断る理由

もっといい男いるよと振る君はそうかも悪い男(ひと)かもしれぬ/尾崎飛鳥

「俺よりいい人がいるよ」なんて好きな女には絶対に言わない言葉なんか言わないでほしい。好きな女には絶対にしないネガティブキャンペーンなんかしないでほしい。自信がないとかそんなの知らない。自信がなくたって本当に好きな女にならぐいぐい行くことを知っている。
　
　断る理由を「今彼女作る気ないから」と言う男性がいる。そんなの嘘だ。本当に彼女を作る気がないのは分かる。それは嘘ではないと思う。でも、告白を断る理由が「今彼女作る気ないから」というのは嘘だ。彼女作る気なくたって自然と好きな人ができるかもしれないし、本当に本当にものすごくタイプの女性に言い寄られたら、断る男性なんていないと思うからだ。だから、「今彼女作る気ないから」というのが断る理由にはならない。ただ単に私と付き合う気がないだけでしょう？

　それをちゃんと伝えてほしいのに、本人にも自覚がないから、「今彼女作る気ない」という大前提を押し出して、告白を断る理由にしてくる。誠実じゃない男性はあまりにも多い。正確に言えば、好きな女にしか誠実じゃない男性が多い。まあこれはその方が正しいと思うが（好きじゃない女にも誠実なのは浮気性の男だけだ）。
　
　でも、そのことに無自覚な男性の多いこと。「彼女作る気ないからという正しい理由で俺はちゃんと告白を断った」と、さも自分が誠実な態度で告白を断ったと思っている男性の多いこと。いくら「彼女作る気ない」が本当だとしても、告白を断る時の理由に「彼女作る気ないから」と言うのは、誠実ではない。ちゃんと、「あなたはタイプではありません。あなたをそういう目では見れません。だからあなたとは付き合えません」と言うべきだ。と私は思う。少なくとも、私ははっきりそう言ってほしい。

　なので、今後私を振ることになるかもしれない男性にはこのことをよく肝に銘じておいてほしいのだ（私を振ることになるかもしれない男性がこの文章を読む可能性は限りなくゼロに近いのだが）。

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