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青に由来する彼女*クライン・ブルー

体調不良で寝込んでいたところ、
心がざわつく写真が目に留まりました。
写真の中の誰かの心に入り込みそうな感じ。
高速道路がまるでダークマターのような。
生きている快感を味わうような写真が数枚ありました。
いつか記事にしたいと思っていた友人のイメージが
写真を見ながら頭に散らかってきて、
散文詩(というのでしょうか?)みたいになりました。
大石秀宣さん良い刺激をどうもありがとう。


彼女は花壇の隅にひっそりと咲くまっすぐ伸びた青い矢車草

乾いた固い土の貧弱な場所にさえ根をおろす

街へ向かう電車が通る踏み切りの近く

踏み切りには子供連れの母親や

仕事に疲れた父親や人生に疲れた年寄りが通る

笑顔も涙も苦しみも踏み切りには誰かのその断片が落ちていく

排気ガスを吸い込んでも唾を落とされてもただそこに咲いている


彼女はゴツゴツの岩場に建つまっすぐな小さな青い色の灯台

さざ波に漂う小舟が通りすぎて見上げる

カモメがひと休みする陸との中間地点

海に住む小さな生き物達が這い上がり

イソギンチャクやフジツボの住みかにもなる

暴風雨にも荒波にも身を任せ時が過ぎ去るのをじっと待つ

シリウスの輝く夜も月すら隠れる夜も世界にただ灯りを与え続ける


彼女は天駈あまかける清冽せいれつなクライン・ブルーの青い龍

雷の鳴り響く雨雲にすら恐れはしない

宇宙の叡智すべてが交じり合う大気の空間

地上のさざめきにかすれ声の助けを呼ぶ気配を

見落とさないようにただただ見守る

むさぼり怒り愚かさという三毒にまみれたこの地獄を

ギョロリとした大きなその目でただ睨み続けている

青をまとった私の大切な同志

 1957年にクラインはミラノで「イヴ・クライン-モノクロームの提案、ブルーの時代」と題された個展で、この顔料を使ってキャンバスに塗布した青色の絵画作品群を発表。この展覧会は批評的にも商業的にも成功であり、クラインにとって一躍脚光を浴びるきっかけになった。そして60年に、フランスの産業財産庁に「インターナショナル・クライン・ブルー」と名付け、この顔料の特許登録を行っている。

「クライン・ブルー」で家の壁が塗れる。フランスの塗料会社による「Yves Klein®」コレクションをチェック|美術手帖 (bijutsutecho.com)

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