い浮かべて、
(あの人が女性だったら)と想像した時に、
(女性でもやっぱり好きになったかも)と思ってしまった。

男と女の境目はどこに作るべきなんだろうか。


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