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あなたはひとに公平にしなければいけない

「あなたはひとに公平にしなければいけない」というのは
リアルにアドバイスされた言葉です。

一瞬(私ってそんなに悪い人間?)と
頭の中をクエスチョンマークが駆け巡りました。

驚いた表情をしたはずで、
何か言いたくなるようなこちらの思いを遮って、話を続けた。

「どんなにその人が大変で、どんなに可哀そうでも、
それは、その人が自分でなんとかしなきゃいけないことなんですよ」

目からうろこ、というのはこういう状態を指すのかと思った。

その一言は、私の迷いを見透かすように、一瞬で、
最後のパズルのピースはめこんだかのようだった。

「自分を一番大切にしなければいけない」という言葉の意味を
きちんと納得できた瞬間と言ってもいいのかも知れない。

ある人に心を寄せても、
結局家族でない限りは、
その場だけの慰めでしかない。

こうすればいいのに、と思っても、
思うだけでその人が実行するわけではない。

どうにかしてあげたいと思ったら、
自分が自分を犠牲にして寄り添うか、
その人を管理の名の元に置くしかないのだ。

何か矛盾している。


同じような結果を願う言葉はいろいろあって、
いろんな人の、立場や考えや、年齢や生活環境や、
それらがうまく整った状態で、
「目からうろこ」のタイミングに出逢うんだと思った。

中年以降になって(これはこのためだったのかも知れない)と
思い至ることは時々あるが、経験を積み重ねる必要があるということだ。

「真の同情はありうるのか」は思春期に考え続けたテーマ。

誰かの思いを受け止めても、受け止め続けることは無理。

誰かの嘆きを聞いてあげても、聞き続けることは無理。

誰かの怒りに同意してあげても、同意し続けることは無理。

その時だけは何か力になってあげることが出来ても、
違う人間である以上、結果的にそれぞれの生活に帰っていく。

あかとんぼ じっとしたまま 明日あしたどうする

土筆つくしこれからどうする ひとりぽつんと

風天(渥美清)

 
              


出来ることは

「見守る」

「心配する」

そういう祈りの気持ちだけなんだろうと思う。

必要以上に、誰かに思いを寄せすぎるとその人も自分も駄目になる。

それはその人を「弱い立場」、自分を「恵まれた立場」と
差別してしまう、おごりという恥ずかしい思い込みだと知った。

自分が嫌ってる、一番性質が悪い「善人の無知」だとも知った。

結構年に不足はなかったんだけどな。

あの頃。



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