たまには不幸自慢も

実はうつ病になってしまっていまも治療中で、というと、微妙な空気になってしまう

これはいつどこでもそう
微妙な空気にならなかったのは看護師をしている親友(その子のお父様もうつ病)の前でだけだ

自分で言うのはアレだが、うつ病には見えない
うつ病に見えないし、なりそうにも見えない
大雑把で少しのことは気にしなさそうで、豪快で強そうに見えると思う
よく笑い、にこにこしていて、初めて会う人ともそれなりに話せるタイプだ

でも、わたしをよく知っている友人たちや夫は「頑張り屋さん」「繊細」「完璧主義」だと口を揃えて言う

それもこれも全部自分の本当の姿で、嘘ではない

学生時代から成績優秀で通知表はオール5だった
生徒会長もした
ピアノの伴奏が必要なときは欠かさず担当だった
塾にかよったり通信ゼミをとったこともないが、偏差値68の高校に入った

部員120人の吹奏楽部に入り、そこそこ楽器も吹けてソロも任された
パートリーダーだった
塾にいかずに、高3の10月から4ヶ月の勉強でMARCHに入った
学費や生活費は奨学金と週7日のアルバイトで賄った

ここまでみれば、普通にいる普通の人間だし
もう28になるのに18歳の頃の話をしているのは恥ずかしいことなのかもしれない

でも、幼少期から虐待を受けていた。家庭内暴力。
いまはモラハラという言葉も浸透してきたが、シングルファザーの父から、モラハラと虐待を受けながら、生徒会長やらパートリーダーやら勉強やら何やらをしてきたのだ

その間、助けてくれる人は、一人も、いなかった

夜中に殴られ髪を掴んで引きずられ外に出される。

まただ、何もしていないのになぜ引きずられているのだろう

携帯も鍵もない、靴も履いていないパジャマ姿で。
でも明日は学校で部活の練習もある、なんとかしないと、、雪が降ってる足が寒い

まあ結局一晩をなんとか非常階段ですごし、裸足で弟がいる中学に鍵を借りに行き、家で制服を着て高校へ行く

学校につくのは15時過ぎ

偏差値68の学校は公立だったが、裕福な家庭の子ばかりだった
「ちゃんと親に謝ったの?謝れば許してくれるから謝るしかないでしょ」
「最近なんで時間を守れないの?おかしいよ」
保健室の先生にも同じようなことを言われた


もう何を誰に言ってもだめだった
当時交際していた彼氏に「学校に始業時間からちゃんと来て部活をするか、部活を辞めるか、どちらか選んで」と言われたのを今でも覚えている

小学生の頃から死にたかった。テストで100点をとっても親から褒められなかった。
褒められた経験なんて、ない。

そのまま成長して大人になった私は、心の中の歪みを見せずに、フツーに明るくて害のなさそうな人を演じることに慣れた。

直近の仕事でIT系の営業マンをしていた。
1年目で粗利7000万円を受注し、新人賞をもらった。
それでも、満たされない

好きなことってなんだっけ?
褒められるために頑張ってたけど誰も褒めてくれないな
好きだった音楽も、親に褒められるために頑張ってたんだ、でも褒められなかった
勉強も仕事も、なにもかも。
誰も助けてくれない、自分でなんとかするしかない

大きく広がった心の穴ぼこは、なにをしても満たされない
お酒を飲んでも買い物をしても
運動をしても勉強をしても

そのうち仕事でも燃え尽き症候群を発症し、うつ症状もひどくなったので休職した
なんやかんやあって退職。いまは傷病手当で生活している。

人生を小説にしたら、今は第2章といったところだろうか。


不幸自慢ね、はいはい
好きあらば不幸自慢ね、

そう思うあなたの気持ちも、わかるよ。

でもたまには不幸自慢くらい、いいよね。





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