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私は結婚できない

「私は結婚をしたくないんだ」といつも言うのだが、そろそろ世間様に「あの子はいつまで経っても結婚できないんだ」とレッテルを貼られる頃だろうからあえて結婚できないという書き方にする。

アラサー、女、地方実家暮らし、Fラン4大卒、現在はテレワークで正社員、ペットは猫を飼っていたが1ヶ月前に死んだ。歳の離れた妹がいる。両親は健在だが、どちらも還暦を超えたり近かったり病気してたりそんなに若くない。

私が大学を卒業した頃、まずは小中学の同級生から結婚していった。ど田舎というのもあるかもしれない。社会人生活が私よりも4年も早いと考えれば頷ける。そもそも小中学生の頃から誰々が好きだの嫌いだのと喋っていた女の子たちが早熟じゃないわけがない。恋愛とかそういうのを結婚という形に昇華させることに何も違和感を覚えず、流れで、とか勢いで結婚したり、子供ができちゃったから結婚したのだろう。この頃の結婚の噂は他人事に他ならない。

私が社会人2年目、人生を大コケして大骨折し(精神的な意味で)ニートをやっていた頃、ゾロゾロと高校時代の同級生が結婚していくのをインスタとかで知った。母校は地方のなんちゃって進学校、「受験は団体戦!」と恥ずかしげも無く黒板の上に掲げている。その中の落ちこぼれクラスにいた。6組あるうちの6組。1組から順に頭がいい。
3,4,5組の一部の子達のLINEの苗字が変わっていった。私はあまり記憶力が良くないのでLINEだけ交換したみたいな適当な付き合いの子に関しては顔すら思い出せない。苗字まで変わってしまったのだから連絡の取りようがない、というかそもそもそういった間柄の人とは連絡取らなくていい。そのおかげで絶妙な関係の知らん名前と顔のアカウントが何個かある。

私が2年くらいニートをやって社会復帰をし始めた頃、今度は大学時代の同級生が結婚し出した。20代も折り返し地点、世間的には盛りの時期なのかもしれないけど、本当に、なんだね。と感嘆した。完全に他人事だったものが、ジリジリ近寄ってくる気味の悪さを感じた。

「次は〇〇の番だね」

最近、子を産む同級生が増えてきた。クラスのいじめっ子も立派に母親である。あー、自分には想像できない人生を進んでいる。そして私も両親に言われる。

「いつ結婚するんだ?」
「しない」

「なんで????????????????」

結婚しない特別な理由はない。毎回自分ごととして想像ができないだけだ。何かがにじり寄ってきたあの日も、そういう人たちが周りに増えてきたというだけで「私も早く」なんて思いに駆られたことはない。別に同性が好きとかではない。私は異性愛者だ。恋愛が嫌いなわけでもない。恋愛と結婚もまた別物な気もするが、≒として考える人が多いので出しておく。

あと出産もできない。考えられない。ぶっちゃけ、自分と同じ血が通った子供というのに気持ち悪さを感じる。いもしないのでなんとでも言える。生理的に無理。同性愛者に対して「なんで女・男の人が好きなんですかー?」なんて聞くようなものだ。「なんで結婚しないの?子供作らないの?」すごく嫌だ。

そんな風に思っていてもかなり聞かれるから私だってたくさん考えた。「結婚したくない 女性 心理」とか、ググったし、そう言った類のサイトに自分の答えがないかひとしきり探した。自分の周りの環境を責めるような文が多く、辟易とした。結局自分を深掘りするしかない。
「なんで私は結婚できないんだ」「両親の仲が悪くて結婚にいいイメージがないからかな」「私が迷惑を掛けてばかりだったし精神病だからかな(実はそうだ)」「自分に自信がないな」「自信がないのってなんでかな」「そもそも自信があったことなんてないな」>>>>>>>>>>「社不だから死んだ方がいいな」私は飛躍して考える節があるので、こんな具合によく死にたくなった。

しかし死にたくなる思いをしてまで考え抜かなきゃいけないものでもないと思う。結婚できなくて死ぬってなんだ。アホか

正直将来は、自分と似た様な人たちを集めてビレッジを構築したい。その中で自由に暮らして、誰かと誰かの子供が生まれたら誰かと育てたりしたい。責任を持って人の子を育てたい。
こういうのは夢のまた夢の話なので、現実的ではないのだが、私の頭の中ではウエディングドレスを着てるよりもずっと想像がつく。そっちの方が似合う気がする。

こんなことをリアルでいうとドン引きされる可能性があるので出来るだけ言わないようにしているが、どうしても言わなければいけない人には伝えている。今のパートナー(こちらもアラサー)である。彼は、結婚したい願望がある人だ。私は彼にプロポーズをされたが断っている。

初めはお互いが傷つかない様にするために別れた方がいいのではと言っていたが、どうしても話が平行線になったので(ここは省く)、どちらも同じくらい傷つこうという話にまとまった。

彼は結婚したいと言い続ける。
私は結婚しないと言い続ける。
どちらかが根負けしたら、事が動く。

彼に対しては心から申し訳ないと感じている。
しかし私も結婚しないということを伝え続けるのには相当なストレスがかかる。この関係はフェアだと思う。仲が悪いわけではないのだ。相手が誰であっても私は結婚できない。

とはいえ、彼に希望を持たすような言葉をいうこともある。それは私にとっても想定し得ないことだ。
女心と秋の空なんて言葉があるくらいだ。もしかしたら気が変わって、「結婚してもいいかな」と思う日もあるかもしれない(それがいつになるかはわからない)。ただ、こういった不確定要素というのは、婚姻関係にあってもついて回るものだ。どちらかが経済力を突然失って、生活が苦しくなるかもしれない。子供が不治の病にかかるかもしれない。旦那が女になって、男の人と付き合い出すことだって有り得る。

「どうなるかわからない」を抱えるのは、どんな間柄でも同じことだと思う。自分たちの中ではそれで一旦落ち着いている。一緒にいてもらえる事がありがたい。

白黒つかない上に不確定なグレー地点にいるが、そういう名前のつかないポジションに立っている人の方が多いと思う。名前がついていないと落ち着かないから何者かになるのだろうし、それでも私はこれでいいと思う。今はここが丁度いい。

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